F1技術解説:第8戦(2)レッドブルのフロア周りのアップデートとフェルスタッペンが今年苦労している理由

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「フェラーリの速さに貢献した新リヤウイング。馬力優先の結果、トラブル続出のパワーユニット」に続く今回は、レッドブルのアップデートを紹介するとともに、今年マックス・フェルスタッペンがマシンに苦労している理由を探る。

J SPORTS、スーパーGTレース映像にオンボードとチーム無線を加えた新番組を6月27日より放送

 スポーツテレビ局のJ SPORTSは6月17日、国内屈指の人気を誇るスーパーGTを新たな角度で楽しむことができる新番組『SUPER GT 2022【Team Radioプラス】』を、6月27日よりJ SPORTS/J SPORTSオンデマンドで放送/配信を行うと発表した。

 このTeam Radioプラスは、2021年にも放送されていた“オンボードプラス”に、新たにチームラジオ(無線)を加えたファン待望の新番組だ。

【動画】スバルWRX、地元群馬での1戦はアクシデントが相次ぐ厳しい戦いに/全日本ラリー第5戦

 6月11日から12日にかけて、群馬県富岡市を中心にJRC全日本ラリー選手権第5戦『モントレー2022』が開催され、スバル勢は鎌田卓麻/松本優一組(スバルWRX STI)が総合6位入賞を果たした。一方、新井敏弘/田中直哉組(スバルWRX STI)は初日リタイアとなっている。

 スバル勢にとって、今戦は地元の群馬県で行われる凱旋ラリーとなった。それだけに選手たちも一段と気合いが入ったが、モントレーの難関ターマック(舗装路)が牙を剥いた。

FIAがポーパシング軽減のための対策導入を決定。F1ドライバーの安全&健康に強い懸念

 FIAは、6月16日、ドライバーの安全を考慮し、マシンのポーパシング(ダウンフォース量の変化によってマシンが激しく上下に振動する現象)を減らすための対策を導入することを発表した。

 2022年にF1技術レギュレーションが大幅に変更され、グラウンドエフェクトカーが導入されると、各チームは程度の差はあるものの、ポーパシング現象に悩まされ、これに対処する必要に迫られた。車高をできるだけ下げることがより優れたパフォーマンスを生むことにつながるが、低い車高で走ることで、バウンシングやボトミングに苦しむことにもなる。

元F1王者ヒル「アロンソはアルピーヌのために結果を出しているトリックスター」。衰えた様子は見えないと語る

 1996年F1世界チャンピオンのデイモン・ヒルは、41歳を目前にしても若い頃と変わらない「ずる賢さ」とパフォーマンスを併せもっているアルピーヌのフェルナンド・アロンソが大のお気に入りのようだ。

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPの予選で10番手に入ったアロンソは、翌日の決勝レースでは、マクラーレンのふたりとチームメイトであるエステバン・オコンを抑えて7位入賞を果たした。これで3戦連続のトップ10入りとなったアロンソにとって、F1やドライビングに対する情熱が今も変わっていないことを示すパフォーマンスでもあった。

【全ドライバー独自採点/F1第8戦】試練のなか完璧な走りを見せ続けるルクレール。好走も残酷な結果に終わった角田裕毅

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が圧倒的速さでポールポジションを獲得。しかしレースで再びトラブルが発生、ノーポイントというむごい結果となった。フェラーリのダブルリタイアで、レッドブルが1-2を飾り、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシーズン5勝目を挙げ、ポイントリードをさらに拡大した。

 アゼルバイジャンGPでのそれぞれのドライバーたちの戦いぶりを、バスコンセロス氏が振り返る。