ピアストリ騒動でガスリーのアルピーヌF1移籍のうわさが浮上。レッドブル陣営は「契約解除条項はない」と完全否定

 2023年のアルファタウリF1残留が決定しているピエール・ガスリーについて、アルピーヌ行きのうわさが浮上しているが、これをレッドブル陣営が否定した。

 ハンガリーGP直前にセバスチャン・ベッテルが2022年末でのF1引退を発表。これに伴い、ハンガリーGP翌日にアストンマーティンはベッテルの後任としてフェルナンド・アロンソと複数年契約を結んだことを公表した。アロンソを失ったアルピーヌは、すぐさまリザーブドライバーのオスカー・ピアストリを2023年にレースドライバーに昇格させることを発表したものの、直後にピアストリがこれを否定、混乱が生じている。

リカルド、最も過小評価されているF1ドライバーとしてガスリーを挙げる「みんなが見捨てても彼は強くなって戻ってきた」

 マクラーレンのダニエル・リカルドの意見によると、F1でのキャリアを通して示してきた気質とスキルを考慮すると、ピエール・ガスリー(アルファタウリ)はF1で最も過小評価されているドライバーだと言えるという。

 ガスリーのF1における経歴はこれまでのところ、2019年にトロロッソ(現アルファタウリ)からレッドブル・レーシングへ昇格した時と、同じ年の後半にトロロッソに降格された時のふたつの部分に分かれている。レッドブルで最も優れた可能性の持ち主と称されていたガスリーは、レッドブルにいた2019年の半年の間にマックス・フェルスタッペンのレベルに近づくことができなかった。その後ガスリーは、アレクサンダー・アルボンと交代させられた。アルボンはガスリーより長い期間レッドブルにいたが、最終的に彼もチーム上層部を感心させることはできなかった。

F1技術解説:第12/13戦(3)真価発揮が待たれるアルファタウリの新型フロア

 2022年F1第13戦ハンガリーGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「戦略失敗だけでは説明できないフェラーリの大失速」第2回「“ホワイト・フェラーリ”を堂々投入。ハースが今季初のアップグレード」 に続く今回は、連戦最初のフランスGPでアルファタウリが導入したアップデートを紹介する。

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 ハンガリーGP前週のフランスGPに、アルファタウリは重要なアップデートを投入した。改良点は主にフロアに関するもので、ベンチュリートンネルの入り口形状が一新された。

ハンガリーGPでのトラックリミット判定に腹を立てたガスリー、F1レースディレクターと「将来的な解決策」について議論

 アルファタウリのピエール・ガスリーは、スチュワードによる“大いに異論のある”判定を受けて、ハンガリーでF1のレースディレクターたちと厄介なトラックリミットの問題について長い話し合いを持ったと述べている。

 F1第13戦ハンガリーGPにおいて、トラックリミットはふたたびドライバーたちによる多くの議論の中心となった。ガスリーのチームメイトの角田裕毅とミック・シューマッハー(ハース)は、トラックリミット違反により予選Q1でタイムを抹消された。セルジオ・ペレスは(レッドブル)予選Q2の最速タイムを一度は抹消されたが、その後スチュワードが精査した結果、取り消されたタイムは再び有効になった。

アルファタウリF1、ベルギーFP1でローソンを起用へ。若手ドライバー支援規則の一環で

 アルファタウリ代表のフランツ・トストが、次戦ベルギーGPの金曜フリープラクティス1で、レッドブルジュニアドライバーのリアム・ローソンを走らせる予定であると明かした。

 F1は、F1昇格を目指すドライバーたちにF1マシンで走行する機会を与えるための規定として、金曜プラクティスでの走行について以下のように定めている。

「選手権期間中、各競技者は、選手権にエントリーされた各車両で1回、キャリアのなかで選手権のレースに3回以上出場していないドライバーを起用しなければならない」

ガスリー12位「ピットレーンスタートと考えれば満足。後半戦はコンスタントに入賞できるようになりたい」/F1第13戦

 2022年F1ハンガリーGP決勝で、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリーは12位でフィニッシュした。予選19番手に終わった後、チームはガスリーのパワーユニット(PU)にICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kの4基目、エナジーストア、コントロールエレクトロニクスの3基目を入れた。これはシーズン中に使用が許される基数を越えており、FIA技術デリゲートの承認なしに交換したものであるため、ガスリーはピットレーンからのスタートとなった。

【角田裕毅F1第13戦密着】「クルマと格闘している感じだった」グリップ不足の原因は不明。前戦のアップデートとは無関係か

「今日は本当に大変な1日で、あまりいいレースができたとは思えない。グリップがまったくなくて、クルマと格闘しているような感じだった。コース上にマシンをとどめておくことさえ、難しい状況だった」

 これはF1第13戦ハンガリーGPのレースを2周遅れで完走した角田裕毅(アルファタウリ)のレース後のコメントだ。その表情は落胆しているというよりも、グリップ不足に陥った理由がわからず、途方に暮れているという様子だった。

角田裕毅19位「グリップがなくて苦戦。なぜアップグレードが効果を発揮していないのか探る必要がある」/F1第13戦決勝

 2022年F1ハンガリーGP決勝で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は19位で完走を果たした。3回ストップでトップから2周後れでのフィニッシュだった。

 テクニカルディレクターのジョディ・エギントンはレース後に次のようにコメントした。

「今日の展開には複雑な思いだ。ピエール(・ガスリー)は(パワーユニットを交換して)ピットレーンからスタートし、非常に強力なレースをした。ソフトコンパウンドとミディアムコンパウンドをうまく使って12位でフィニッシュしたのだ。残念ながら裕毅にとってははるかに難しいレースになった。すべてのスティントでグリップとバランスに苦しみ、全体的にマシンに満足していなかった。テレメトリーからは問題が明らかになっていないが、原因を突き止めるために調査を行う必要がある」

ガスリー、タイム抹消でQ1敗退「小さな進歩を確認できたのはよかった。決勝に期待」アルファタウリ/F1第13戦

 2022年F1ハンガリーGPの土曜予選で、スクーデリア・アルファタウリのピエール・ガスリーは19番手だった。ガスリーは1分19秒116のタイムを記録し、Q2進出を決めたかに思われたが、このタイムはトラックリミット違反で取り消され、その結果Q1敗退となった。

■ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ)
FP3 19番手(1分46秒091:ウエットタイヤ/18周)
予選 19番手(Q1=19番手1分19秒527:ソフトタイヤ)

【角田裕毅F1第13戦密着】不調の原因を特定できないまま迎えた土曜。予選はQ2まで1000分の35秒届かず16番手

 土曜日のハンガロリンクは朝から雨曇が空を覆い、昼過ぎには雷を伴う激しい雨に見舞われた。ウェットコンディションで始まったF1第13戦ハンガリーGPのフリー走行3回目。しかし、ハンガロリンクの雨はアルファタウリ勢にとって、決して恵みの雨とはならなかった。予選前の最後の練習走行で、アルファタウリの2台は角田裕毅が17番手、チームメートのピエール・ガスリーは19番手に終わったからだった。

 金曜日のフリー走行後、エンジニアとともに問題点を見つけて、土曜日に向けて改善したいと言っていた角田。しかし、土曜日のフリー走行でのマシンの調子は「あまりよくなかった」(角田)という。理由は、金曜日のフリー走行でバランスが安定しなかった原因が特定できなかったからだった。