F1技術解説:第12戦(1)フェラーリのルクレールはなぜミスを犯したのか

 2022年F1第12戦フランスGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。今回は、フェラーリとライバルであるレッドブルのアップデートをチェックしつつ、フェラーリのシャルル・ルクレールがトップ走行中になぜミスを犯したのかを分析する。

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 シャルル・ルクレールが、またもリタイアを喫した。スペイン、アゼルバイジャンと同様、もし完走できていたら、はたして勝てていただろうか。バルセロナとバクーではエンジンに裏切られたルクレールだったが、今回は自らのミスがリタイアを引き起こした。

クラッシュのルクレールを批判から守るフェラーリF1代表「タイトル争いは終わっていない。残りを全勝する気持ちで戦う」

 フェラーリF1チーム代表のマッティア・ビノットは、フランスGP決勝の2時間後にひとりで報道陣に向き合った。フェラーリは通常、レース結果にかかわらず、レース後の会見にドライバーも同席させるので、これは珍しいことだった。今回、ビノットには伝えたい強いメッセージがあり、また、シャルル・ルクレールやカルロス・サインツが質問攻めにされる事態を避けたいという思いもあったのだろう。

勝利逃したルクレール、痛恨のミスに「こんなことではタイトルは獲れない」。チーム代表はスロットルについて説明/F1第12戦

 2022年F1フランスGP決勝で、フェラーリのシャルル・ルクレールはトップを走行中にコースオフし、17周でリタイアした。

 ポールポジションからレースをリードし、1秒前後の差でついてくるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)を抑えながら走行。16周目にフェルスタッペンがピットインしたことで、後方に約10秒のギャップができた状態で走っていたルクレールだが、コーナー半ばでリヤのコントロールを失ってコースオフ、ターン11のバリアにクラッシュした。

【F1第12戦フランスGP決勝】フェラーリ 悲劇の結末 首位を独走していたルクレールがクラッシュ レッドブルのフェルスタッペンが勝利

2022年F1フランスGP@ポール リカール サーキット。フェルスタッペンはルクレールの悲劇的なドラマから恩恵を受ける。フランスGPをリードしていたシャルル ルクレールだが、タイヤスタックでフェラーリをクラッシュさせリタ […]

F1第12フランスGP予選トップ10ドライバーコメント(2)

 2022年F1第12フランスGPの予選が行われ、ポールポジション~5番手に入ったドライバーたちが土曜日を振り返った。ポールポジション~5番手に入ったドライバーはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、セルジオ・ペレス(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ランド・ノリス(マクラーレン)だ。

【F1第12戦フランスGP予選】フェラーリ ポールポジション獲得! ルクレールがフェルスタッペンとペレスのレッドブル勢を抑えて予選勝利!

フェラーリはスリップストリームで勝負する。 F1フランスGP予選: フェラーリのスター、シャルル ルクレールがマックス フェルスタッペン、セルジオ ペレスのレッドブル勢を抑えてフランスGPのル カステレでポールポジション […]

ポールのルクレール「トウがなければマックスと僅差だった」僚友サインツの完璧なサポートに感謝:フェラーリ/F1第12戦

 2022年F1フランスGPの土曜予選で、フェラーリのシャルル・ルクレールはキャリア16回目、今シーズン7回目のポールポジションを獲得した。今回、チームメイトのカルロス・サインツはパワーユニット(PU)交換によるペナルティで後方スタートが確定しているが、Q3まで走ってルクレールにトウ(スリップストリーム)を与え、ルクレールのポール獲得に貢献した。ルクレールと予選2番手のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とのタイム差は0.304秒だった。

ルクレール2番手「序列はまだ分からない。レッドブルは僕たちと違うことをしていた」フェラーリ/F1第12戦金曜

 2022年F1フランスGPの金曜、フェラーリのシャルル・ルクレールはフリー走行1=1番手/2=2番手だった。FP2で最速のチームメイト、カルロス・サインツとのタイム差は0.101秒だった。

■シャルル・ルクレール(スクーデリア・フェラーリ)
フリー走行1=1番手(1分33秒930:ソフトタイヤ/23周)/2=2番手(1分32秒628:ソフトタイヤ/22周)

【F1チーム代表の現場事情:フェラーリ】賞賛から非難の対象へ。巨大なプレッシャーに耐えつつチームを鼓舞するビノット

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、フェラーリの代表マッティア・ビノットに注目した。

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 イギリスGPとオーストリアGPで、結果としてはフェラーリは2連勝を挙げたが、マッティア・ビノット代表にとって決して楽な2週間ではなかった。

 フェラーリで働く者には信じられないほどのプレッシャーがのしかかる。イタリアという国を代表する存在であるため、フェラーリには常に厳しい目が向けられ、大きな期待がかけられるのだ。

2022年F1第11戦オーストリアGP決勝トップ10ドライバーコメント(2)

 2022年F1第11戦オーストリアGP決勝レースで優勝〜5位のドライバーが日曜日を振り返った。優勝〜5位のドライバーはシャルル・ルクレール(フェラーリ)、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ルイス・ハミルトン(メルセデス)、ジョージ・ラッセル(メルセデス)、エステバン・オコン(アルピーヌ)だ。