F1、ネット・ゼロ・カーボン達成に向け新たな取り組みを発表。来季の開催地を地域別に分け移動などの最適化を目指す

 F1は新たな取り組みとブランド戦略によって、2030年までにネット・ゼロ・カーボンを達成するというミッションの推進を継続している。

 2030年までに二酸化炭素排出量をゼロにすることを目的に、F1は、2019年に包括的な持続可能計画と環境保護キャンペーンを発表した。この環境への取り組みは、グランプリレースの二酸化炭素排出量削減を目標とした達成可能な計画を実現するために、F1とFIAが持続可能性の専門家と緊密に協力した結果によるものだ。

F1技術解説:第9戦(2)ポーパシングへのFIA介入に反発するレッドブルとフェラーリ。物議を醸したメルセデスのステー

 2022年F1第9戦スペインGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「予想外の資質を発揮し、フェラーリを破ったレッドブルRB18」に続く今回は、新世代F1マシン導入に伴い浮上した問題ポーパシングを解決すべくFIAが発表した技術指令書についてのチーム側の反応をまとめた。

フェラーリが2023年タイヤ開発テストを実施。ピレリ、新世代F1マシンでのアンダーステア軽減のため、タイヤの変更を計画

 ピレリは、フェラーリの協力のもと、6月24日にイタリア・ムジェロで2023年用F1タイヤの開発テストを実施した。当日はレギュラードライバーのシャルル・ルクレールとカルロス・サインツが一台のF1-75をシェアして走行を行った。ピレリは、2022年に導入された新世代F1マシンにアンダーステアの傾向があることから、2023年にこれを軽減するため、タイヤの変更を行おうとしている。

 ピレリは今シーズン、複数のチームの協力を得て5カ所のサーキットで来シーズンに向けたタイヤテストを行っていく予定で、今回のテストはその一環である。

【ギャラリー】ナイジェル・マンセルがグッドウッドに登場。ウイリアムズFW14Bやフェラーリ640などをドライブ

 1992年のF1チャンピオンであるナイジェル・マンセルは、6月23〜26日に開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに参加し、『FW14B』や『フェラーリ640』、『ロータス25』などのマシンをドライブした。

 ウイリアムズ時代のレーシングスーツに身を包んだマンセルは、1992年に9勝を挙げてタイトルを獲得したFW14Bに乗り込んだ。パトリック・ヘッドとエイドリアン・ニューウェイがデザインしたこの複雑かつ完璧なマシンは、ルノーのV10 3.5リッターエンジンを搭載しており、リッチモンド公爵の屋敷を駆け抜け、大音響を響かせたのである。

アルファタウリF1とBuzzがパートナーシップを締結「一緒に協力できることを楽しみにしている」と角田裕毅

 6月27日、F1世界選手権に参戦するスクーデリア・アルファタウリとBuzzグループは、持続可能な開発イニシアチブの加速と若手ドライバーの育成支援を目的とする複数年のパートナーシップを締結したことを発表した。

 イギリス・ロンドンに本社を置くBuzzグループは、モータースポーツの世界的なネットワークを活かし、ファミリーオフィスやカーボンニュートラルファンドマネジメント、保険、証券、不動産、貿易、広告代理店など、多岐にわたる事業を世界で展開している多国籍コングロマリット企業だ。

F1技術解説:第9戦(1)予想外の資質を発揮し、フェラーリを破ったレッドブルRB18

 2022年F1第9戦スペインGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。今回は、フェラーリのアップデートを紹介しつつ、レッドブルが勝利しフェラーリが敗北を喫した理由を探る。

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 カナダGPでのフェラーリのレースは、決して平坦なものではなかった。F1-75に十分な競争力があったことは、カルロス・サインツがマックス・フェルスタッペンを抑えてレース中の最速タイムを叩き出し、わずか0.993秒差で2位チェッカーを受けたことからも明らかだ。

レッドブルF1代表、予算超過の罰則がタイトル争いに影響する可能性を懸念「結果が法廷の前で決まることは望まない」

 レッドブルF1のチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、今年のタイトル争いにおいてF1の予算制限が重要な役割を果たすことを改めて強調した。タイトル争いの結果は法廷で決まる可能性もあるという。

 現在レッドブルとドライバーのマックス・フェルスタッペンは、それぞれチャンピオンシップで首位につけているが、ホーナーはシーズン開幕当初から急激なインフレによって制約されているチームの予算、エネルギーと輸送コストの上昇、世界的なサプライチェーンの問題への影響について声を上げてきた。

【全ドライバー独自採点/F1第9戦】満点ふたりのハイレベルな週末。年齢はデメリットにならないと証明したアロンソ

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 予選はウエット、決勝はドライコンディションで行われた2022年F1第9戦カナダ。シャルル・ルクレール(フェラーリ)はパワーユニット交換によりグリッド降格ペナルティを受け、優勝争いに絡めず。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がカルロス・サインツ(フェラーリ)とのバトルの末に、シーズン6勝目を達成、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)のフロントロウ獲得も大きな話題となった。カナダGPでのそれぞれのドライバーたちの戦いぶりを、バスコンセロス氏が振り返る。

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第8回前編】予期せぬトラブルで獲れるはずのポイントを逃したケビン。最高速不足も痛手

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。F1第8戦アゼルバイジャンGPは、前戦モナコに続く市街地コースが舞台となる。モナコで大きなクラッシュを喫したミック・シューマッハーには早く自信を取り戻してもらいたいと小松エンジニアは語るが、FP1でトラブルに見舞われ走行時間を失ってしまった。またケビン・マグヌッセンにはトラブルが発生し、獲れるはずのポイントを逃すレースが続いている。

 コラム第8回は、前編・後編の2本立てでお届け。前編となる今回は、アゼルバイジャンGPの現場の事情を小松エンジニアが振り返ります。

24戦が予定される2023年F1カレンダー。チーム代表らは伝統と新規グランプリのバランスが取れた構成を希望

 F1のCEOを務めるステファノ・ドメニカリは、現在、2023年カレンダーの作成という困難な作業に取り組んでいる。今年は22戦が開催されるが、新たなレースとしてラスベガスが加わり、中国とカタールが復帰し、南アフリカのキャラミの復活も噂される2023年のカレンダーは、史上最多の24戦から成ると考えられており、25戦で構成される可能性もある。

「我々はまだ、来季カレンダーの草案を見ていない」とウイリアムズF1チーム代表のヨースト・カピートは明かしている。彼は、昔からレースを行っている伝統的なサーキットと、ヨーロッパ以外の新たな国々でのサーキットのバランスを取ってカレンダーが作成されることを望んでいる。