ハミルトンは今季ベスト4番手。タイヤのギャンブルが実を結ばなかったラッセル「ポールを狙っていた」/F1第9戦予選

 2022年F1カナダGPの土曜予選で、メルセデスのルイス・ハミルトンは4番手、ジョージ・ラッセルは8番手だった。ウエットから徐々に乾いていくコンディションのなか、Q3最後のランを、ハミルトンは他のドライバーたち同様に新品インターミディエイトタイヤでアタック、一方、ラッセルは唯一ソフトタイヤに交換して臨んだ。ハミルトンはタイムを更新し、4番手に上がったが、ラッセルのギャンブルは実を結ばず、路面がかなり濡れていたターン1でスライドし、タイムを更新するチャンスを得られなかった。

レッドブル&HRC密着:路面状況の変わる難コンディション。PPのフェルスタッペンも「こんなに苦労したQ1はなかった」

 ライバルのシャルル・ルクレール(フェラーリ)が金曜日に続いて土曜日もパワーユニット交換を行い、最後列スタートとなることが決定して迎えた、F1第9戦カナダGP予選。

 しかし、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の前から敵がいなくなったわけではなかった。

PUペナルティのルクレールは19番グリッドへ「ひとつでも前からスタートすることがチャンスにつながる」/F1第9戦

 2022年F1カナダGPの土曜予選で、フェラーリのシャルル・ルクレールは15番手、カルロス・サインツは3番手だった。

 金曜の時点でルクレールのパワーユニットに新しいエレメントが入れられ、コントロールエレクトロニクスの3基目導入により、10グリッド降格が決まっていた。土曜FP3の時間帯に、FIAはパワーユニットに新エレメントが投入されたマシンを発表。ルクレール車にICEの4基目、ターボチャージャーの4基目、MGU-Hの4基目、MGU-Kの4基目が入れられたことで、ルクレールがグリッド最後方からのスタートになることが明らかになった(エキゾーストシステムの5基目も導入されたが、これはペナルティの対象にはならない)。

【角田裕毅F1第9戦密着】クラッシュのリスクを回避し予選の走行はわずか2周。晴れ予報の決勝に向けたセットアップを用意

 2022年F1第9戦カナダGPの予選は、残念ながらQ1敗退に終わった。角田裕毅(アルファタウリ)が今シーズンQ2に進出できなかったのは第4戦エミリア・ロマーニャGP以来のことだが、今回はQ1を突破できる速さがなかったわけではなく、パワーユニット交換によって最後尾スタートが決まっているため無理しなかったことが理由だった。だから、予選後の角田は、これまでQ1落ちしたグランプリより、どこかスッキリしたような表情をしていた。

 それでも、あえて予選アタックを行ったのは「日曜日のレースに出るために(トップから107%以内の)ラップタイムを出しておくため」(角田)だった。

ペレス、コースオフしてQ2敗退「ブレーキに苦しんでいた。ミスしてしまいチームに申し訳ない」レッドブル/F1第9戦予選

 2022年F1カナダGPの土曜予選で、レッドブルのセルジオ・ペレスは13番手だった。ウエットコンディションの下、Q2でペレスはターン3でコースオフし、ウォールに突っ込み、そのまま予選を終えることになった。

■セルジオ・ペレス(オラクル・レッドブル・レーシング)
FP3 8番手(1分34秒498:インターミディエイトタイヤ/10周)
予選 13番手(Q1=13番手1分33秒929:ウエットタイヤ/Q2=13番手1分33秒127:インターミディエイトタイヤ)

10年ぶりの最前列。アロンソ、ターン1への“マキシマムアタック”を誓う「マックスを抜いてトップに立ちたい」F1第9戦

 2022年F1カナダGPの土曜予選で、アルピーヌのフェルナンド・アロンソは2番手を獲得、決勝フロントロウを確保した。

 アロンソがフロントロウからスタートするのは2012年ドイツGP以来で、実に10年ぶりということになる。

 アロンソは今週末、ドライコンディションのFP1とFP2で3番手と5番手をそれぞれ獲得、ウエットとなった土曜FP3ではトップタイムをマークし、非常に好調だった。

新PUエレメント追加投入の角田裕毅、予選は最小限の走行のみ「決勝に集中。後方からオーバーテイクしていく」F1第9戦

 2022年F1カナダGPの土曜予選で、スクーデリア・アルファタウリの角田裕毅は20番手だった。アルファタウリは金曜、土曜と、角田のパワーユニットに新品エレメントを投入、そのためFP1の時点からペナルティによりグリッド後方への降格が確定している。

 FP1の時間帯に角田のパワーユニットの7エレメントすべてに関し新品が投入されたことが発表され、そのうちICE、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kのシーズン4基目を入れたことで、シーズン中に使用できる基数を超え、グリッド後方への降格が確定した。土曜FP3の時間帯に、FIAは新しいパワーユニットエレメントを投入したマシンを発表。これにより、角田のパワーユニットにエナジーストア3基目、コントロールエレクトロニクス3基目が新たに入れられたことが明らかになった。これも使用制限を超えた交換であるが、すでに最後方グリッドスタートが決まっているため、実質的な影響はない。

フェルスタッペンが後続に大差を築き今季2度目のポール獲得。アロンソが大躍進の2番手で最前列に【予選レポート/F1第9戦】

 2022年F1第9戦カナダGPの予選が行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得した。2番手はフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、3番手はカルロス・サインツ(フェラーリ)となっている。グリッド降格が決定しているアルファタウリの角田裕毅は20番手だった。

 カナダGPの2日目は、朝から雨。予選に先立って行われたFP3は、完全ウエット路面のコンディションで行われた。フリー走行終了後も雨は降り続け、予選はウエットトラックが宣言された。予選の始まる現地時間午後4時には、上空もやや明るくなり始めた。しかし気温は12.6度とかなり低く、路面温度も17.9度しかない。Q1は全車フルウエットタイヤで出て行った。

ルクレール、追加で新しいPUコンポーネントを投入。決勝はグリッド最後列からのスタートへ/F1第9戦

 2022年F1第9戦カナダGPの土曜日、フェラーリは、シャルル・ルクレールのパワーユニット(PU)に追加で新しいコンポーネントを投入した。

 ルクレールはカナダGP初日のFP1の時点で、3基目のICE、MGU-H、MGU-Kと、2基目のCEを投入。FP2後には3基目のCEも使用したことが明らかになり、10グリッド降格ペナルティが決まっていた。

フェルスタッペンと1秒差のペレス「セットアップがうまくいかず後れを取った。予選までに解決したい」/F1第9戦金曜

 2022年F1カナダGPの金曜、レッドブルのセルジオ・ペレスはフリー走行1=4番手/2=11番手だった。

 チームメイトのマックス・フェルスタッペンは、両セッションで最速タイムを出した。FP2でフェルスタッペンとペレスのタイム差は1.040秒だった。

■セルジオ・ペレス(オラクル・レッドブル・レーシング)
フリー走行1=4番手(1分15秒619:ソフトタイヤ/32周)/2=11番手(1分15秒167:ソフトタイヤ/29周)