F1技術解説:第12/13戦(3)真価発揮が待たれるアルファタウリの新型フロア

 2022年F1第13戦ハンガリーGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「戦略失敗だけでは説明できないフェラーリの大失速」第2回「“ホワイト・フェラーリ”を堂々投入。ハースが今季初のアップグレード」 に続く今回は、連戦最初のフランスGPでアルファタウリが導入したアップデートを紹介する。

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 ハンガリーGP前週のフランスGPに、アルファタウリは重要なアップデートを投入した。改良点は主にフロアに関するもので、ベンチュリートンネルの入り口形状が一新された。

F1技術解説:第13戦(2)“ホワイト・フェラーリ”を堂々投入。ハースが今季初のアップグレード

 2022年F1第13戦ハンガリーGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「戦略失敗だけでは説明できないフェラーリの大失速」 に続く今回は、ハースが今季初めて導入したアップデートを紹介する。

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 ハースが今季初、そして唯一となるであろう大幅アップデートを投入した。ここまで改良版が遅れたのは、F1最小チームのひとつであるハースの資金難から来るものだろうか。それは確かにあるだろう。しかしそれだけではない。

ハンガリーGPでのトラックリミット判定に腹を立てたガスリー、F1レースディレクターと「将来的な解決策」について議論

 アルファタウリのピエール・ガスリーは、スチュワードによる“大いに異論のある”判定を受けて、ハンガリーでF1のレースディレクターたちと厄介なトラックリミットの問題について長い話し合いを持ったと述べている。

 F1第13戦ハンガリーGPにおいて、トラックリミットはふたたびドライバーたちによる多くの議論の中心となった。ガスリーのチームメイトの角田裕毅とミック・シューマッハー(ハース)は、トラックリミット違反により予選Q1でタイムを抹消された。セルジオ・ペレスは(レッドブル)予選Q2の最速タイムを一度は抹消されたが、その後スチュワードが精査した結果、取り消されたタイムは再び有効になった。

F1技術解説:第13戦(1)戦略失敗だけでは説明できないフェラーリの大失速

 2022年F1第13戦ハンガリーGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。今回は、優勝候補とみられていたフェラーリがなぜ敗北を喫するに至ったかを分析する。

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 ハンガリーGPの週末、フェラーリの滑り出しは、非常に順調だった。予想どおり、カルロス・サインツが金曜FP1、シャルル・ルクレールがFP2でベストタイムを出し、ライバルたちを圧倒した。ハンガロリンクの曲がりくねったコースは、大きなダウンフォースを発生し、エンジンが力強く加速するF1-75を持つフェラーリのために誂えられたようなコースといえた。

【F1チーム代表の現場事情:フェラーリ】敗北をマシンのせいにしてチームを守るビノット代表「我々は変わる必要はない」

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、フェラーリの代表マッティア・ビノットに注目した。

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 過去2シーズン、フェラーリのペースはライバルたちより大きく劣っていたが、今年のマシンは間違いなく最速のオールラウンドマシンだ。これだけの転換を実現したマッティア・ビノットは、本来なら大きな誇りを胸に、休暇に向かうことができたはずだった。

 開幕から13戦で8回のポールポジションを獲得したことが、フェラーリF1-75にどれだけのペースがあるかを物語っている。しかし勝利数はわずか4回となれば、チーム代表にとっては深刻な事態だ。

【全ドライバー独自採点/F1第13戦】3番目のマシンで2位を勝ち取ったハミルトン。フェルスタッペンが驚きの勝利

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 今回は、第13戦ハンガリーGP(7月29~30日)でのドライバーたちの戦いぶりを振り返る。

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ハース代表、マグヌッセンへのオレンジボール旗に異義「フロントウイングは安全な状態だった」/F1第13戦

 ハースF1チームのチーム代表であるギュンター・シュタイナーは、F1第13戦ハンガリーGPでスチュワードがオレンジボール旗をケビン・マグヌッセンに出したことに異議を唱え、その行為を「誤り」だとしている。

 マグヌッセンは、レースのオープニングラップでマクラーレンのダニエル・リカルドと接触し、フロントウイングを損傷したことから、ピットストップを命じるオレンジボール旗を出された。しかし左エンドプレートの歪みは別として、フロントウイングは完全な状態だったとシュタイナーは断言した。

フェルスタッペンが称えたストラテジスト、ハンナ・シュミッツ「戦略面で刺激的なレースだった」10番手から優勝を達成

 F1第13戦ハンガリーGPで、レッドブルのマックス・フェルスタッペンは10番グリッドから優勝を勝ち取った。レース後、勝利をつかむ上で戦略が大きな役割を果たしたとクリスチャン・ホーナー代表は述べ、フェルスタッペンはプリンシパル・ストラテジー・エンジニアであるハンナ・シュミッツを称えた。シュミッツは、ハンガリーGP決勝はストラテジストにとって非常にエキサイティングなレースだったと語っている。

フェラーリのタイヤ戦略を活かして表彰台を獲得するも「シャルルに同情する」とラッセル/F1第13戦

 メルセデスのジョージ・ラッセルは、ライバルのシャルル・ルクレール(フェラーリ)へ同情の念を示した。F1第13戦ハンガリーGPではフェラーリのタイヤ戦略が失敗したことで、ルクレールの努力が報われることはなかったのだ。

 ハンガリーGPのレース序盤、ラッセルは先頭集団でルクレールと戦っていたが、中盤の時点でルクレールがトップに立った。ルクレールと、10番グリッドから順位を上げてきた最大のライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)による決戦の可能性が示された。

【F1インタビュー】ハンガリーで苦戦の角田は「クルマのバランスをまとめきれなかったのでは」と山本氏。早急な対策に期待

 アルファタウリの角田裕毅は、2022年シーズンの前半戦最後のレースとなった第13戦ハンガリーGPを19位で終えた。前戦フランスGPでアルファタウリはAT03にアップデートを施したが、ハンガリーでの角田は週末を通してパフォーマンスを発揮できずに苦しんだ。ハンガロリンクを訪れた元ホンダの山本雅史氏は、「クルマのバランスをまとめきれなかったのではないか」と指摘するも、角田の「ドライバビリティは高くなっている」と語る。またFIA F2に参戦する岩佐歩夢についても、シーズン前半を振り返り「85点」と高く評価した。