周冠宇の事故を教訓に、F1ロールフープの強化策が導入へ「クラッシュテストの2倍の力がかかって破損」

 FIA、F1、F1各チームの代表者で構成される技術諮問委員会の会合が7月15日に行われ、F1マシンのロールフープの強度を上げることが議題のひとつとして取り上げられ、2023年に新たな規定が導入される見通しとなった。イギリスGPで周冠宇(アルファロメオ)のマシンがクラッシュの後にひっくり返った際に、ロールフープがすぐさま破損、ドライバーの身体を守る役割を果たさなかったことが問題視されている。

 スタート直後に他車からヒットされた周のマシンはひっくり返り、ロールフープが破損した状態でコースから飛び出してグラベルトラップを滑っていき、タイヤバリアに当たって、バリアとネットの隙間に落下した。幸い周はヘイローによって守られ、大きな怪我はせず、次戦オーストリアに出場することができた。

FIA、ポーパシング軽減のための2023年F1レギュレーション変更案を発表。フレキシブルフロアの検査を厳格化

 FIAは、F1マシンのポーパシング/バウンシング(縦揺れ)軽減のための対策を検討するなかで、2023年の技術レギュレーションへの変更プランを提示した。2022年については、ベルギーGPから有効となる技術指令書により、一時的な対策を講じる。

 2022年のグラウンドエフェクトカーから最大のパフォーマンスを得るため、各チームがマシンを路面にできるだけ近づけて走らせようとするなかで、激しいポーパシングやバウンシングが発生、FIAはこれが安全性やドライバーの健康における重大なリスクをもたらすものとして、深刻に受け止めている。