F1技術解説:第13戦(1)戦略失敗だけでは説明できないフェラーリの大失速

 2022年F1第13戦ハンガリーGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。今回は、優勝候補とみられていたフェラーリがなぜ敗北を喫するに至ったかを分析する。

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 ハンガリーGPの週末、フェラーリの滑り出しは、非常に順調だった。予想どおり、カルロス・サインツが金曜FP1、シャルル・ルクレールがFP2でベストタイムを出し、ライバルたちを圧倒した。ハンガロリンクの曲がりくねったコースは、大きなダウンフォースを発生し、エンジンが力強く加速するF1-75を持つフェラーリのために誂えられたようなコースといえた。

ルクレール、優勝争いができることを喜ぶ一方「能力を最大限に発揮できていない」と認める。F1後半戦での追撃に期待

 シャルル・ルクレールは、フェラーリの2022年シーズン前半は、勝利を祝った時も低迷を乗り切った時も喜びとフラストレーションがあふれ、感情的にジェットコースターに乗っているようだったと述べている。

 ルクレールとフェラーリは開幕戦から優勝を飾り、その後オーストラリアで2勝目を挙げた。最大のライバルであるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が序盤に信頼性の問題を抱えていたこともあり、ルクレールは46ポイントの大差をつけることができ、十分な余裕があった。

F1、2022年第2四半期の収益は約1004億2000万円と発表。前年の同時期よりもおよそ49%増加

 F1は、2022年第2四半期の収益が2021年同期と比較して約49%増加し、7億4400万ドル(約1004億2000万円)と堅調だったことを発表した。

 新型コロナウイルスの世界的な大流行による収益減に見舞われたF1の財政面は、昨年以降着実な回復基調にある。2022年第1四半期に生み出された収益は3億6000万ドル(約485億9600万円)であり、これでグランプリレースの6カ月間の収益は11億400万ドル(約1538億8860万円)となった。

「2023年F1は史上最多24戦開催の予定」とF1 CEOが発言。カレンダーは10月に発表へ

 F1のCEOステファノ・ドメニカリは、2023年のF1カレンダーは24戦で構成されることになると示唆した。実現すれば、史上最多の開催数になる。

 2019年には21戦、2021年には22戦になり、2022年にはロシアGPがロシアのウクライナ侵攻により中止となり、23戦の予定が22戦となった。すでに過密スケジュールを問題視するチーム関係者もいるが、F1は開催数をさらに増やすことを目指している。

レッドブルF1、パワーユニット部門の準備は順調。建物は伝説の王者にちなみ『リント・ビルディング』と命名

 レッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、ミルトン・キーンズのファクトリーに新設したパワートレイン部門の建物に、オーストリア国籍で活動した伝説的F1ドライバー、ヨッヘン・リントの名前を付けたことを明らかにした。次世代パワーユニット(PU)の設計・製造に向けて、準備は順調に進んでいるという。

 ホンダのF1活動終了に伴い、レッドブルは自社でパワーユニットを開発・製造するための部門レッドブル・パワートレインズを設立した。ここでは2026年以降の次世代パワーユニットを手がけることになり、ポルシェと提携することが予想されている。

【F1チーム代表の現場事情:フェラーリ】敗北をマシンのせいにしてチームを守るビノット代表「我々は変わる必要はない」

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。今回は、フェラーリの代表マッティア・ビノットに注目した。

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 過去2シーズン、フェラーリのペースはライバルたちより大きく劣っていたが、今年のマシンは間違いなく最速のオールラウンドマシンだ。これだけの転換を実現したマッティア・ビノットは、本来なら大きな誇りを胸に、休暇に向かうことができたはずだった。

 開幕から13戦で8回のポールポジションを獲得したことが、フェラーリF1-75にどれだけのペースがあるかを物語っている。しかし勝利数はわずか4回となれば、チーム代表にとっては深刻な事態だ。

【全ドライバー独自採点/F1第13戦】3番目のマシンで2位を勝ち取ったハミルトン。フェルスタッペンが驚きの勝利

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 今回は、第13戦ハンガリーGP(7月29~30日)でのドライバーたちの戦いぶりを振り返る。

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元F1レースディレクターのマイケル・マシ、昨年のアブダビGP後に自身や家族への殺害予告を受けたと明かす

 元F1レースディレクターのマイケル・マシは、昨年物議を醸した最終戦アブダビGP後の期間は、オンラインでの嫌がらせや殺害予告などに脅かされた“暗黒の日々”だったと述べている。

 アブダビで行われた最終戦において、通常のセーフティカー規則を無視して独自の手順でレースを再開させるというマシの判断によって、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はレースリーダーだったルイス・ハミルトン(メルセデス)を追い抜き、自身初のタイトルを獲得した。

レッドブルF1代表「ポルシェとのパートナーシップは、我々のDNAにフィットした長期的なものでなければならない」

 レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、将来ポルシェとパートナーシップを結ぶ場合は、レッドブルのDNAにフィットした形で、長期にわたり関係を築くことになると語った。2026年にF1パワーユニット規則が大幅に変更されるタイミングで、ポルシェがレッドブルと提携してF1に参入する予定であることが明らかになったが、正式発表は行われていない。