角田裕毅「バクーで強さを発揮できたから、初のカナダにポジティブに臨むことができる」/F1第9戦プレビュー

 アルファタウリの角田裕毅は、2022年F1第9戦で、初めてカナダのジル・ヴィルヌーヴ・サーキットを走る。前戦アゼルバイジャンでは優れたパフォーマンスを発揮できていたため、ポジティブな気持ちでカナダGPに臨むことができると、角田は述べている。

 角田はバクーで予選8番手を獲得。決勝では終盤に向けて6番手を走行していたが、リヤウイングのトラブルで緊急ピットインが必要になり、ポイントを逃がす結果になった。

【F1第8戦無線レビュー】「ここからはDRSが使えない」入賞圏内を走行中の角田にトラブル発生、緊急ピットイン

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPでは、圧倒的な速さでポールポジションを獲得したシャルル・ルクレールが首位を走行中にトラブルに見舞われた。その前には僚友カルロス・サインツがリタイアを喫しており、フェラーリ勢はまさかの全滅。さらにフェラーリのパワーユニットを使用するアルファロメオとハースのマシンにもトラブルが起きた。

 その一方でレッドブルはマックス・フェルスタッペンが優勝、セルジオ・ペレスが2位と今季3度目の1-2フィニッシュを達成した。アゼルバイジャンGPのレースを無線とともに振り返る

F1技術解説:第8戦(2)レッドブルのフロア周りのアップデートとフェルスタッペンが今年苦労している理由

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回「フェラーリの速さに貢献した新リヤウイング。馬力優先の結果、トラブル続出のパワーユニット」に続く今回は、レッドブルのアップデートを紹介するとともに、今年マックス・フェルスタッペンがマシンに苦労している理由を探る。

レースペースが良かったメルセデスW13。ポーポシングをドライバーに強要していたのか

レース終了後、背中の痛みを訴えていたハミルトン。レースペースには好調さがあったものの、ドライバーへの負担は多大なものであった。しかし、今回の激しいポーポシングはドライバーも納得ずくであるという。メルセデスの苦肉の策を、元F1メカニック津川哲夫が私的解説する。

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FIAがポーパシング軽減のための対策導入を決定。F1ドライバーの安全&健康に強い懸念

 FIAは、6月16日、ドライバーの安全を考慮し、マシンのポーパシング(ダウンフォース量の変化によってマシンが激しく上下に振動する現象)を減らすための対策を導入することを発表した。

 2022年にF1技術レギュレーションが大幅に変更され、グラウンドエフェクトカーが導入されると、各チームは程度の差はあるものの、ポーパシング現象に悩まされ、これに対処する必要に迫られた。車高をできるだけ下げることがより優れたパフォーマンスを生むことにつながるが、低い車高で走ることで、バウンシングやボトミングに苦しむことにもなる。

元F1王者ヒル「アロンソはアルピーヌのために結果を出しているトリックスター」。衰えた様子は見えないと語る

 1996年F1世界チャンピオンのデイモン・ヒルは、41歳を目前にしても若い頃と変わらない「ずる賢さ」とパフォーマンスを併せもっているアルピーヌのフェルナンド・アロンソが大のお気に入りのようだ。

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPの予選で10番手に入ったアロンソは、翌日の決勝レースでは、マクラーレンのふたりとチームメイトであるエステバン・オコンを抑えて7位入賞を果たした。これで3戦連続のトップ10入りとなったアロンソにとって、F1やドライビングに対する情熱が今も変わっていないことを示すパフォーマンスでもあった。

【全ドライバー独自採点/F1第8戦】試練のなか完璧な走りを見せ続けるルクレール。好走も残酷な結果に終わった角田裕毅

 長年F1を取材しているベテランジャーナリスト、ルイス・バスコンセロス氏が、全20人のドライバーのグランプリウイークエンドの戦いを詳細にチェック、独自の視点でそれぞれを10段階で評価する。

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPでは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が圧倒的速さでポールポジションを獲得。しかしレースで再びトラブルが発生、ノーポイントというむごい結果となった。フェラーリのダブルリタイアで、レッドブルが1-2を飾り、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がシーズン5勝目を挙げ、ポイントリードをさらに拡大した。

 アゼルバイジャンGPでのそれぞれのドライバーたちの戦いぶりを、バスコンセロス氏が振り返る。

インディ500再挑戦は「目標として薄れてきている」とアロンソ。現在はF1に完全集中

 過去3度インディ500に挑戦したフェルナンド・アロンソは、エアロスクリーン導入によるマシンの変化や、レースの危険性に対する懸念からインディ500に対する興味が薄れ、今後の再挑戦についてほぼ白紙状態であることを明かした。

F1技術解説:第8戦(1)フェラーリの速さに貢献した新リヤウイング。馬力優先の結果、トラブル続出のパワーユニット

 2022年F1第8戦アゼルバイジャンGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察し、印象に残った点などについて解説。第1回では、フェラーリの向上に一役買った新たなローダウンフォース・リヤウイングと、懸念されるパワーユニットの状況について分析する。

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 アゼルバイジャンGPでのフェラーリは、少なくとも理論上は、優勝する可能性が高かった。

 強大なダウンフォースを発生するF1-75は、バクー旧市街の低速コーナーが速く、フロントタイヤの温度も早く上がった(シャルル・ルクレールは第2セクターでセルジオ・ペレスに0.327秒差をつけた)。さらにフェラーリはここで今シーズン初めて、低ダウンフォースのリヤウイングを装着した(マイアミにも持ち込んだが未使用だった)。