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愛車が一番値落ちする時っていつ? 損したくない人に愛車の「売り時」を教えます!

 多くの人がクルマの買い換えを考えるタイミングは、現在所有するクルマが車検を迎える時なはず。しかし現在は新車の納期が長期化しており、スムーズな乗り換えが難しくなっている。

 しかも買い換えを行う場合、現在所有している愛車を少しでも高く買い取りもしくは下取りをしてもらいたい!と考えるのは当然のことだ。高く引き取ってもらうことにより、次のクルマの購入資金に充てられるからだ。

 そこで、本企画では所有している愛車の値落ちするタイミングはいつかを検証しつつ、手放す最適な“売り時”を解説していきたい。

文/萩原文博
写真/トヨタ、Adobe Stock(トビラ:kumi@AdobeStock)

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■車検時期との兼ね合いには気を配って!

 売り時のタイミングは下取りよりも買い取りのほうが、大きく影響する。人気車であればあるほど下取りと買い取りの差は大きくなるのだ。

 愛車を手放す時、すなわち買い取りに出すときに気をつけなければならないのは、残車検の長さだ。車検が長ければ長いほど、査定は高くなる。しかし、たとえ車検期間が残っていても、あるタイミングを切ると車検なしとなってしまう。

 そのタイミングというのが車検の切れる6カ月前なのだ。たとえ車検が残っていても6カ月を切ると車検なしと同じ扱いとなり、買い取り価格に影響が出るということだ。そろそろ車検が切れるなぁ。じゃあ買い換えるか!ではもう遅いのだ。

 買い換えを考えるのであれば、車検が切れる6カ月前には行うべきで、検討開始は車検が切れる1年前ぐらいから始めるべきだ。現在は、新車の納車が遅延しており、人気車になると納車前1年という車種はザラだ。

 コロナ禍では、クルマの買い換えをスムーズに行いたいのであれば、1年半前ぐらいからアクションすべきで、車検が切れるから買い換えようでは、所有している愛車をもう一度車検を通すことになり、コストがかさむことになることはまず覚えておいてもらいたい。

■買取価格の値下がりはいつ起きる?

2021年1月にフルモデルチェンジしたヴォクシー。先代は圧倒的にノアよりもヴォクシーの方が人気だったが新型となり、賛否両論のデザイン、グレードがエアロ系しかないなど、ヴォクシー不利(?)の要因が重なり、現在、ノアの方が売れている

 続いては、クルマは新車からどのように値下がりしていくのかを調べてみた。人気車種で、最近フルモデルチェンジを行ったトヨタヴォクシーとアクアの旧型の年式ごとの買い取り価格とモデルライフの中で何が起きたのかがどのようにリンクしているのか見てみよう。

 まずは、2021年1月にフルモデルチェンジを行ったヴォクシーから。調べたグレードは人気のエアロ系グレードの2.0ZS 2WD車だ。

今回のサンプル1台目は旧型となったヴォクシーだ。とはいえ市場ではまだまだ現役

 旧型となったヴォクシーは2014年に登場。2.0ZS 2WD車の買い取り価格は、最終年式の2020年式が約199万円。2019年式も同額の約199万円、2018年式は184万円と1年で15万円ダウン。2017年式はさらに23万円下がって約161万円となっている。

 2016年式は約150万円となり、11万円と値落ち幅は一旦小さくなるものの、2015年式は再び最大の23万円下がって約127万円。そしてデビュー年式の2014年式の買い取り価格は約117万円となった。

 2014年に登場した旧型ヴォクシーは2016年1月に一部改良を行い、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を一部グレードに標準装備。さらにこれまでガソリン車のみに設定していたエアログレードをハイブリッド車にも設定した。

 2017年7月にマイナーチェンジを行い、内外装に加えてボディ剛性の向上、ショックアブソーバーの改良を行った。そして2019年1月にも一部改良を実施し、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense」の機能を向上させている。

 買い取り価格とマイナーチェンジや一部改良を行ったタイミングを見てみると、「Toyota Safety Sense C」を標準装備した2016年式と設定していない2015年式では約23万円の差が付いている。また、2017年7月にマイナーチェンジを行った影響で、2017年式と2018年式でも約23万円の価格差が付いている。

 やはり、マイナーチェンジや運転支援機能など後付けできない装備が装着されると、一気に買い取り価格は下がってしまう。

 したがってフルモデルチェンジはもちろん、マイナーチェンジや後付けできない装備が装着される一部改良が行われる前に手放すというのは、少しでも高く売りたいという人には覚えておきたいことだ。

■見えてくる3年目、5年目の区切り

トヨタのハイブリッド専用コンパクトカーとして2021年7月に登場した2代目アクア。先代は大ヒットモデルとなったが、現行アクアはキープコンセプトというのも影響しているのか、先代ほどヒットはしていない

 続いては、2021年7月にフルモデルチェンジを行い2代目にスイッチした、ハイブリッドコンパクトカーのアクアだ。これは、2011年に登場した1.5Gの買い取り価格をチェックした。

 旧型アクア1.5Gの買い取り価格は2020年式が約109万円、2019年式は約104万円。2018年式は約91万円と13万円ダウン。2017年式は約81万円と10万円下がっている。

デビューすると同時に大ヒットし、2016年以降も毎年10万台以上の登録台数を記録したトヨタのメガヒットモデル先代アクア。初期型は意外と足回りが固く、ハンドリングも鋭く感じる。マイナーチェンジを重ねて大人な乗り味になっていった

 2016年式は約60万円と最大の21万円ダウンし、2015年式は約40万円と20万円とダウンの勢いは止まらない。そして2014年式は22万円ダウンの約28万円。2013年式は約24万円となり、2011~2012年式は約12万円で横這いとなった。

 旧型アクアは、2013年に一部改良を行い、エンジンやハイブリッドシステムの改良によって燃費の向上を実現。さらに、車体も溶接スポットの追加や構造部材の素材変更と板厚アップによる大幅な補強を実施した。それに伴ってサスペンションのセッティング変更を行った。

 2014年12月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更を行うと同時にSUVテイストを盛り込んだX-URBANを追加した。

 シャシーはリアフェンダー部のスポット溶接打点を増やして一層の高剛性化が図られ、それに合わせてサスペンションのセッティングとパワーステアリングのアシスト特性を変更している。

 2015年11月の一部改良では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」を一部グレードに標準装備。2017年6月には2度目のマイナーチェンジを実施し、内外装の変更。そして3ナンバーの新グレード、Crossoverを設定した。

 2018年の一部改良では、衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense C」のプリクラッシュセーフティの機能を向上させるとともに、名称を「Toyota Safety Sense 」に変更している。

 2013年の一部改良はすでに年式が進んでいることもあり、買い取り価格への影響はほとんどないが、2014年12月のマイナーチェンジによって2014年式と2015年式は12万円差が付いている。

 一度目のマイナーチェンジ以上に買い取り価格に影響しているのが、「Toyota Safety Sense C」を装備した2015年の一部改良だ。2015年式と「Toyota Safety Sense C」した2016年式では20万円差と大きく差が付いた。

 2017年に行った2度目マイナーチェンジでも2016年式と2017年式では21万円差となっており、ヴォクシー同様にマイナーチェンジや運転支援システムの有無が買い取り価格の与える影響は大きいということが実証できた。

 また、中古車は車検を迎えるタイミングの3年目、5年目に買い取り価格が大きくダウンするので、やはり、車検を半年以上残したタイミングで手放すのは、高い査定価格を引き出す秘訣であることは間違いない。


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