もっと詳しく

<p>韓国を黙らせたU-21日本代表鈴木唯人。泥臭さとエレガントさ、パリ五輪世代の名手が突き詰めるもの | Goal.com</p><p>🇯🇵結論は「気持ち」🔥 「いいプレーしよう、いいプレーしようというのじゃなくて」 U23 #アジアカップ 日韓戦のヒーロー #U21日本代表 #鈴木唯人 泥臭さを尊ぶパリ五輪世代の名手は、大会を通じて一つの答えを出しつつある 取材・文=川端暁彦(@gorou_chang)</p><p>【サッカー日本代表 コラム】U-21日本代表は12日、AFC U-23アジアカップ準々決勝でU-23韓国代表と対戦し、3-0で勝利を収め準決勝進出を決めた。</p><p>「あの場面は自分で得たFKだったし、なにか気持ち的に『入るんじゃないか』と思っていました。(壁に)当たって入ったゴールなので、そういう意味でも気持ちなのかな、と」 負ければ終わりのシチュエーションで迎えた日韓戦。「試合前は相当緊張していた」と率直に振り返り、「試合の入りはよくなかった」とも言うが、強引とも言える選択から、日本に傾きだしていた試合の天秤を一気に動かした。 ■高校時代から引きずってきた課題 どちらかと言えば、「結果」よりも「内容」で評価されてきた選手である。「ライン間、ギャップで受けて、より攻撃を前進させていくことや、そこからスピードアップさせること、一番難しいところでボールを引き出すことができるのが自分の特長」と語るとおり、トップ下かそれに近い位置でボールを引き出して前を向き、推進力を発揮するプレーが真骨頂。「自分が良いところに立ってチームが前進するのを助ける」という戦術的な面でチームを助けられる選手だ。 また「気持ちでやるタイプ」とも語るとおり、「走れるところや球際で戦える部分」も売りとしてきた。泥臭く戦えるのも鈴木唯人の個性である。 所属の清水エスパルスでも歴代の監督にそうした個性を買われて重用されてきた一方で、決定力不足を指摘されることもあった。ここぞの決定力不足は高校時代から引きずってきた課題でもあり、本人も「やっぱり結果が必要」「一番評価されるのはそこ(得点)なのに、できていない」と語ることが多かった。 今季が始まるに際しても「結果」の重要性を何より強調してきた。攻撃面の内容を良化させ、守備では泥臭く戦える選手であるのはもちろん、その上で試合を決められる選手でありたい。その一点をテーマとしてきた。 その意味で言えば、日韓戦の鈴木唯人はまさに目指してきたところを表現できたとも言えるだろう。1点目をFKから叩き込み、「難しい位置で受けられる」ところからの突破でFW細谷真大のゴールに繋がる2点目を演出。この2点目も「(細谷)真大がファーに入っているのが見えて、ファーに打てばこぼれ球もあるな、と。試合前にもイメージしていたとおり」と振り返ったように、状況を見て判断した結果だった。 そして見事なターンからのクールな左足のシュートで奪った3点目のゴールは、重ねてきた練習によって得られた感覚によるものだった。 「イメージよりボールが手前で止まってしまって、逆にそれで相手が引っかかって(シュート)コースが見えた。迷わずに『あそこに打てば入る』という感覚で特別な悩みというか迷いもなく(足を)振れたことが良かった」 ■この大会で見出しつつある答え 「この大会で『自分の気持ち次第なんだな』と感じていて、大事な試合なんだと捉えて気持ちを持っていけば、このくらいのパフォーマンスはずっと出せるんじゃないかという自信になってきた」 結論が「気持ち」になるあたりが泥臭さを尊ぶ鈴木唯人らしさとも言えるし、あらためて自分の取り組んできた姿勢について確信できた部分もあると言う。 「特別攻撃でうまくやろうとか、上手いプレーをしようとは思っていない。注目されてきて『いいプレーしよう、いいプレーしよう』というのじゃなくて、やっぱり自分はしっかり守備から走ってチームにプラスの影響をもたらしていくところから。まずは相手にいいプレーや、やりたいことをやらせないというのをしっかりやって、そうしたら自ずと自分のところに良いボールが必ずやってくる。そういう持っていき方をしていきたいな、と」 かつては良いプレーを見せようと空回りしてしまう試合もあったが、その経験もまた自分の中に取り込んで一つの結論に至っている。タフに戦う、チームのために戦う、相手にやりたいことをやらせない。「走って戦うところは自分の武器なので、それは絶対に忘れないでやっていきたい」。そして、その上で巡ってきたチャンスで「結果を出す」。 広告 ◎鈴木 唯人(すずき・ゆいと)2001年10月25日生まれ。175cm/70kg。神奈川県出身。利き足:右。横浜F・マリノスプライマリー追浜-葉山中-市立船橋高を経て2020年に清水エスパルスに加入。 [試合情報]</p>