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 オヤジ週刊誌風に言うなら「今、キャンピングカーが熱い!」という状況になっている我がニッポン。かく言う筆者も、ちょっとしたキャンピングカーが1台欲しいと思っている。

 がしかし。いざ何百万円も出して買ったはいいが、買った後になって「やっぱり自分にキャンピングカーは向いてませんでした」ということにでもなったら身の破滅である。

 それゆえ、できれば事前に「お試し」をしてみたいものだ。また都内住みであるため、「で、置き場所はどうするの?」という切実な問題もある。

 しかしそういったモロモロの問題を完全解決してくれそうなのが、昨今増加中の「キャンピングカーのレンタル業者」だ。

 レンタルキャンピングカーにはどんな車種があるのか? 料金はいくらなのか? さらには、貸す側のレンタルキャンピングカー会社に、借りる際の注意点や、いままであったトラブルはどんなものがあるのか、聞いてみた。

文/伊達軍曹
写真/JAPAN ROAD TRIP  JAPAN C.R.C.

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■コロナ禍のなか、レンタルキャンピングカーは盛況中?

 調べてみると、昨今のアウトドアブームを背景とした「レンタルキャンパーのお店」というのはけっこうある模様。

 そういった業者でキャンピングカーをとりあえず借りて2~3日使ってみれば、最近の若い恋人同士が「お試し同棲」をするかのごとく、自分とキャンピングカーとの“相性”を的確に診断することができる。

 また「相性良し!」となった場合でも、置き場所がないという理由から「買うのではなく、今後もずっとレンタルで済ます」という選択だって可能になる。

■キャブコン(トラックベースのキャンピングカー)を借りた場合の料金

 「ううむ、いいことだらけじゃないか!」と確信した自分は、まずはレンタルキャンパーを借りる場合の料金相場を調べてみた。

 すると、業者によってもちろん差はあるものの、おおむねの相場はだいたい下記のニュアンスであることがわかった。

キャブコン、ハイクラスのスマイル号はホテルライクなホワイトのインテリア。レンタル料金は、レギュラーシーズン(金・土・日・祝)、サマーシーズン(7/16~8/9、8/20~31)の一例、最初の24時間は2万6000円、追加1日ごと2万3000円、追加12時間2万円、追加1時間3000円(JAPAN ROAD TRIP
プレミアムクラス8人乗りのレッドフォース号。レンタル料金は、レギュラーシーズン(金・土・日・祝)、サマーシーズン(7/16~8/9、8/20~31)の一例、最初の24時間は3万1000円、追加1日ごと2万8000円、追加12時間2万4000円、追加1時間3000円(JAPAN ROAD TRIP)

【平日】
・最初の24時間:2万2000~2万7000円
・追加1日ごと:2万~2万7000円

【週末(金土日・祝)】
・最初の24時間:2万7000円~3万2000円
・追加1日ごと:2万3000~3万2000円

【ハイシーズン】
・最初の24時間:3万5000~4万円
・追加1日ごと:3万~4万円

【超ハイシーズン】
・最初の24時間:4万5000~5万5000円
・追加1日ごと:4万~5万5000円
※いずれも税別

 平日の料金は「おっ、意外と手頃じゃん?」という感じだが、週末になるとさすがにちょいと高くなり、ハイシーズン(大型連休の前後)は「うおお……」という料金になって、超ハイシーズン(ゴールデンウイークやお盆のど真ん中)になると「うおお!」というプライスに変わるようだ。なるほど。

Japan C.R.C.オリジナル車両「ロビンソン 771」は、ハイエースロングワゴンボディベースでのキャンピングカー。ロングワゴンボディを使用しているので普通免許で運転が可能ながら7名乗車、7名就寝という大人数にも適している。乗車定員7名、7名就寝可能。最初の24時間・週末(金土祝日)は3万1900円、1日追加2万7500円、1時間追加3190円(JAPAN C.R.C.)
Japan C.R.C.オリジナル車両第2弾「ロビンソン106」はキャンピングカー専用シャーシで3000ccディーゼルターボエンジンのトヨタカムロード。最大乗車人数は10人、就寝人数6人。調理中も車内で円滑なコミュニケーションが取れる、オープン型キッチンを取り入れており、他のキャンピングカーにはないデザイン性を実現。最初の24時間・週末(金土祝日)は3万1900円、1日追加2万7500円、1時間追加3190円(JAPAN C.R.C.)

■ハイエースベースのバンコンは?

Japan C.R.C.オリジナル車両「ロビンソン V95」は、ビジネス利用に便利な機能が満載の「ムービングオフィスカー」として開発されたキャンピングカー。乗車人数9人、就寝人数5人。大人数の会議にも対応可能なコの字型のラウンジソファや吊り下げ型モニターのほか、サブバッテリーを搭載し、エンジン停止時でも電力を使用した作業が可能。最初の24時間・週末(金土祝日)は2万9700円、1日追加2万5300円、1時間追加2970円(JAPAN C.R.C.)

 トラックベースであるキャブコンの相場はおおむね上記のとおりだが、ハイエースなどがベースの「バンコン」だと、料金相場はどうなるのだろうか?

●バンコン(バンベースのキャンピングカー)

【平日】
・最初の24時間:2万~2万2000円
・追加1日ごと:1万4000~2万2000円

【週末(金土日・祝)】
・最初の24時間:2万5000円~3万2000円
・追加1日ごと:2万2000~3万2000円

【ハイシーズン】
・最初の24時間:2万8000~3万5000円
・追加1日ごと:2万4000~3万5000円

【超ハイシーズン】
・最初の24時間:3万2000~4万円
・追加1日ごと:2万5000~4万円
※いずれも税別

 平日の料金はキャブコンとそう大きくは変わらないが、週末やハイシーズンの料金は、キャブコンよりはぐっと手頃になるようだ。

 ならば軽自動車ベースの「軽キャン」だとどうなるのか?

●軽キャン(軽自動車ベースのキャンピングカー)

【平日】
・1日あたり:8000~1万4000円

【週末(金土日・祝)】
・1日あたり:1万~1万8000円

【ハイシーズン】
・1日あたり:1万2000~2万2000円

【超ハイシーズン】
・1日あたり:1万8000~2万6000円
※いずれも税別

 軽キャンの場合は「最初の24時間」と「追加1日ごと」の料金が分かれていなかったり、分かれていても差が大きくはないなど、要するに「ざっくり1日あたりの料金」で計算する場合が多いようだ。

 そして当然ながら軽キャンのレンタルフィーは安い。これなら、ド庶民である筆者でも普通にレンタルできそうである。その分だけ走行性能や、車内で寝られる頭数には限界もあるわけだが。

 まぁ上記のレンタルフィー以外に保険料(壊してしまったときの補償料など)も発生するわけだが、いずれにせよレンタル料金の相場はだいたいわかった。

■普通車しか運転したことのない人がキャブコンのレンタカーを借りて運転しても大丈夫なのか?

 だがキャンピングカーにまつわる問題というのは、何もお金のことばかりではない。いわゆる普通車しか運転した経験がない筆者のような人間が、いきなりトヨタカムロードあたりのトラックをベースとするキャブコンをスムーズに運転できるものなのだろうか?

 こればっかりは考えてもわからないし、ネットで検索すれば解決する問題でもないため、専門家に聞いてみるしかない。

 かなりしゃれた感じに仕上げたキャブコンのレンタルを専門に行っている「JAPAN ROAD TRIP」さんに電話して聞いてみた。

――もしもし。いきなりすみません。私のようなド素人がいきなりキャブコンをお借りしても、普通に運転できるものなんでしょうか?

JAPAN ROAD TRIPさん(以下、JRT):ごく普通の大学生さんなどもしばしば借りてくださっていますので、ベテランの方なら問題ないかとは思います。ただ、もちろんお貸しする際にはキャブコンの運転経験をお尋ねし、「自信がない」というお客様には無料講習を行わせていただいております。

――なるほど。それなら私でも大丈夫かな……。

JRTさん:とはいえ、やはり運転中にご注意いただきたいポイントはあります。ひとつは「高さ」ですね。

――ん? 高さといいますと?

JRTさん:キャブコンの場合、全高は3mほどあるのですが、ドライバーのアイポイントは普通のトラックと同じでさほど高くはありません。そこが盲点となって、ドライバーさんが「イケるだろ」と思ったポイントで、キャンパーの上部をガシャン! とぶつけてしまうというトラブルは、時々ございます。

――ううむ。私もそれ、やってしまいそうだ……。

JRTさん:あとは、トラックですから内輪差だけでなく「外輪差」もあります。そのため、ハンドルを切っている方とは逆の方向がイメージ以上にふくらんでいて……ということもありますので、そこはご注意いただきたいですね。

――そのあたりも、御社ならではの無料講習で教えていただけましたら幸甚に存じます。押忍。ところで御社のレンタルキャブコンは、どんなお客さんがどんな使い方をされてるんですかね?

JRTさん:20代のお若い方から40代ぐらいのお客様まで客層は本当にさまざまですが、北海道で弊社のレンタカーを使い、ニセコなどのスキー場を2週間がかりで回った――というお客様もいらっしゃいましたね。

――おおっ、それは素敵だ!

JRTさん:あとは、これは外国のお客様ですが、4人で日本国内を旅するなら新幹線よりレンタルキャンパーのほうが安いということで借りてくださり、東京から広島まで弊社の車で旅をなさったのですが、途中の京都では、あえて宿に泊まったそうです。

――へ? どうしてまた?

JRTさん:もちろんその他の場所では、例えば富士山などでは、弊社のキャンパー内で寝られたそうですが、「でも、せっかく京都に来たなら素敵な宿に泊まりたいよね」ということで、京都でだけはキャブコンを駐車場に停め、素敵な宿でゆっくりされたそうですよ。

――なるほど。そう言われてみれば、キャンピングカーに乗ってるからといって「絶対にその中で寝なければならない」なんて決まりはないですもんね。そんな自由自在な旅をとりあえず体験できるレンタルキャンパー、いよいよ興味が湧いてきました。ありがとうございました!

JRTさん:いえどういたしまして! ぜひ試してみてくださいね!

 以下、キャンピングカーのレンタルを行っている会社をリストアップしてみた。それぞれ車種や料金、最寄りの営業所などをチェックしてみてほしい。

●JAPAN ROAD TRIP
キャブコン専門。すべての車両が、かなりしゃれた感じの居室に仕上がっている。

●JAPAN C.R.C.
全国展開しているキャンピングカー専門のレンタカーサービス。キャブコンとバンコンがあり、一部車両を除いてペットも乗車OK。

●ヨセミテ
キャンパー仕様のジムニーから二段ベッドを装備した本格キャブコンまでを幅広くラインナップする。

●RMS CAMPER RENTAL
東京と大阪に拠点を構える高級輸入キャンピングカーレンタル専門店。高級路線ゆえ、本文中で紹介した「相場」よりは高額となる。

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