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一度使うとクセになってやめられない! 便利過ぎて後戻りできないイマドキの装備

 近年のクルマに付く装備の充実度は目覚ましい。そのなかには一度使ったら手放せないものも数多く、当記事ではそんな便利装備をピックアップしてみた。

 便利装備としていまや当たり前となったキーレスエントリー、プッシュエンジンスタート、バックカメラなどの装備はあえて除外している。

 注釈として人によって見解が異なるかもしれないが、一度使うと便利過ぎて後戻りできない装備を紹介していきたい。

文/永田恵一、写真/ベストカー編集部 ほか

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■この装備なかったらやってられませんわ、な「3種の神器」

●先行者追従型のアダプティブクルーズコントロール(以下ACC)&操舵支援

 まずは、少々いい過ぎかもしれないが、今、もしこの装備なかったら「もうやってられませんわ」と3種の神器だと思っている装備は、バックカメラ、ACC、電動パーキングブレーキ&オートブレーキホールドではないだろうか。

 新型車は2022年5月から、継続生産車は2024年5月から義務化されるバックカメラは説明不要かなと思うので、自動ブレーキとのセットで装着されるACC操舵支援から説明していこう。

 ACCの完成度(要するにドライバーでいえば運転が上手かうまくないか)によるところも大きいが、特に長距離ドライブに際に有難い装備なのはいうまでもない。

 この2つは交通量がそれなりにある高速道路で便利なのに加え、主にパーキングブレーキのタイプ(ハンドかフットの機械式なのか電動式なのか)にもよるが、停止まで対応するタイプならば渋滞の際には一層有難く、渋滞のある通勤時間帯や休日のドライブの際などには「付いていてよかった」と感じるに違いない。

 また、最近はおおよそ30km/h以上のスピード域で作動し、構造的に停止までは対応しないものの、MTでもこの種の装備付いたクルマも増えており、高速巡行の際などにはMT+この2つも十分有難みを感じられる。

●電動パーキングブレーキとセットになったオートブレーキホールド

 N-BOX(ホンダ)に2021年12月16日のマイナーチェンジでやっと装備されたのが電動パーキングブレーキとオートブレーキホールド

 電動パーキングブレーキは、インパネにあるスイッチを引くだけで作動、アクセルを踏めば自動的に解除され、再発進が可能。

 またスイッチを押せば解除することもできる。これ自体は一度使うと手動パーキングブレーキに後戻りできない、と思うほどではないが、電動パーキングブレーキになったことによる最大の恩恵が、オートブレーキホールドの装備。

 ボタンを一度押しておけば信号での停止時にブレーキペダルから足を離しても停止状態が維持される。再発進時にはアクセルペダルを踏めばブレーキペダル、アイドリングストップが解除される便利な装備だ。

 ACCについても、これまでのN-BOXは手動式パーキングブレーキのため、30km/h以下ではACCが使えなかったが、電動パーキングブレーキになったことにより、統合制御が可能になったため、0km/hでも使える全車速式となり、停止保持もできるようになった。

 なんといっても渋滞時のストップアンドゴーにも対応することになり、前を走るクルマに対して加速、減速し、適切な車間距離をキープ。前走車が停まれば合わせて停車するので、渋滞時の運転が楽になったことが大きい。

 もちろん、N-BOXだけじゃなく電動パーキングブレーキとオートブレーキホールドが付いているクルマは、こんな感じで信号待ちや渋滞ではラクチンだ。

「オートブレーキホールド」。必須の機能ではないが、あるだけで信号待ちや渋滞がラクチンに

■事故防止に役立つ頻度がもっとも多い安全装備は?

●後側方警戒支援システム

 俗に「ブラインドスポットモニタリング」などと呼ばれるもので、進路変更の際などの接触事故を防ぐため、具体的にはリアバンパー内部に埋め込まれたセンサーで車両左右の後続車の接近を監視し、後続車がいた場合にはドアミラーの画面やAピラーなどに表示する。

 個人的には事故防止に役立つ頻度がもっとも多い安全装備と感じており、装着可能な車種(標準装備となる車種も増えている)にはぜひ装着したい。

死角に入った車やいざという時の保険として非常に役立つ後側方警戒支援システム

●360度モニター

 これは最新自動駐車機能の基盤の1つでもある装備で、パノラミックビューモニター(トヨタ)、アラウンドビューモニター(日産)などとも呼ばれ、具体的には前後左右のカメラを使い、俯瞰で見た画像で駐車スペースなどでの自車位置を確認できるというものだ。

 駐車スペースでの左右方向の状態に加え、特に「前方が枠から出ていないか」を車外に出ず、車内から確認できる点も有難い。

■より快適なカーライフを支援する装備たち

●シートヒーター&ステアリングヒーター&シートベンチレーション

 シートヒーターやステアリングヒーターも冬場の早朝など大変便利な装備。

 これもなかなか後戻りできない装備の1つ。さらに上をいくのは、シートヒーターとセットとなることが多い、革や合皮といったシートに付く送風機能。

 背中などに汗をかきやすいこの種のシートに付いていると、実に快適だ。

 冬場、シートヒーターで暖まりすぎて、つい汗をかいてしまう人は手放せないのでは。

日産リーフはシートヒーターやステアリングヒーターを搭載。EVは暖房を使うと航続距離が落ちるため、シートヒーターを利用して乗員を直接温めることで消費電力を減らす

●予約機能付きウェルカムパワースライドドア

 スライドドアとなっている日本車はミニバンどころか、N-BOXのような軽スーパーハイトワゴンでもドアハンドルを引けば電動でドアが開くパワースライドドアが当たり前となっており、スライドドアの電動開閉は欲しい人が多い装備となっている。

 最近では両側パワースライドドアも珍しくないものになっているのに加え、アルファード&ヴェルファイアなどでは「予約機能付きウェルカムパワースライドドア」に進化している。

 この機能はスマートキーを使って「操作なし」で自動オープンしたいスライドドアを予約すると、20分間の時間制限付きという条件下で作動範囲にて約2.5秒待つと予約したスライドドアが自動オープンするというものである。

 「子供がフロントのヒンジドアを開けようとして隣のクルマのドアパンチしてしまった」などの心配を考えれば、確かに有難いこともあるだろう。

●ミニバンのスライドドアに付く乗降用電動ステップ

 これはパワースライドドアを開くと同時にサイドシルに収納されていた乗降用ステップが電動で出てくるというもので、三菱 デリカD:5と日産 セレナを例に考えてみる。

 デリカD:5の場合はコンセプトが「SUVの要素を盛り込んだミニバン」なだけに、最低地上高が高く、乗降性もよくないのでアリな装備だ。

 対するセレナは乗降用電動ステップがオプション設定されており(装着すると持ち込み登録)、あると2列目以降にアクセスしやすくなるのは事実だ。

パワースライドドアを開くと同時にサイドシルに収納されていた乗降用ステップが電動で出てくる「乗降用電動ステップ」

●電動バックドア&トランクリッド

 バックドアとトランクリッドの電動開閉機能があると、スマートに開閉ができるのに加え、特に小柄な女性がバックドアを開閉する際には高さに加え、力が要らないという意味でも嬉しい。

 さらに地面とクルマの間に足を入れるなどして開く機能もあれば万全だ。

バックドア・トランクリッド

●ヒンジドアのドアクローザー

 スライドドアの場合は電動ドアもセットになり、もはや当たり前の装備だが、ヒンジドアでもドアクローザーがあると、静かにドアを閉めても半ドアにならないのは大きなメリットだ。

 また、電動開閉ではなくともスライドドアにドアクローザーがあると、大きな音を立てなくない車中泊での深夜のトイレの際などにも非常に有難い。

■ついにここまできた! 未来を感じる先進装備たち

●アドバンスドパーク(トヨタ、自動駐車機能)

 20年近く前に登場したこの種の機能は、しばらく前まで操作性など「自分でやった方が早い」と感じることが多く、費用対効果が感じられないものが多かった。

 しかし、最新のものとなるヤリスとヤリスクロスのハイブリッド、MIRAI(いずれもトヨタ)に設定されるアドバンスドパークは白線がある枠となっている駐車スペースであれば並列、縦列ともに機能をオンにし、モニターで入れたい枠を指定するだけと操作が簡単なうえに、駐車の腕も一発で決まることが多いなど、ベテランドライバー並みだ。

 さらに、自宅駐車場など白線がない駐車スペースに対しても一度メモリーすれば使用可能な点など、「こればかり使っているとドライバーの駐車技能が落ちるのでは」と感じるくらい進化しており、可能ならぜひ装着したい。

白線がない駐車スペースでもメモリーすれば自動駐車してくれるトヨタの「アドバンスドパーク」

音声入力機能

 音声入力機能はカーナビやエアコンなどの操作を、スイッチ類を使わずに、音声で操作できるものだ。

 乗員とクルマとの相性などもあるが、相性がよく的中率が高いと、特に走行中は便利かつ安全だ。

 これに慣れてしまい、違うクルマに乗った時もつい声で操作のお願いをしてしまったことがあり、さすがにこの時は、音声認識機能はないと不便だなあと実感した。

「ハイ! メルセデス」で有名なベンツの音声認識システム「MBUX」。ナビの案内中止をスイッチで探すのは手間が多いが、音声認識なら一発である

●コネクテッド機能

 クルマがオペレーターさんとつながるコネクテッド機能は、目的地や駐車場といった最寄りの施設を探してもらえるなど、大変便利だ。

 またコネクテッド機能の中には、車両トラブルの際に状況によっては自分で操作しなくともオペレーターさんと交信ができる機能が付帯されることもある。

 筆者は自分のクルマで一度使ったことがあるが、動転しているときだけに指示がもらえ、担当ディーラーから電話をもらえるというのは心強かった。

●そよ風アウトレット

 エアコン関係の贅沢といえば、左右独立温度調整機能。「ドライバーは運転していることもあり低めの温度にしたい、パッセンジャーは寒がりで高めの温度にしたい」といった際などに非常に役立ち、乗員同士がエアコンの温度関係が原因でもめるのを防ぐにも非常に有効だ。

 とはいえ、後戻りできないというほどでもない。そんななか、これは! と思ったのが新型ヴェゼル(ホンダ)に装備された「そよ風アウトレット」だ。

 エアコンの風が体に直接当たるのは嫌なこともある。それを防ぐため新型ヴェゼルに付くそよ風アウトレットは、2つあるフロントのエアコンの吹き出し口をそれぞれ独立して閉じられるようになっており、エアコンの風を体に直接当たるのを防ぐと同時に、乗員の外側にだけ幕のようにエアコンの風を出すことも可能にしており、快適性を高めている。

 特に女性には大変喜ばれるのではないだろうか。

ヴェゼル(ホンダ)に装備された「そよ風アウトレット」。 体に直接エアコンの風が当たるのを嫌がる人には欠かせないアイテムとなるかも

●i-MT(トヨタ)

 トヨタのi-MTをはじめとしたこの種の装備は、シフトダウンの際のブリッピング(ニュートラルかクラッチを切った状態での回転合わせ)や発進の際にアクセルを若干煽る操作、坂道発進の際に下がらないための瞬間的なブレーキ補助といった、MTの操作をサポートしてくれるものだ。

 特にシフトダウンの際のブリッピングは単なるシフトダウンならともかく、ブレーキ操作も同時に行うヒール&トーだとそれぞれをパーフェクトに行うというのはかなり難しいだけに、この種の装備をオンにするとブレーキに集中できるのは非常に有難い。

MTをスムーズに走らせるには少しテクニックが必要なのだが、このi-MTは誰でもスムーズに運転できる画期的システムだ

■まとめ

 考えてみると現代のクルマは便利装備が満載となっている反面、そのぶん、価格が上がっているだけに、オプションも含めその取捨選択が難しいのも事実だ。

 しかし、筆者としては、便利装備は新車、中古車ともに後付けは難しいものが多いのと、クルマは何年に一度の買い物だけに、「欲しい、興味がある」なら、程度問題はあるにせよ装着を勧める。

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