2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ(FRJ)の第2大会(第4戦〜第6戦)が6月25〜26日に岡山国際サーキットで開催され、第4戦は片山義章(Team LeMans F111/3)が制した。第5戦・第6戦は小山美姫(TGR-DC F111/3)が制し、小山はFRJ初優勝とともに2連勝を飾った。
4月2〜3日に行われた開幕富士大会は、澤龍之介(Sutekina Racing/岡山大会不参加)が3戦連続のポール・トゥ・ウインを飾っている。前大会から2カ月以上のインターバルを経て開催された第2大会には全8台が参戦。舞台は片山のホームコースであり、片山が昨年3連勝をマークした岡山国際サーキットのため、今年も片山の好調が予想された。
25日午前に行われた公式予選ではやはり片山が好走を見せ、公式予選1でトップタイムとなる1分27秒391を、また公式予選2でもトップタイムとなる1分26秒980をマーク。さらに第6戦のグリッドが決せられる公式予選1のセカンドベストでも片山がトップとなり、地元でトリプルポールポジションを獲得。
「練習走行から、だいぶギリギリの勝負になるなと思っていましたし、前週に合同テストがあったこともあって、昨年ほどのアドバンテージはないなと感じていました。金曜日の練習走行では0.3秒の差をつけることができていましたけど、もしかすると相手がミスをしていたかもしれないし、僕がたまたま良いラップを刻めていたかもしれない。だから『そんなに差はない』と思って予選に臨んで……めちゃくちゃ集中して、気力と気迫でいきました。なんとかトリプルポールを獲ることができました。決勝もポール・トゥ・ウィンで、ホームコースを優勝で飾りたいです」と片山。
また、3レースとも予選2番手は小山、予選3番手は小川颯太(Bionic Jack Racing Scholarship FRJ)が獲得している。なお、マスタークラスの田中優暉(アスクレイ☆イーグルスポーツ)は予選に出走することは叶わず、第4戦も欠場。翌日の第5戦、第6戦は出走が叶うも最後尾スタートとなった。
■第4戦:片山義章が今季初優勝。小川颯太は序盤にコースオフも好走みせる
25日午後に行われた第4戦決勝は曇り空のもと18周で争われた。ニュータイヤで臨んだ片山がホールショットを守る一方、小山と小川の2番手争いが白熱。1コーナーアウト側からオーバーテイクを仕掛けた小川は小山のサイド・バイ・サイドにまで迫るもコースオフ喫し、最後尾までポジションを下げることに。
ポールスタートから片山はリードを築き、オープニングラップを終えて2.3秒。5周目には1分28秒788のファステストラップを記録し、小山との差を5秒にまで広げる独走状態となる。
一方、最後尾にポジションを下げた小川は3周目に辻子依旦(PONOS Racing)をパスすると、4周目に三浦勝(F111/3)を攻略し5番手に浮上。総合5番手、マスタークラス2番手につけていた畑享志(A-NeKT F111/3)がスピン、そして8周目にマスタークラストップのHIROBON(Rn-sportsF111/3)を攻略すると、スタートポジションの3番手に返り咲く。
序盤のコースオフから猛烈な追い上げを見せた小川だったが、片山、小山を捉えるまでには至らず。片山が安定した速さを見せつけ今季初優勝。5.487秒差の2位に小山が、そして片山から17.920秒差の3位に小川が続いた。マスタークラスはTCRジャパンとのダブルエントリーとなったHIROBONが今季4勝目を飾った。
今季初勝利を飾った片山は「今回、僕はニュータイヤを選んで、周りがユーズドタイヤを装着していました。そこの良さを活かして、早めにリードを広げることを意識していましたが、僕が目指していたレース展開通りになったので、すごく気分良く走ることができました」
「ただ、何があるかわからないですし、それこそセーフティカーが出る可能性もあります。そういった時のことを見越して、途中からはペースをコントロールして走っていました。最後にバックマーカーがいたのでペースが落ちてしまった部分はありましたが、自分の思い通りのレースができたと思います。この勢いで、明日のレースも頑張ります!」とコメントした。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第4戦岡山国際サーキット 決勝正式結果
Pos | Class | No | Driver | Car Name | Laps /Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 18Laps | |
2 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 5.487 | |
3 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 17.920 | |
4 | M | 11 | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 45.723 |
5 | M | 34 | 三浦勝 | F111/3 | 54.773 |
6 | M | 7 | 畑享志 | A-NeKT F111/3 | 1’27.701 |
7 | M | 45 | 辻子依旦 | PONOS Racing | 1Lap |
天候:曇り コース状況:ドライ
スタート時間:14時47分43秒
チェッカー時刻:15時14分32秒
クラス区分:M=マスタークラス
完走周回数:13Laps
参加台数:8台 出走台数:7台
ベストラップ #6 片山義章 1分28秒638 15/18 150.396km/h
■第5戦:小山美姫が悲願の初優勝。ユーズドタイヤで抜群のスタート決める
26日午前に行われた第5戦には前日の予選、そして第4戦で出走が叶わなかった田中の車両も間に合い、全8台で争われることに。そんななか、スタートで1コーナーのホールショットを奪ったのは小山。ユーズドタイヤを履いた小山は抜群の蹴り出しで片山をパス。
2番手にポジションを下げた片山は早めにトップに返り咲きたいところ。しかし、オープニングラップのバックストレートエンドのヘアピンで小川にインからかわされて、3番手でオープニングラップを終えることに。
3周目には小川がこの時点でのファステストを記録するも、その翌周には小山がファステストを塗り替え、小川を近づけさせない。レースは均衡状態のまま中盤を迎えたが、7周目に辻子がヘアピンコーナーでスピンを喫しマシンを止めてしまう。これにより今週末初のセーフティカー(SC)が導入されることに。
11周目にリスタートを迎えと、小山がラップリーダーのままレースは終盤へ。そのまま小山が首位を守り切りトップでチェッカーを受け、FRJ初優勝を獲得した。2位に小川、3位に片山が続き、マスタークラスは最後尾スタートの田中が制し、HIROBONの開幕5連勝阻止に成功している。
FRJ初優勝を手にした小山は「昨日はクラッチの調子が悪くて、今日も心配なところはありました。岡山ではスタートで前に出ないと勝てないと言われていますが、今回はむしろ、後ろから抜かれないように気をつけていったのですが……思いの外うまくいき、前に出ることができました。久しぶりにトップを走るということで最初の1〜2周はペースを乱してしまいましたし、後ろの小川選手は新品タイヤを履いていたので、追いつかれるとまずいなと思っていましたが、逆にどんどん引き離すことができました。途中セーフティカーが入った時も、ここで強さを見せられるようにしないといけないと思い、タイヤのウォームアップも念入りにやり、レース再開後も集中して走りました」
「私自身、フォーミュラのレースでは初めての優勝なので嬉しいです。特に、昨年の岡山大会で3連勝していて、昨日のレース4も優勝している片山選手を逆転することができたというのが、個人的には大きいなと思っています。次の3レース目は、上位陣の中では私だけ新品タイヤを残している状態なので、楽しみです」とコメントした。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第5戦岡山国際サーキット 決勝正式結果
Pos | Class | No | Driver | Car Name | Laps /Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 18Laps | |
2 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 2.975 | |
3 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 5.503 | |
4 | M | 14 | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 13.104 |
5 | M | 11 | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 18.016 |
6 | M | 7 | 畑享志 | A-NeKT F111/3 | 18.444 |
7 | M | 34 | 三浦勝 | F111/3 | 31.016 |
M | 45 | 辻子依旦 | PONOS Racing | 13Laps |
本決勝レースは、7周目にセーフティカーを導入し10周目に離脱した。
天候:曇り コース状況:ドライ
スタート時間:10時37分27秒
チェッカー時刻:11時7分21秒
クラス区分:M=マスタークラス
完走周回数:13Laps
参加台数:8台 出走台数:8台
ベストラップ #8 小山美姫 1分28秒558 6/18 150.532km/h
■第6戦:片山、痛恨のスタート出遅れ。小山美姫が独走で2勝目飾る
26日午後に行われた第6戦決勝では、スタートでポールシッターの片山が出遅れるなか、第5戦に続いて小山がホールショットを奪う。続いて3番手スタートの小川が2番手に浮上する。3番手にポジションを下げた片山はオープニングラップのバックストレートエンドでアウト側から小川に仕掛けるがオーバーテイクには至らず。
ニュータイヤを履いた小山は2周目から1分28秒台をキープ。ライバルより1秒以上速いペースを維持し続け2番手以下を引き離す展開に。一方、小川と片山の2番手争いは熾烈を極め、終始1秒以内での戦いが続く。昨年は3連勝を決めたホームコースだけに片山も自己ベストを刻みつつ小川の背中を追うが、小川も片山とのギャップを0.6秒維持し、オーバーテイクの隙を見せない。
ただひとり1分28秒のペースで周回する小山は10周目を終えて、2番手小川とは9.032秒と大差に。そんななか、13周目の1コーナーで片山が小川をかわし2番手に浮上。ここから小山とのギャップを縮めたい片山だったが、この時点で12.337秒のギャップが開いていた。
また、3番手にポジションを下げた小川は14周目に1分31秒台と大きくペースダウン。片山との差が広がると同時に、背後から畑が1分29秒台のペースで接近。17周目には小川の背後0.3秒差まで畑、そしてその0.2秒後方に最後尾から追い上げた田中が接近するが、小川も粘りの走りで3番手を死守する。
18周を終え、小山が13.385秒のリードを築いて、2勝目となるトップチェッカーを受けた。2位に片山、3位に小川が続いた。マスタークラスは昨年のクラス王者の畑が今季初優勝を獲得し、Super Licenseが両クラスを制する結果となった。
第6戦を終えて小山は「今回はタイヤの選択もチームに決めてもらったのですが、一番路面温度が高い時に新品タイヤを使えたことで、アドバンテージが大きかったと思います。本当にクルマが乗りやすくて、私が速かったというよりは、クルマが良かったことでつかめた勝利だと思います」
「自分が多少成長していた部分もあるかもしれませんが、チームの皆さんがパッと乗ったときに速いクルマを作ってくれて、本当に良かったです。チームの皆さんに感謝の気持ちでいっぱいです」とコメントしている。
2022年のフォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ、第7戦〜第9戦が開催される第3大会は7月2〜3日にモビリティリゾートもてぎにて開催される。
フォーミュラ・リージョナル・ジャパニーズ・チャンピオンシップ
第6戦岡山国際サーキット 決勝正式結果
Pos | Class | No | Driver | Car Name | Laps /Gap |
---|---|---|---|---|---|
1 | 8 | 小山美姫 | TGR-DC F111/3 | 18Laps | |
2 | 6 | 片山義章 | Team LeMans F111/3 | 13.385 | |
3 | 97 | 小川颯太 | Bionic Jack Racing Scholarship FRJ | 27.277 | |
4 | M | 7 | 畑享志 | A-NeKT F111/3 | 27.616 |
5 | M | 14 | 田中優暉 | アスクレイ☆イーグルスポーツ | 28.169 |
6 | M | 11 | HIROBON | Rn-sportsF111/3 | 42.041 |
7 | M | 34 | 三浦勝 | F111/3 | 1’03.196 |
8 | M | 45 | 辻子依旦 | PONOS Racing | 1Lap |
天候:曇り コース状況:ドライ
スタート時間:14時32分49秒
チェッカー時刻:14時59分31秒
クラス区分:M=マスタークラス
完走周回数:13Laps
参加台数:8台 出走台数:8台
ベストラップ #8 小山美姫 1分28秒277 6/18 150.011km/h