アルピーヌF1のフェルナンド・アロンソが、2022年F1第9戦カナダGPのレース終盤に前を走るチームメイトのエステバン・オコンを追い抜かないようチームから指示されたことに不満を漏らす一方、チームのオットマー・サフナウアー代表は、これが作戦上必要な行為だったと主張している。
F1カナダGP決勝の終盤、6番手を走るオコンに、アロンソ、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)、周冠宇(アルファロメオ)が接近。この4台によるトレインが形成された。
アルピーヌF1はアロンソに対し、彼が抱えるエンジントラブルを理由にそのままの順位を維持するように無線で指示。アロンソは「今週末は(オコンよりも)100倍速いんだ」と反論したが、アルピーヌの2台はオコンが6位、アロンソが7位(レース後のペナルティで9位に降格)でフィニッシュした。
『Motorsport Week』によると、アロンソはレース後、エンジントラブルによってストレートスピードが落ちていたことは認めつつ、自らがオコンを上回るペースで走れていたと主張した。
「(オコンを)抜くことができず、とてもフラストレーションが溜まったよ。今週末の僕のクルマは飛ぶように速かったからね」
「ストレートでは1秒遅れを取っていたのに、レースでは僕のほうが速かったんだ」
アロンソがチームメイトのオコンに前を抑えられたことに不満を漏らす一方、アルピーヌF1のサフナウアー代表は、アロンソにとってはこれが最善の策だったと考えている。
『MARCA』によると、サフナウアーはアロンソがエンジントラブルを抱えていたにもかかわらずこのポジションを維持できていたのは、オコンがアロンソにDRSを使わせていたためだと主張した。
「DRSトレインがなければ、フェルナンドはエンジン出力が落ちていたせいで(ボッタスらに)追い抜かれる危険性があったと思う。だからエステバンが助けていたんだ」
「もしふたりの順番を入れ替えていたら我々の立場は危なくなっていただろう。だからそれはできなかったんだ」
さらにサフナウアーは、オコンが直線スピードで劣るアロンソにDRSを使わせるためにあえてペースを落としていたと示唆。オコンのチームプレーを称賛した。
「DRSを使わせるためにエステバンが我慢したのは正しいことだ。彼はそのまま逃げ切ることもできただろうが、それはチームにとって好ましくなかった」