ロシアによるウクライナ侵攻や中国の海洋進出などを背景に、日本の防衛力のあり方が、参院選の論点の一つになっている。政府与党は敵基地攻撃能力(反撃能力)保有の議論を加速し、相手国の「指揮統制機能等」が攻撃対象になる考え方も提示。ただ国内に置き換えれば、米軍・自衛隊の重要拠点が相手からの標的になる現実を、改めて浮かび上がらせたともいえる。首都圏の基地周辺住民は平和への思いを訴える。(林朋実、石原真樹)
◆「日米の軍事一体化」懸念する横田基地周辺の市民団体
「横田基地の周りは市街地で、学校も病院もある。攻撃を受ければ犠牲になるのは住民だ」
参院選公示を控えた6月中旬、米軍横田基地(東京都福生市など)の滑走路を見下ろす展望広場。市民団体「横田基地の撤去を求める西多摩の会」事務局長の寉田 一忠つるたかずたださん(77)は語気を強めた。横田基地には2012年から航空自衛隊の航空総隊司令部が入り、日米連携が進む。
「横田は日米の軍事の一体化を象徴する基地になった」。寉田さんは日米協力の一方で、日本の「非戦の誓い」が置き去りにされていると感じる。これに加えて敵基地攻撃能力保有を宣言すれば「諸外国との緊張感が高まる。政府に本当に必要なのは、紛争を戦争にしないように、話し合いで解決する力なのに…」。
◆「日本一アメリカに近い商店街」でも「危険な訓練増えた」の声
横田基地に面する福生市の国道16号沿いの商店街「福生ベースサイドストリート」。米国情緒に満ちた古着屋やアンティークショップが並び、「日本で一番アメリカに近い商店街」をうたう。基地の存在は街の特色だが、基地に厳しい視線を注ぐ人もいる。アパレル店店長の男性(30)は「敵基地攻撃能力保有は、やられたらやり返す発想。解決にはならない。平穏を守りたい」と語る。防衛費増にも「政府は米国からの武器購入にお金をたくさん使うより、もっと国内のことに使ってほしい」と訴える。
基地周辺では、パラシュート降下訓練に伴う器具の落下や、米軍輸送機が住宅地の上を低空飛行し、急旋回することもある。18年に横田基地に配備され、市街地上空を飛ぶ米軍輸送機CV22オスプレイへの不安も強い。「基地機能強化で危険な訓練が増え、住民の生活を脅かしている。心配は、将来あるかもしれない『有事』だけではないんです」と寉田さんは話す。
◆横須賀では「自分たちの街が加害の側に」
米海軍の原子力空母「ロナルド・レーガン」が母港とする神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地。その目の前に立つカトリック横須賀三笠教会の浜崎真実司祭(57)は「原子力空母が攻撃を受けたら、風向きによっては横須賀だけでなく首都圏、関東が放射能汚染によって機能不全に陥る危険性がある」と恐れる。
横須賀には海上自衛隊の自衛艦隊司令部もあり、浜崎さんは標的になる懸念だけでなく、「自分たちの街が加害の側にさせられる」と指摘する。「自分も死にたくないし、人を殺したくもない。敵基地攻撃能力なんてあってはいけない。平和への道筋を考えてほしい」と訴える。
東京新聞 2022年6月29日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/186300
引用元: ・「攻撃受ければ犠牲になるのは住民」 敵基地攻撃能力保有に市民から懸念の声(東京新聞) [蚤の市★]
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