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<p>トルコ、「外交勝利」誇示へ 北欧加盟同意、対米配慮も:時事ドットコム</p><p>トルコが北大西洋条約機構(NATO)首脳会議直前のタイミングで北欧のスウェーデンとフィンランドのNATO加盟に同意しました。背景には、北欧2カ国が示した大幅な譲歩を「外交上の勝利」として国内でアピールできるという判断や、対米関係への配慮があったとみられます。</p><p>【イスタンブール時事】トルコが28日、マドリードでの北大西洋条約機構(NATO)首脳会議直前のタイミングで北欧のスウェーデンとフィンランドのNATO加盟に同意した。背景には、北欧2カ国が示した大幅な譲歩を「外交上の勝利」として国内でアピールできるという判断や、ぎくしゃくする対米関係への配慮があったとみられる。</p><p>加盟同意に際し、トルコが28日に北欧2カ国と交わした覚書は、トルコがテロ組織と見なすクルド人勢力を2カ国が支援しないことを約束するなど、トルコが事前に突き付けた要求をほぼ全面的に受け入れる内容。大統領府は署名直後に声明を出し、「望むものを得た」と成果を誇示した。 国内経済の混乱で支持離れが進むエルドアン大統領にとって、北欧2カ国の譲歩は、クルド問題で強硬論が根強い国民に指導力を示す大きな材料となる。一方、仮に北欧側がクルド問題への対応を約束通り即座に変えなければ、再びトルコが加盟に難色を示す展開もあり得る状況だ。 エルドアン氏は28日の北欧2カ国首脳にストルテンベルグNATO事務総長を交えた会談に先立ち、バイデン米大統領と電話で会談した。米政府高官によれば、電話会談は加盟を急ぐ北欧2カ国の要請に米国が応じる形で実現。この中で、NATO首脳会議に合わせ、トルコと米国が個別に首脳会談を行う方針も確認された。 対米関係改善の糸口が見つからない中、トルコ政府は当初、米国との首脳会談は「計画されていない」(外務省高官)と説明していた。しかし、トルコは急きょ実現した米側との接触を関係改善のシグナルと受け止め、対ロシアでのNATOの結束をアピールしたいバイデン米政権に配慮を示した形になった。</p>