Wシリーズの3戦目が、F1第10戦イギリスGPが開催されるシルバーストンで行われる。前戦スペインでのレースが5月中旬だったから、Juju(野田樹潤)にとって約1カ月半ぶりのWシリーズとなる。しかし、この1カ月半の間にJujuはレースに参加していた。
「6月4、5日にオーストリアのレッドブルリンクで開催されたドレクスラーカップの第4戦に出場していました」
なぜ、JujuはWシリーズ以外のレースに参加したのだろうか。
「Wシリーズは走行時間が限られているので、少しでも経験を積むためです。ただ、Wシリーズに出場している選手は、Wシリーズが開催されるサーキットでいっさいテストもレースも行ってはならないので、必然的に出ることができるレースが限られていて、そのひとつがドレクスラーカップだったというわけです」
Wシリーズはレッドブルリンクでは開催されないのと、ドレクスラーカップの第4戦が行われる6月はWシリーズが開催されないため、Jujuがレースを行うのに打ってつけだったわけだ。
そのドレクスラーカップの成績は、4日のレース1は予選15番手、決勝は6位で、5日のレース2は予選12番手、決勝は9位だった。それでも、Jujuは「いい経験が積めました」と言う。
「クルマの差があったのですが、逆に何度も抜いたり、抜かれたりするいい経験になりました。抜く時にどうやって相手にプレッシャーをかけるかとか、抜かれるときはどうやってブロックするかということをいろいろ試すことができました。やっぱりこういう経験はレースでないと積めないので、いい経験でした」
もうひとつ、ドレクスラーカップがいい経験になったことがある。それは「自信」だ。
「Wシリーズは走行時間が限られていることと、セットアップの変更が限られているので、自信を持って走るまでに時間を要するんですが、ドレクスラーカップはセットアップが自由なので、自信を持ってアグレッシブに走ることができました」
そんなJujuにとって、シルバーストン・サーキットは初めての経験。
「フリー走行は30分しかないので、10周ぐらいしか走ることができないと思うんです」
そのなかで、自由にセットアップできないマシンに慣れ、フリー走行から約6時間後に行われる予選で、タイムアタックを行わなければならない。
Jujuのシルバーストンでの新たなチャレンジが始まる。