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かつてあった愛車セットの代わりに、つけた方がいい付属品はあるのか?

 愛車セットというオプションを、どれだけの人が知っているだろうか。45歳以上のドライバーにはお馴染みだと思うが、30代以下のドライバーで、愛車セットの内容をしっかりと説明できる人は少ないだろう。

 約20年前までは、新車購入時に必ずといっていいほど見積もりに含まれ、多くの人が付属品として購入していた愛車セット。内容は洗車用具に毛ばたきを加えたものが多かった。ユーザーにとって必須だったかはわからないが、多くの人が買っていたオプションの一つでもある。

 時代が変わり、令和になった今、愛車セットのようなオプションはあるのだろうか。新車購入時につけておきたいディーラーオプションを、色々とセレクトしていこう。

文/佐々木 亘、写真/HONDA、写真AC

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■バイザー・ナンバーフレームは無くても、フロアマットは純正を選択したい

ホンダ ヴェゼルの純正フロアシート。マットのズレを防ぐ構造では純正品に勝るものは無い

 オプションカタログを見ると、セット販売されているものが多くある。ベーシックなところで言えば、フロアマット・サイドバイザー・ナンバーフレームの組み合わせだ。

 セットが無くとも、営業マンが見積もりをつくる際に、ディーラーオプションとして必ずといっていいほど入れるのが、この3つである。ユーザーの中には、希望はしなかったが買ったクルマに勝手についていたということがあるのではないか。

 また、室内イルミネーション・フロアマット・サイドバイザー・ドライブレコーダーのセットを見つけることもできた。まとめて装着することによって、数千円程度安く提供される仕組みだ。

 正直、こうしたモノを全てセットにして取り付ける必要性は無いと思う。特にサイドバイザーについては、本当に必要とするユーザーは限られるから、一つずつ吟味しながら、オプション選びをするべきだと筆者は考える。

 営業マンもユーザーの意向も聞かず、おススメといって定番の3品を見積もりに入れるのは、もうやめないか。

 要不要がいくつも考えられるオプション群だが、純正品にこだわって装着して欲しいのが「フロアマット」だ。社外品や汎用品も多くあるが、マットのズレを防ぐ構造では、純正品に勝るものは無い。運転の命でもあるペダル操作の正確性に直結する装備だからこそ、フロアマットは少々高くても、純正品がベストだ。

 ちなみに筆者は、ナンバーフレームもサイドバイザーも付けない派である。ただし、フロアマットは純正品しか装着しない。

■防犯・防災グッズは最新でまとめよう

キー付ホイールナットやナンバープレート用ロックボルトなどの防犯グッズが現代の愛車セットか(写真AC)

 外装から内装に至るまで、様々なオプションが用意されているが、今注目したいのは、防犯と防災に関するオプションだ。

 まずは防犯に関するもの。ナンバープレート用ロックボルト、キー付ホイールナットをおススメしたい。車両盗難だけでなく、クルマの部品盗難が増えている昨今。特に標的にされるのがナンバープレートとタイヤ・ホイールだ。

 数千円から1万円程度でできる防犯対策なので、サイドバイザーやイルミネーションを付けるなら、地味だが防犯対策に予算を割きたいところ。

 また、車内に事故などで閉じ込められた際にガラスを割り脱出するハンマーやシートベルトカッター、災害発生時にクルマで避難することも多いことから、車載防災セットも選択して欲しいオプションだ。

 一昔前は「愛車セット」だったが、今は「防災セット」が、その代わりを務める存在となるだろう。

 ちなみに、車両盗難対策として純正セキュリティシステムを組み込む人がいると思うが、セキュリティの効果としては社外品の方が高いこともある。クルマに元々付いているコンピューターへ、追加セキュリティを組むよりも、全く別の仕組みを取り付けたほうが、解除に時間がかかるようだ。

 絶対盗まれない仕組みは無く、盗人とセキュリティのイタチごっこが続くため、防犯に関しては、今はこれが良いはずとしか言えないところもある。

■冬季対策とUSBポートを増やす

現代ならではの装備であるUSBポート。最低限、乗る人の数と同じUSBポートの数は用意しておきたい(写真AC)

 地球環境の変化で、昨今は突然の降雪や気温の低下がニュースになることが多い。これまで積雪などには無縁だという地域でも、冬・雪に対する対策は講じておいたほうが良いだろう。

 もしもの備えとして純正タイヤチェーンを購入しておく、霜取り用の温水ウォッシャーを装備するなどが考えられる。寒い季節への備えは忘れがちだが、重要なポイントだ。クルマで移動する際の安心感が大きく高まる。

 また、何かと充電が必要となる昨今。特にUSBを使った充電が多いため、USBポートの数を増やす装備も有用だ。最低限、乗る人の数と同じUSBポートの数は用意しておきたい。純正品なら、スタイリッシュにUSBポートを増やすオプションがある。積極的に選択したいところだ。

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 クルマによって数はまちまちだが、約100種類は用意されている付属品(ディーラーオプション)。数が多すぎて見落としがちだが、実用性・機能性が高いものが多い。選んで満足することはもちろんだが、安心感を高める付属品選びを、皆さんにはして欲しい。

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