ル・マンで優勝を果たしたGR010 HYBRID 8号車を駆るセバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮は、シリーズのドライバーズランキング争いでも、首位のアルピーヌに対してわずか3ポイント差にまで迫り、逆転タイトル獲得へ向け勢いに乗っています。
7号車を駆る、ディフェンディングチャンピオンの小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスは、ル・マンをチームメイトと同一周回の2位で終えましたが、タイトル獲得の可能性は十分に残っています。シーズン後半の残り3戦で好結果を残す必要がありますが、首位との差を20ポイントまで詰めました。
今季のWECハイパーカーカテゴリーは、熾烈を極めるチャンピオン争いだけでなく、新たなライバルが加わることにも注目です。今大会のモンツァから、プジョーが2台体制で参戦、WECトップクラスのハイパーカーカテゴリーは、4つのマニュファクチャラーによる争いとなります。
過去、トヨタとプジョーは、耐久レースの世界で何度も激しい戦いを繰り広げてきました。トヨタがトヨタトムス85Cでル・マンに初めて挑戦し、12位フィニッシュを果たした1985年、プジョーとして最高位フィニッシュとなったWMプジョーチームは、トヨタの5台後方の17位でチェッカーを受けました。また1992年には、トヨタとプジョーはスポーツカー世界選手権でチャンピオンをかけて争い、ジェフ・リース/小河等組のTS010が開幕戦モンツァで、トヨタにとって初となる世界選手権での優勝を成し遂げ、この年トヨタ・チームトムスはシリーズランキング2位となりました。同年のル・マン24時間レースでは、トヨタとプジョーが共に初優勝を目指して争い、プジョーがこれを制しました。トヨタは、関谷正徳/ピエール-アンリ・ラファエル/ケニー・アチソン組が2位フィニッシュを果たし、トヨタにル・マンでの初表彰台をもたらしました。
トヨタとプジョーによる耐久レーストップクラスでの争いは、翌1993年を以て一旦幕を閉じます。この年のル・マンを制したのもプジョーでした。それから29年、今週末、モンツァでライバル同士の激戦が再び繰り広げられます。
昨年のモンツァ戦は観客人数が制限された中で行われましたが、今大会は通常開催となります。走行セッションは8日(金)の午後の90分間にわたる練習走行で開始され、翌9日(土)は2回の練習走行に続いて、夕方に10分間のセッションで決勝のスターティンググリッドを決定する予選が行われる忙しい1日となります。全38台のレースカーにグリーンフラッグが振り下ろされるモンツァ6時間のスタートは、10日(日)の現地時間正午(日本時間午後7時)の予定です。
ル・マンが終わってからまだ1か月も経っていませんが、我々はモンツァ戦へ向けた準備を進めてきました。昨年は、マイク、ホセと私の7号車が勝利を挙げており、今年もその再現が目標です。まず練習走行セッションを通して、我々の思う方向のセッティングとするための準備を進め、また、優勝争いができるように頑張らなくてはなりません。
昨年のモンツァで速さを見せることができましたし、我々のGR010 HYBRIDは、モンツァのような高速コースに向けて開発されています。もちろん、今週末の目標は優勝を飾り、シーズンのタイトル争いにおける上位とのポイント差を詰めることです。
まだル・マンが終わって数週間しか経っていませんが、チームがこのレースへ向けてハードワークを続けてくれていることは知っています。新たなライバルが増えますが、我々のGR010 HYBRIDの競争力は高く、優勝争いができる自信があります。クリーンに、トラブルの無い週末を過ごすこと、それが我々の最優先事項です。
モンツァは大好きなサーキットなので、チームメイト同士のバトルが続けられることを楽しみにしています。私自身、イタリアで何年も過ごしたことがありますが、イタリアのファンは本当に熱狂的で歓迎してくれるので、またファンの皆様に会えるのが楽しみですし、素晴らしいレースになるでしょう。
モンツァではLMP2で走っていたときに良い思い出があり、今週末のモンツァが楽しみです。2017年のヨーロピアン・ル・マンシリーズ戦で、激戦の末に優勝することができました。とても高速で、非常にチャレンジングなモンツァは、今のところ私にとって良いサーキットですし、そこで走るのが楽しいです。GR010 HYBRIDで初めての体験となるモンツァ戦が待ちきれません。
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https://toyotagazooracing.com/jp/wec/release/2022/rd04-preview/
投稿 TOYOTA GAZOO Racing、新たなライバルを迎え、シーズン後半のチャンピオン争いへ挑む は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。