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 7月1日から2日にかけてフランス、ル・マンのサルト・サーキットで、第10回『ル・マンクラシック』のグループCレースが行われ、関谷正徳と中嶋一貴が乗り込んだトヨタトムス85Cがクラス優勝を飾った。また、同イベントにはマツダ787Bも姿を現し、寺田陽次郎のドライブでデモンストレーションランを披露している。

 ル・マン24時間レースが行われるサルト・サーキットを舞台に開催されるル・マンクラシックは、かつてのル・マンを戦った往年のスポーツカーが2年に一度集まり、公道を一部封鎖したお馴染みのトラックでレースを実施するもの。

 前年の中止を経て迎えた今大会では、サポートレースのひとつである“グループCレーシング”に、トヨタトムス85Cがエントリー。37年前にこのクルマで総合12位完走を果たした関谷と、2022年からTGR-E(旧TMG)の副会長に就任した中嶋がチームを組みレースに挑むこととなった。

 舘信秀監督の下、2日(土)の決勝に臨んだトヨタトムス85Cは、中嶋が43分間で争われたレースの前半パートを担当し、途中のピット作業で関谷にバトンが渡される。後半戦はフィニッシュドライバーを務めた関谷によって無事にチェッカーまで運ばれ、スターティンググリッドから順位を3つ上げた総合17位でフィニッシュした。

「85Cで一貴と舘監督と優勝することができました。本当に思い出深い1日になりました」というTOM’SのTwitter(@tomsracing)に投稿された関谷のレース後のコメントにあるように、トヨタトムス85Cは4台がエントリーしたC1bクラスで、2位となったマーチ85Gに1周差をつけて優勝を飾っている。

中嶋一貴がドライブするトヨタトムス85C
中嶋一貴がドライブするトヨタトムス85C
ル・マンクラシックのグループCレースでC1bクラス優勝を果たした中嶋一貴/関谷正徳組
ル・マンクラシックのグループCレースでC1bクラス優勝を果たした中嶋一貴/関谷正徳組
サルト・サーキットを走行するトヨタトムス85C
サルト・サーキットを走行するトヨタトムス85C

■20万人の大観衆を前に、マツダ787Bがロータリーサウンドを響かせる

 このイベントに先立ち、南仏サンブックにあるスパーク社所有のプライベートサーキット、グランサンブックでトヨタトムス85Cとともにテストを行ったマツダ787B。言わずと知れた1991年のル・マン優勝マシンは、グループCレースの各走行セッションの前に1回ずつデモランを実施した。

 約20万人の大観衆が見守るなか、寺田が乗り込んだマツダ787Bは計3回の走行機会でR26B型4ローターサウンドを響かせた。当初、787Bの走行はグループCカーレースの先導車としてのみ実施される予定だったが、“ミスタール・マン”こと寺田の要請もあって単独走行が実現したという。

「先導車としてフォーメーションラップを1周走る予定でしたが、それでは良い4ローターサウンドを奏でることができないので、お願いして単独で1周フリーランさせてもらえることになりました」と舞台裏を語った寺田。

「タイヤも充分に温まらない状態でしたが、グランドスタンド前を駆け抜ける時にはグッドサウンドが聞けたはずです」

「多くのファンの皆さんが手を振り、歓声を上げていただいているのがよくわかりました。このような素晴らしいイベントでマツダ787Bを走らせることができ、とても光栄です」

 なお、走行前にフォードシケイン内側に設けられた仮設ガレージで787Bがエンジン暖機を始めると、たちまちガレージを囲むように人だかりが形成された。MZRacingのTwitter(@MZRacing)には暖機のブリッピングが完了しエンジンを停止した後に歓声が上がり、拍手がなりやまない様子を収めたビデオが投稿されている。

寺田陽次郎が乗り込んだマツダ787B 2022ル・マンクラシック
寺田陽次郎が乗り込んだマツダ787B 2022ル・マンクラシック
ふたたびル・マン表彰台に立った関谷正徳と中嶋一貴。舘信秀監督と車両オーナーの国江氏とともに
ふたたびル・マンの表彰台に立った関谷正徳と中嶋一貴。舘信秀監督と車両オーナーの国江氏とともに