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<p>安倍元首相追悼、「日本取り戻す」受け継ごう 櫻井よしこ氏</p><p>安倍元首相追悼、「日本取り戻す」受け継ごう 櫻井よしこ氏 取り戻そうとしたのは日本の価値観だ。日本は元々どんな国で、なぜ大東亜戦争を戦い、敗れたのか。日本の夢と懊悩に満ちた近現代史を、祖父の岸信介元首相、父の晋太郎元外相らから血肉を分ける形で学び育った。</p><p>安倍晋三元首相が暗殺された。このテロを心から憎み、憤っている。対象が保守であろうが革新であろうが、テロは許さない。だが、安倍氏は暗殺された。世界情勢激変の中で…</p><p>安倍晋三氏(左)、櫻井よしこ氏(春名中撮影) 安倍晋三元首相が暗殺された。このテロを心から憎み、憤っている。対象が保守であろうが革新であろうが、テロは許さない。だが、安倍氏は暗殺された。世界情勢激変の中で国家の命運を懸けた大決断が必要な今、その任に最もふさわしいと期待されながらの悲劇である。 安倍氏は米国のトランプ前大統領、ロシアのプーチン大統領ら手ごわい指導者をも魅了する素晴らしい日本人だった。安倍氏は首相になるとき、「日本を取り戻す」と叫んだ。取り戻そうとしたのは日本の価値観だ。日本は元々どんな国で、なぜ大東亜戦争を戦い、敗れたのか。日本の夢と懊悩(おうのう)に満ちた近現代史を、祖父の岸信介元首相、父の晋太郎元外相らから血肉を分ける形で学び育った。戦後の占領下で日本の価値観や法制度がどのように否定され、置き換えられたかを成長過程で見聞したはずだ。日本を取り戻すと叫んだ心の奥に、こうした日本国のたどった道への理解と共鳴があったと思う。 だからこそ、第1次安倍政権では教育基本法の改正、国民投票法の制定、防衛庁の「省」昇格などを急いだ。戦後、日本の形を決定づけた現行憲法の改正を自らの政治使命だと誓った。第2次安倍政権では、国の守りを強化する特定秘密保護法や安全保障関連法を、10ポイントも支持率を落としながら成立させた。 特集・連載:</p>