第26回参議院議員選挙は10日、投開票が行われた。NHKニュースの23時時点の開票速報では、自民・公明合わせて改選過半数(63議席)を上回る70議席以上を確保。さらに11日午前3時過ぎ、自民は単独で改選過半数を上回ることが確定して「大勝」を印象付けた。
野党は、立憲民主が改選23議席を大きく下回り、維新は地盤の関西に加え比例で躍進、改選6議席から倍の12となり比例では立民を上回る8を獲得。
国民民主は改選7議席を、共産は改選6議席をそれぞれ割り込んで後退。れいわは3議席を確保。初参戦の政治団体、参政党は1議席の獲得を決める躍進。NHK党は1議席を獲得し、社民は未明に1議席を死守した。
選挙戦は当初、岸田政権の高支持率を背景に与党が沖縄などの一部選挙区を除いて優勢に戦いを進めていた。中盤に入り、野党側への寄り戻しを指摘する向きもあったが、選挙終盤の8日、安倍晋三元首相が遊説先の奈良市で銃撃されて死亡するという大事件が発生。これにより「戦局が一変」(野党三役)し、選挙戦への関心が否応なく高まったことで投票動向に与える影響が注視されていた。
蓋を開けてみれば、自民、公明に加え、野党でも憲法改正に前向きな維新、国民を合わせた「改憲勢力」が非改選を合わせ、3分の2(166)以上を確保した。これを受け、岸田首相は民放の選挙特番の中継で、憲法改正について「国会の議論を深めて、具体的な発議できる案をまとめていく、この努力に集中していきたい」と意欲を示した(発言はTBSニュース参照)。
東京都の9日までの期日前投票で、212万2838人と前回の173万4764人を上回っており、全国でも8日までに前回を上回る1612万2093人が投票を済ませた。
注目選挙区の東京選挙区(改選6)では、自民の現職、朝日健太郎氏と公明・竹谷とし子氏、共産の山添拓氏が早々と当確を決めた。過去2回トップ当選だった立民の現職、蓮舫氏が8時過ぎに当確がつかず、4番目にやっと4選を決める異例の展開となった。23時33分ごろ、自民新人の生稲晃子氏も初当選を確実にした。11日0時過ぎ、最後の1議席をれいわの山本太郎氏が確保したのが確実となり、維新新人の海老澤由紀氏はあと一歩届かなかった。
大阪選挙区(改選4)は、ともに維新現職の浅田均氏、高木かおり氏、自民現職の松川るい氏、公明の石川博崇氏が当選を確実に、早々と結果が確定的になった。
新潟選挙区(改選1)は自民新人の小林一大氏が、立民現職の森ゆうこ氏を破って初当選を確実にした。沖縄選挙区(同)は、野党系無所属の現職、伊波洋一氏が自民新人の古謝玄太氏と開票率98%まで競り合った末に僅差で逃げ切った。
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【初出掲載7/10 20:10、10度目の更新:11日7:20】
(本記事はストレートニュースの本記になります。この後11日未明まで随時更新しましたが、7:20を持って確定版とします。そのほか開票ルポや開票結果の分析など11日にかけてSAKISIRUで掲載しますので、ぜひご覧ください)