角田裕毅(アルファタウリ)のF1第11戦オーストリアGPの決勝レース結果は、16位だった。
レース後、ミックスゾーンに帰ってきた角田は、不完全燃焼に終わった週末を次のように振り返った。
「土曜日のフリー走行2回目からクルマに問題があって、スプリントの後にチームが全力で原因を探してくれたんですけど、なかなか見つけられないままレースをスタートしなければならず、まったくペースが上がらずに、このような結果に終わってしまいました」
角田が「このような」と前置きしたのには理由があった。
16位という成績だけを見れば、スターティンググリッドの17番手からひとつ順位を上げたように見えるが、5番グリッドのセルジオ・ペレス(レッドブル)がスタート直後に接触し、その後リタイア。レース終盤に表彰台圏内を走行していたカルロス・サインツ(フェラーリ)がパワーユニットトラブルでリタイアしたことを考慮すれば、事実上の後退だった。
しかも、17位のセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン)は、トラックリミット違反で5秒ペナルティをレース後に科されたため、15番手でフィニッシュしながら最下位となった。
つまり、チェッカーフラッグを受けた瞬間の順番は角田が最後で、そのひとつ前がチームメイトのピエール・ガスリーだった。オーストリアGPでアルファタウリは10番目のチームだったわけである。これはアルファタウリになってからは初めてのことで、前身のトロロッソ時代でもホンダがパートナーとなった2018年以降、初めてとなる屈辱的な結果だった。
「絶対にこの問題を解決しなければならないと思います」と語った角田。
オーストリアGPの週末に、グリップ不足に悩まされた原因は不明のままだが、チームメイトも総じて週末スピード不足だったことを考えると、アルファタウリのマシンAT03そのもののパフォーマンスがそろそろ限界に来ているのではないかと思われる。