中国のEVメーカーXpeng Motorsが出資する、電動垂直離着陸機(eVTOL)開発企業のHT Aeroが、自動車のハンドルで操縦する「空飛ぶクルマ」の飛行テストの映像を公開した。
XpengブランドのEVから持ってきたと思われるハンドルが操縦席の前に据え付けられており、飛行中はこのハンドルで機体の向きを変えることができる。上昇や下降、その他の操作は右手の操縦桿から行うようだ。また左手側には、いくつかの操縦モードを切り替えるボタンもある。
HT Aeroはすでに「X2」と呼ばれる、市販化に向けた空飛ぶクルマを開発中だ。XPeng/HT Aeroのなかで第5世代の空飛ぶクルマとされ、Xpengの電動セダン「P7」に近いデザインのボディを持っている。
X2の機体重量は560kgで、2名まで搭乗でき、200kgの荷物を運ぶことが可能とされる。バッテリーだけで飛行するため、連続飛行時間は最大35分、飛行高度1,000m以下、最高飛行速度は130km/hと控えめだが、アーバンエアモビリティとしては十分な性能と言えるかもしれない。
そして今年4月には、高級スポーツカーのようなEVから、2つの巨大ローターが延びてeVTOLに変形するという、第6世代フライングカーのコンセプト動画を公開していた。
動画は明らかにCGレンダリングによるものだが、道路走行が可能な電気自動車として、またフライングカーとしても機能するようにするため、今回公開されたテスト機のように、ハンドルと操縦桿で操作するスタイルになるのかもしれない。
ただ、今回公開されたハンドル付きの機体を見れば、これが製品として販売できるレベルになるには、まだ時間がかかりそうだ。
XPeng/HT AeroはWeiboのページに「最終的な運転モードが自動車のようにシンプルで簡単に習得できることを望んでいる」と記しており、陸と空を統合した「空飛ぶクルマの制御ロジック」の実現可能性を検証するために、常に実験を行っていると述べている。