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 7月9〜10日、オーストリアのレッドブルリンクで行われたFIA-F2第8ラウンドのシュピールベルク戦。佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)は、このラウンドでもさまざまな不運に見舞われ、速さはみせたもののレース2で16位という結果に終わった。

 第7ラウンドのシルバーストンでは、二度のエンジントラブルに見舞われた万璃音。なんとか結果を得たいと、気持ちを新たにオーストリアへと移動した。このレッドブルリンクはトラックリミットに厳しいサーキットで、F1はもちろんFIA F2、F3でもフリープラクティスから数多くの黒白旗が振られ続け、レースでのペナルティに注意が必要だと全チームに注意喚起されていた。

 そんななか、万璃音はフリー走行でチームのもつ豊富なデータをもとに、タイヤに対してアジャストしたセットアップで走ったが、今年いちばんのひどいアンダーステアを訴え、タイムが伸びないまま1分16秒659で20番手で終える。

 迎えた予選は気温18℃、路面温度39℃というドライコンディションの中で行われたが、ソフトタイヤでコースインした万璃音は、マシンのフィーリングを確認し、タイムアタックに突入。しかし、ベストタイムをマークした周のタイムが抹消され、結果は1分14秒936で16番手となってしまった。ただマシンのフィーリングには問題なく、決勝でのポジションアップを狙った。

「フリー走行では今季最悪のアンダーステア状態でした。チームメイトも同じ症状だったのですが、彼の方がややデフが柔らかいセットだったので、予選に向けてアジャストしたところ、タイヤコンパウンドが変わる予選では全然問題はなく、走り出しから5〜6番手のタイムでした。ただ2セット目のアタック1周目の1コーナーではみ出してしまい、2周目も走れたのですがタイム的には良くなかったですね。あれがなければトップ10にはいけたのに、と悔しい結果でした」と万璃音。

 追い上げを期して挑んだ7月9日(土)のスプリントレースでは、シルバーストンに続き不運が襲う。好スタートで1台抜いたところで迎えた2周目の1コーナーでパワーダウン。そのままピットに戻るしかなかった。

 7月10日(日)のフューチャーレースは、朝からの雨はあがったものの、ところによって濡れた路面が残る難しいコンディションからのスタートとなった。万璃音は18番手グリッドからスタートを迎え、迷わずスリックタイヤを選択するも、スタートでエンジンがストールし押し戻されてスタートを切ることになった。ただ、2周目にセーフティカーが導入されこの間に集団に追いつくことに成功する。

 レースは5周目に再開されたが、この時点で路面がかなり乾いた状況となっており、6周目には万璃音がファステストラップを刻んで追い上げを開始。6周目に19番手、7周目に16番手から一気に12番手まで浮上し、8周目には10番手にポジションをアップ。13周目にピットインしてタイヤ交換を済ませ、14番手から再び追い上げを開始した。

 しかし、15周目の4コーナーでコースアウトを喫してしまい、19番手までドロップ。気を取り直して再スタートを切り、最終的には17番手まで追い上げたところでチェッカーとなった。レース後、上位陣に失格のペナルティ等があり、最終順位は16位という結果となった。

「レース2は、スリックで出たのは正解だったと思いますが、濡れた路面でホイールスピンし過ぎてスロットルを戻したら逆に路面グリップに食われたのかストールしてしまいました。再スタートができずにピットに戻され、エンジンをかけてレースに復帰したのですが、セーフティカーに救われました。追いかけていた時にうまくタイヤに熱が入ってくれたので、再スタート後はかなりの勢いで前をいくマシンを抜くことができました」と万璃音。

「しかしタイヤ交換をした後のミディアムタイヤの温まりが悪く、飛び出してしまいました。なかなか熱が入らず、ポジションを守ろうとして抜かれないようコーナーをひとつでも先にと頑張ったのですが、止まらなくて飛び出して10秒ロスしてしまいました。あれがなければマシンのバランスも悪くなかったですし、ストラテジー的にもドライビング的にもトップ10圏内にいけたはずです。自分の責任です」

 ポテンシャルは感じながらも、なかなか結果が残せない状況が続くが、「今回のレースもエンジントラブルに見舞われたり、コースオフしてしまったりとチームも自分も本来のポテンシャルを発揮できずに終わってしまったのですが、原因は分かっていますし、速さはあるので、次のフランスではすべてが噛み合って結果が残せるように頑張ります」とポールリカールに向け前を向いた。

2022年FIA F2第8戦シュピールベルク 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)
2022年FIA F2第8戦シュピールベルク 佐藤万璃音(ビルトゥジ・レーシング)