もっと詳しく

 7月16日、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第9戦『FCPユーロ・ノースイースト・グランプリ』がアメリカ・コネチカット州のライムロック・パークで行われ、パフ・モータースポーツの9号車ポルシェ911 GT3 R(マット・キャンベル/マシュー・ジャミネ組)が総合優勝を飾った。

 1周1.53マイル(約2.462km)のショートサーキットを舞台に行われた今戦は、GTDプロとGTDの2クラスのみが参加する“GTオンリー・イベント”のひとつ。この第9戦にはプロクラス5台、プロ・アマ10台の都合15台がエントリーした。

 2時間40分で争われた決勝は、前日の予選でポールシッターとなったキャンベル駆る9号車ポルシェがホールショットをを決め、予選2番手につけた14号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)や、同3番手の23号車アストンマーチン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)を従えてレースを引っ張っていく。

 スタートから30分、首位から4番手までが3秒以内に並ぶ接戦が繰り広げられるなか、4番手を走る3号車シボレー・コルベットと14号車レクサスが同時にピットへ。ともにタイヤ交換と給油のみでピットアウトする。

 翌周、23号車アストンマーチンもピットインするが、先に入った2台に先行を許す。さらに数周、最初のスティントを引っ張った9号車ポルシェもピットアウトは3番手に後退。これにより14号車レクサスが総合トップに浮上した。

 最後尾スタートとなっていた25号車BMW M4 GT3(BMW MチームRLL)がトラブルで戦線を離脱したレース中盤、2度目のピットタイミングを迎えた上位陣はふたたび3号車からピットに戻り、ドライバー交代を行っていく。そんななかコース上で9号車が14号車をかわしてポジションを取り戻すことに成功。直後に迎えたピットストップ後も首位の座を守ってみせた。

 スタートから2時間、トップを走る9号車と2度目のピットストップ後に2番手に浮上した23号車アストンマーティン、直後に続く14号車レクサスとのギャップは7秒に広がった。しかし、レース残り時間が22分となったところで51号車アキュラNSX GT3エボ(リック・ウェアー・レーシング)がクラッシュを喫したため、フルコースコーションが導入されタイム差はリセットされる。

 それでも、残り9分で迎えたリスタートを決めたジャミネの9号車が逃げ切りに成功し、ポール・トゥ・ウインでシーズン4勝目を達成。1.883秒差の2位に23号車アストンマーティンが続き、14号車レクサスが3位表彰台を獲得した。

 なお、25号車BMWはリタイア。3号車コルベットはレース中盤にGTD車両と接触した際に右リヤの足回りにダメージを負い、修復に時間を要したため5周遅れのクラス4位/総合12位でレースを終えている。

シーズン4勝目を挙げた9号車ポルシェ911 GT3 Rのマシュー・ジャミネとマット・キャンベル 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
シーズン4勝目を挙げた9号車ポルシェ911 GT3 Rのマシュー・ジャミネとマット・キャンベル 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
ハート・オブ・レーシングチームの23号車アストンマーティン・バンテージGT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
ハート・オブ・レーシングチームの23号車アストンマーティン・バンテージGT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
ジャック・ホークスワースが復帰したバッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
ジャック・ホークスワースが復帰したバッサー・サリバンの14号車レクサスRC F GT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク

■優勝目前でスローダウン。わずかに足りなかった燃料

 GTDクラスは、スタートで39号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ(カーバーン・ウィズ・ペレグリン・レーシング)がポールシッターの12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)を交わして首位に躍り出た。しかし、その5分後、39号車はスタート手順違反によるドライブスルーペナルティを受けて後退する。

 首位に返り咲いた12号車はそのままレース序盤をリードするが、1回目のピットストップ後には予選7番手からスタートし徐々に順位を上げてきていた、1号車BMW M4 GT3(ポール・ミラー・レーシング)にポジションを奪われる。

 その1号車がライバルより1回多い3ピット作戦を採るなか、12号車レクサスがみたびクラス首位となって迎えたレース終盤、51号車のクラッシュによって勝負は最後の“9分スプリント”で決することになる。

 リスタート時、クラス2番手につけていた57号車メルセデスAMG GT3(ウィンワード・レーシング)がレクサスをオーバーテイク。この際に2台は横並びの状態で軽く接触し、その影響で12号車のボンネットが浮き上がってしまう。ペースダウンを余儀なくされた12号車は次々に順位を落とし、たまらずピットへ。ボンネットを外してコースに復帰するも首位から一転、クラス最後尾となる。

 一方、レース再開時にクラス4番手となっていた1号車は、わずかな時間で前を行く27号車アストンマーティン・バンテージGT3(ハート・オブ・レーシングチーム)を交わして2番手に浮上。首位を行く57号車とはやや差があったため、そのままクラス2位でフィニッシュするかと思われた。

 しかし、ファイナルラップの最終コーナーで、57号車メルセデスがガス欠によってスロー走行に。これを労せずかわした1号車BMWがトップチェッカーを受け、逆転勝利を飾っている。2位は27号車アストンマーティン。3位に39号車ランボルギーニが入り、勝利目前だった57号車はクラス6位となった。

 ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第10戦『IMSAスポーツカー・ウイークエンド』は8月5~7日、ウィスコンシンのロード・アメリカで開催される。

ポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
ポール・ミラー・レーシングの1号車BMW M4 GT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
燃料不足となりファイナルラップでスローダウンしたウィンワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク
燃料不足となりファイナルラップでスローダウンしたウィンワード・レーシングの57号車メルセデスAMG GT3 2022年IMSA第9戦ライムロック・パーク