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体調が良くない日、二千花はこの二階の自室から階下の笑い声をよく聞いていたものである。余命宣告された娘が二階で休んでいるというのに、世之介相手に両親は楽しげな笑い声を上げ、笑ってもらえるのが嬉(うれ)しいものだから、世之介もまた興に乗る。 「崎陽軒(きようけん)のシウマイ弁当って、…