アルファタウリの角田裕毅は、今週末のF1第12戦フランスGPに向け、マシンに大きなアップグレードを投入することで中団勢のトップで争えるようになることに期待していると語った。
第11戦オーストリアGP終了時点で、角田は11ポイントを獲得し、ドライバーズ選手権で16位につけている。スプリントの行われたオーストリアGPでは16位に終わり、「今年ここまでで一番厳しいレース週末だった」と振り返った。
「今シーズンのこれまでのところ、オーストリアは最も難しいレースウイークのひとつでした。スプリント形式がさらに事態を悪化させたようです。誰にとっても同じことだと分かってはいますが、レース前にロングランの時間をあまり取れなかったわけです。予選のパフォーマンスレベルはよかったのですが、スプリントではペースが出ませんでした」
「ポジティブな点としては、レースへのアプローチと集中力のレベル、それにトラックリミットのミスを避けることができて満足しているので、自分にとってはいい一歩でした」
レッドブルリンクで苦戦を強いられたアルファタウリだが、今週末のフランスGPではマシンのアップデートを投入予定だ。角田も、ポール・リカールでマシンの弱点が目立つことにはならないだろうと期待を寄せた。
「ポール・リカールでは、ユーロフォーミュラやFIA F3で何度かレース経験がありますが、昨年のグランプリは自分にとってはかなり難しいレースになりました。予選でクラッシュしたため、ピットレーンからスタートしなければならなかったのです。このコースでは中速コーナー向けのセットアップが必要ですが、かなりトリッキーになります。なぜなら高速のストレートとシーニュ・コーナーがあるからです」
「それだけでなく、セクター1と3の終わりには低速と中速コーナーもあります。通常ならそれによってマシンの弱点が目立ってしまうでしょうが、僕たちはフランスにアップデートを持ち込むので、もうそういうことにはならないと期待しています。日曜日にポイントを獲得しやすくなるように、今こそもう一度Q3に進出する時です」
「僕たちは小規模なアップグレードを何度も行うよりも、メジャーアップグレードを行うことを選びました。僕たちは中速から高速コーナーでかなり弱かったので、新しいアップグレードはマシンにより多くの負荷を加えることに焦点が置かれています。これによって安定性が増し、また中団のトップで戦えるようになることを願っています」
チームメイトのピエール・ガスリーも、オーストリアでは決勝レースで2度のペナルティを受けるなど厳しい週末を過ごした。AT03のアップデートが必要だと訴えていたガスリーにとって、この週末は何としても入賞を争いたいところだろう。
「オーストリアは忘れたい週末になってしまったから、ポール・リカールでまたレースをしたいと特に強く思っている」
「レッドブルリンクでの予選はまあまあだった。僕たちにとって難しいコースだと分かっていたし、トップ10からは外れた。その後のスプリントは残念ながらまったくうまくいかなかった。日曜日に僕はインシデントを起こしたし、戦うのに必要なレベルのパフォーマンスがなかった。そしてふたつのペナルティを受けたけれど、それはもちろん助けにはならなかった」
「でも僕は常に先を見据えたいし、今週末のマシンに投入されるアップデートによって、状況ははるかによくなると期待している。アップデートは主に空力面のもので、パフォーマンスが大きく上がるはずだ。ポール・リカールで試してみたくてたまらないし、ポイントを争う戦いに戻ることを期待している」
そして何より、母国でのレースを迎えるにあたり、ガスリーは観客の前で十分なパフォーマンスを発揮したいと語った。
「僕のホームレースだから特別な週末だ。特に今年は、フランスGPの将来が明確ではないからね。来年もフランスGPがカレンダーに残るのかどうか確かではないが、この瞬間を楽しみ、ファンやサポーター、フランスのF1が好きな人たちと共有したいと思っている」
「実は僕のファンたちのために、特別なガスリー・グランドスタンドが、バックストレートのシケインのところに設けられるんだ。少し個人的なことをして、彼らといつも以上につながることができるのはいいことだ。素晴らしい雰囲気になるだろう。フランスの観客の前で、好結果を出すのに十分なパフォーマンスを発揮できるよう願っているよ」