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 今夏注目のサービスエリアのひとつが、東北道の佐野SA(下り)。7月13日にリニューアルオープンし、施設もグルメも魅力度が大幅アップしている。佐野といえば、佐野ラーメンがまっさきに思い浮かぶが、リニューアルした佐野SAのおすすめグルメはラーメンだけではない。魅力あふれる新グルメを定番&変わり種の全部盛りでお届けしよう(※販売状況については、予告なく変更となる場合があります)。

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文/鈴木ケンイチ、写真/鈴木ケンイチ、NEXCO東日本

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エリア全体を公園に見立てるパーク化の第一弾

 東北道を40分ほど下って、鉄筋に囲まれた利根川の橋を渡れば、埼玉県は終わり。群馬県の館林市を通り過ぎると、今度は栃木県の佐野市に入ります。埼玉、群馬、栃木の県境にあるのが佐野SA(下り)です。佐野SA(下り)は、東北自動車道の起点となる川口JCTから60㎞ほどの位置にあり、最初のドライブ休憩にぴったりのサービスエリアと言えるでしょう。

 今回のリニューアルで佐野SA(下り)は「ドラマチックエリア佐野(下り)」となりました。普通のSAではなく、その地域の中核となる存在として、その土地ならではのドラマを演出するエリアです。ちなみに、これまでの建屋は、入口正面にフードコートがあり、その横にショッピングコーナー、そして左端にレストランが配置されていました。NEXCO東日本エリアのSAとしては、オーソドックスなレイアウトでしょう。レストランでは、朝食のバイキングが有名でした。

 しかし、今回のリニューアルによって、レストランは廃止に。その代わりに、ショッピングコーナーからフードコートまでが、ひと続きとなり、天井は高く、窓も大きくなりました。その結果、広々感が大幅にアップ。建物面積はほぼ同じなのに、個人的には以前よりも2倍くらい広くなったような印象です。とにかく明るくて広々としています。

広々として明るいフードコート

 しかも驚くのは、今回のリニューアルオープンは、佐野SA全体の大きな変化の第一歩にすぎないということ。将来的には、上下線のSAを行き来できるという佐野SAならではの特徴を活かし、上下線のふたつのSA全体で一つの大きな公園とする「佐野パークSA」という構想があるのです。今後は、園地のリニューアルと、カフェの設置も予定されています。まるでピクニックに来たかのように楽しめるSAを目指すとのこと。グランドオープンの日程は未発表ですが、その日が来ることを楽しみに待ちましょう。

「佐野らーめん」に「耳うどん」など充実の定番グルメ

 佐野SA(下り)の大きな魅力のひとつは、有名なご当地グルメが数多くあること。そのひとつが「佐野らーめん」です。佐野は、昭和初期、市内に最高160軒ものラーメン店があったというほど、ラーメンが人気の街。今も、地元で結成された「佐野らーめん会」には、60以上のお店が登録されています。そのラーメンの特徴は、コシの強いちぢれ麺に、透き通った醤油ベースのスープの組み合わせです。

 そんなラーメン激戦の街で鍛えられているから、佐野SA(下り)で提供される「佐野らーめん」(800円)も鉄板の美味しさ。魚介と鶏、豚をミックスしたスープは、コクがたっぷりあるのに、後味すっきり。もちもちの麺との相性もばっちりです。ちょっと贅沢したいという方には、3枚のチャーシューにワンタン、煮卵がプラスされた「特製佐野らーめん」(1250円)がおすすめです。

ボリューム満点の「特製佐野らーめん」は1250円

 もうひとつの佐野のご当地グルメが「耳うどん」(950円)。小麦粉を練った具を「耳」にみたてた佐野の郷土料理です。「鬼の耳を食べると厄除けになり、無病息災で過ごせる」と言われていたとか。麺ではなく、団子のようにするわけですから、言ってみれば「すいとん」の派生のような料理です。野菜もたっぷり入っていて、消化も良さそうですから、「無病息災」もあながち嘘ではないのでは。優しい、ほっとする味です。

 また、夏季限定の「大根そば」(1000円)も佐野の郷土料理のひとつ。細切りした大根をそばと一緒にいただきます。シャキシャキした触感と、すっきりとした味わいは、夏にぴったり。暑さで食欲減退した方にもおすすめです。

 そして最後のご当地グルメが「いもフライ」。蒸したジャガイモを串に刺して、カリっと揚げ、最後にソースをまぶします。佐野のおやつの定番であり、佐野のソウルフードとも呼ばれるそうです。佐野SA(下り)の「いもフライ」(300円)は、オリジナルのウスターソースを使用。びっくりするくらいジャガイモが柔らかく、ソースは辛さ控えめ。小腹が空いたときに、ぜひとも試してほしいグルメです。

佐野名物「いもフライ」(300円)

定番モノにひねりをきかせた変わりダネ

 定番グルメが充実する佐野SA(下り)では、その定番モノに、もうひとつ工夫を加えたユニークなグルメも数多く用意されています。

 まずは、「佐野らーめん」を使った変化球。それが「佐野らーめんナポリタン」(1200円)。文字通りに「佐野らーめん」の麺を、ナポリタンにしてしまいました。もちもちした平打ち麺と、ケチャップの効いたソースの取り合わせは、普通のパスタとは違った、和風の味わいです。また、「耳うどん」をアレンジした「ボンゴレ耳うどん」(1200円)もユニークなメニュー。こちらは逆に、「耳うどん」の具が大きなペンネのようで洋風な味が楽しめます。こちらの2品は、フードコートの「ハンバーグ・オムライスSANON」で提供されています。

佐野らーめんの変化球! 「佐野らーめんナポリタン」(1200円)

 さらに驚く「佐野らーめん」のバリエーションが、テイクアウトの「Picnic+Plus」で提供される「らーめん生春巻き」(450円)です。「佐野らーめん」のスープをジェル状にして、麺、チャーシュー、ナルトを生春巻きの皮で包んだオリジナルメニュー。かぶりつけば、「確かにラーメンだ!」と驚くこと間違いなし。

 そして佐野のソウルフードにも変わりダネが用意されています。それが「いもフライ いちごソース」(400円)。甘酸っぱいイチゴのエキスをマヨネーズソースにプラス。かぶりついたときに、爽やかなイチゴの香りが楽しめます。

 最後の変わりダネとして、おすすめしたいのが「甘酒スムージー」(380円)。地元佐野の酒蔵が作る甘酒に、「とちおとめ」「バナナ」「小豆」のフレーバーを加えたドリンクです。何がいいかといえば、ベースとなる甘酒がとっても美味しいということ。甘さ控えめで、すっきりとした後味。お米から作る本格的な甘酒の美味しさを再認識できるはずです。

腹ペコさんにおすすめのドカ盛りメニュー

 お腹いっぱい食べたい! という方におススメなのが、フードコートのお店「萬福」の「みかも山丼」(1800円)です。「みかも山」は、佐野SA(下り)からも見える、佐野のランドマーク。チキンカツとトンカツを、「みかも山」の複数の頂に見立て、ボリュームたっぷりのドンブリとしました。サクサクの食感と、足利市の老舗「月星食品」のコクのあるソースが味の決め手となります。ちなみに、タルタルソースと練り辛子もついていますから、味変も楽しめます。店名通りの満腹が期待できる一皿です。

満腹間違いなしの「みかも山丼」(1800円)

 同じ「萬福」の、もうひとつのおすすめが「山カレー」(1200円)。カレーの海の真ん中にご飯の山がそびえます。まさに「SNS映え」するメニュー。山のふもとのカレーは、辛さ控えめですが、ご飯の山の上のドライカレーはピリッとスパイシー。2つの辛さの異なるカレーを楽しめる、見た目と味の良さの両方が楽しめるグルメです。

SNS映えも楽しい「山カレー」(1200円)

 新しくなった佐野SA(下り)は、定番ものから変わりダネまでグルメが大充実。一度ですべてをいただくことは不可能ですから、何度もトライして、制覇を試みてください。

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