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タイヤの空気圧を計ったことありますか? 基準値より低いとどうなるか知ってますか?

 真夏は、パンクやバーストなど空気圧に関連したタイヤのトラブルが増えてくるので、特に注意しなければいけない季節だ。

 そこでクルマ初心者に向けて、タイヤの空気圧の測り方、測る場所(自分でやるか、ガソリンスタンドか)、長い間クルマに乗らなくて基準値より低くなった場合、タイヤの空気圧を高めにした場合にはどうなるのかを解説していきたい。

文/高根英幸
写真/AdobeStock(トップ画像=Proxima Studio@AdobeStock)

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■空気の力がクルマを支える

重い車体を4本のタイヤの空気圧のみで支えている。考えてみるとすごい話だ(Nischaporn@AdobeStock)

 タイヤはサイドウォールでクルマを支えていると思っているドライバーも多いようだ。しかしサイドウォールがクルマを支えられるほどの剛性を持っていると、まるでゴムの塊のようになって、乗り心地が硬すぎるしタイヤが重くなってしまう。

 クルマはタイヤ内部の空気によって支えられている。そして路面と唯一接触している部分だけに、タイヤはクルマの走りのすべてに影響を与える。それだけに日頃からコンディションを整えてやることが大事なのである。

 まずは空気圧が適正であるか、点検することが必要だ。タイヤの空気圧は自動車メーカーが乗り味の最終調整にするほど効果的なものだ。

 つまりタイヤ自体は比較的幅広い空気圧に対応するけれど、車重やボディ剛性、サスペンションのセッティングなどとバランスをとって、そのクルマの標準空気圧が決められている。

 少しでも燃費を良くしたいと思うなら、タイヤの空気圧はマメにチェックすることだ。タイヤは極微量だが空気(空気を構成する分子の中でも小さいもの)を通してしまうので、少しずつ低下していく。

 タイヤ空気圧のチェックはタイヤエアゲージを使って行なうが、ガソリンスタンドでボンベ式の空気入れを使って測りながら調整することもできるし、タイヤゲージを手に入れて自宅でチェックすることもできる。

 セルフのガソリンスタンドでもスタッフがタイヤ空気圧を調整してくれるところもあるが、難しい作業ではないので自分でやってみることだ。

 測り方は、ホイールのエアバルブについているキャップを緩めて外し、そこにエアゲージを当てて押し付ける。真っすぐ当てないと隙間からエアが漏れてしまうので、体勢を整えて落ち着いて作業することだ。

 そのクルマの基準となるタイヤ空気圧は、ほとんどのクルマで運転席ドアの開口部に貼られたステッカーに記されている。乗員や積載量によって異なる空気圧を指定しているクルマもあれば、タイヤサイズによって基準空気圧が定められているクルマもある。

 同じタイヤサイズでも、タイヤの銘柄によって乗り心地などが変わってくるので、その場合は空気圧を若干調整して好みに合わせるのもアリだ。

 測るのは走行後ではなく、走行前の冷間時がベスト。近所のガソリンスタンド程度の走行であれば空気圧への影響は少ない。常にそこで調整するのであれば、基準が安定する。

■器具さえあれば自宅でもできる空気圧管理

パンク修理キットに付属のコンプレッサーと、カー用品ショップで購入できるタイヤゲージがあれば自宅で空気圧調整ができる(Soonthorn@AdobeStock)

 スペアタイヤを搭載していないクルマにはパンク修理キットとして電動コンプレッサーを搭載していることが多いが、これを使ってタイヤに空気を入れ、タイヤゲージで正確に調整してやれば自宅でもタイヤ空気圧の管理ができる。

 タイヤゲージはそれほど高いモノではない(1000円以内で買える)から、自分で選んで使いやすいモノを利用しよう。ポイントは、空気圧を測るだけでなく、高めの時には減圧できるバルブを備えているモノを選んだ方が使いやすい。

 価格は安くても計測機械、精密さが追求されるものなので、タイヤゲージは大切に扱うことだ。落としたり、投げたりして衝撃を与えてしまわないように注意しよう。

 計測の頻度は月に一度が理想的だが、通常であれば2ヵ月に一度でも問題はない。しかし特に外気温が低下していく時期には、タイヤ内部の空気の温度も低下していくから空気が抜ける分以上に空気圧が低下する。

 季節の変わり目や冷え込んだ時などは自然と空気圧が低下するから空気圧をマメにチェックすることをオススメする。

 空気圧が低いまま走行していると、一般道では鋭いギャップなどではタイヤが潰れすぎてバーストする可能性があり、高速道路では走行中のタイヤの変形(スタンディングウェーブ現象と呼ばれる)が大きくなり、発熱してバーストすることにつながる可能性が高まるので気を付けよう。

 後から抜ける分を見込んで空気圧を少し高めにしておく、という方法を採るショップもあるが、その場合でも基準値の1割増し程度にしておくことだ。

 あまり空気圧が高いとトレッドの中央が減りやすくなって偏摩耗したり、乗り心地が悪くなって足回りの寿命を縮めることにつながる。雨の日のタイヤのグリップレベルも低下するので、危険性も高まってしまう。

■空気圧だけでない、タイヤのチェック項目

季節ごとのタイヤ交換の際に、ついでにローテーションしておくのが効率的だ(tkyszk@AdobeStock)

 タイヤの空気圧をチェックする時には、残り溝も確認しておきたい。4輪すべてを常にチェックする必要はなく、左右どちらかの前後タイヤを見て、それを交互に行なうように習慣づければいい。

 スリップサイン(△のウェアインジケーター部分で溝が無くなってしまった状態)が出るまでタイヤは使える訳ではなく、その前に新品に交換したい。

 FF車の場合は、フロントタイヤの方が早く減りやすいので、タイヤの装着位置を変えるローテーションを5,000kmまたは1年ごとに行なおう。

 これによって4輪の摩耗具合が均一に近づき、タイヤを新品に交換する際に無駄なくタイヤを使い切れる。冬季はスタッドレスタイヤに履き替えるのであれば、夏タイヤに戻す時に同時にローテーションすると効率的だ。

 それと時々はタイヤ表面にヒビ割れがないか目視で確認しておきたい。表面に細かいヒビが入った状態、それもトレッド面の溝などであれば、安全上の問題はないが深いヒビ割れは走行中にバーストする可能性が高まる。

 タイヤはクルマを動かさない時間が長いと、むしろゴムは劣化していくので最低でも週に一度はクルマを走らせるようにしよう。

 タイヤワックスは基本的には使う必要はない。というのもタイヤのゴム自体に劣化防止剤が入っていて、タイヤが運動することで自然に表面を保護するようになっている。

 油性のタイヤワックスを塗ってしまうとタイヤ内部の劣化防止剤が溶け出して抜けてしまい、表面の劣化を進めてしまうことがある。なので、使うなら水性タイプを利用しよう。

 タイヤに異物が刺さっていたら、除去するとパンクしてしまう可能性があるので、パンク修理できる環境で除去するようにしよう。ガソリンスタンドなどで行なってくれる、タイヤ表面からのパンク修理は応急修理なので、後でタイヤ専門店などでタイヤの内側からパッチを当てる修理をしてもらった方が安心だ。

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