ブードゥ教信者「ブードゥ教はカルトじゃない！」偏見と闘うブードゥ教信者の挑戦

ブードゥー教は17世紀、以前は各民族の異なる霊的な体系を信じていた奴隷にされたアフリカ人の間で統一的な宗教として創始された。しかし、当初から奴隷制の加害者たちが邪教と見なすなど、邪悪な魔術というプロパガンダに悩まされてきた。
カリブ海にあるマルティニーク島の奴隷主のメデリック・ルイ・エリー・モロー・ド・サン=メリーは、サン＝ドマング（後のハイチ）に住むアフリカ人を観察し、
「一言で言えば、あらゆる証言によると、このブードゥー教のカルトほど危険なものはない。
その聖職者は何でも知っていて何でもできる、という恐ろしい武器になり得る極端な考えに基づいている」と記している。
こうした決め付けは何世紀にもわたって受け継がれ、現代の大衆文化でも信者は黒魔術や悪魔崇拝を行う人々として描かれている。
（たとえば、アメリカ映画におけるブードゥー教の最も一般的な描写は、針を刺した人形を使って邪悪な呪文を唱えるというもので、儀式を間違った形で表現している）
しかし、アメリカのブードゥー教の一部の信者はこうした誤解を解き、この宗教について、自分たちの視点や声を取り戻そうとしている。
「友人を数人儀式に連れて行きましたが、ブードゥー教をハリウッド映画や白人の視点からではなく、別の形で理解してくれるようになりました」と、ピエール＝ルイは話す。
「ブードゥー教は自然を敬い、祖先を思い、ダンスや歌、太鼓を通じてリズムや振動を感じることに重きを置いています。ブードゥー教はエネルギーなのです」 ピエール＝ルイのように、ハイチ系アメリカ人の間で、ブードゥー教に関する悪いステレオタイプに異議を申し立て、
複雑な霊的体系と宇宙観を学ぶ自分たちのためのコミュニティを作ろうとする動きが活発になっている