7月10日、イタリアのフランチャコルタでFIAカート・ヨーロピアン選手権のOK/シニアクラス最終戦が行われ、このレースで2位となった中村紀庵ベルタ(KRモータースポーツSrl/Iame/MG)が、逆転で2022年のシリーズチャンピオンを獲得した。
昨年、FIAカート世界選手権OK/ジュニアクラスで日本人初のタイトルを獲得した中村は、2007年11月生まれの14歳。日本人の母とスロバキア人の父をもち、現在は父の仕事の関係でイギリスに住んでいる。
F1ドライバーを目指す彼は、Buzzドライバーマネジメントプログラムのサポートを受けるとともにアルピーヌ・アフィリエイト・プログラムにも所属しており、2021年からヨーロッパを中心に国際選手権に参戦してきた。
FIAカート世界選手権のジュニアクラスチャンピオンとなった中村は今季、ヨーロピアン選手権のOK/シニアクラスに参戦。最終戦フランチャコルタにはポイントランキング2位で乗り込んできた。
迎えた決勝、中村はポイントリーダーが下位に沈むなかフロントロウからスタートを切ったが、直後に集団に飲み込まれ9番手に順位を落としてしまう。しかし、そこから着実に順位を上げていき、8周目には3番手まで順位を回復してみせる。
そして最終的には2位でフィニッシュし、逆転でFIAカート・ヨーロピアン選手権OK/シニアクラスのシリーズチャンピオンを獲得した。これは前年の世界選手権ジュニアタイトルに続く日本人初の快挙だ。
「ドライバー同士の接触が多く、本当にタフなレースでした。スタート前から自信がありましたが、一番の難関はアウトサイドレーンからのスタートで順位を失わないことだと考えていました」
「優勝したアレックス(・パウエル/KRモータースポーツSrl/Iame/MG)が、あんなにも速いとは思わなかったです。それがゲームチェンジャーになったので、僕は2位でゴールすることに集中しなければなりませんでした」
このようにレースを振り返った中村の次なるターゲットは、9月15~18日にイタリアのサルノで開催される、FIAカート世界選手権での2年連続チャンピオン獲得だ。