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Googleは、Chromeで予定している「サードパーティCookie」の廃止を2024年後半に延期すると発表した。延期されるのは今回で2度目。もともとは2022年中を予定していたが、2021年6月に2023年後半へと変更されていた。

しばしばプライバシー関連で問題となるサードパーティCookieとは、ユーザーの検索結果やウェブの閲覧結果などから、各個人に適した広告を配信するために利用されているもの。プライバシー侵害の懸念から、ウェブ業界全体で脱サードパーティCookieの動きが進んでおり、Appleは2020年3月からSafariでのサードパーティCookieをブロックしている。

GoogleはサードパーティCookieに代わり、ユーザーに適した広告を配信する仕組みとして「プライバシーサンドボックス」を立ち上げている。当初そのAPIとして、FLoC(Federated Learning of Cohorts)を提唱していたが、ユーザーを特定できる可能性や、英国の競争・市場庁(CMA)から独占禁止法違反の可能性を指摘されるなど批判が高まり、2022年1月に開発を停止。新たに「Topics」と呼ぶ新技術のテストを開始した。Topicsはユーザーの閲覧履歴に基づき、「フィットネス」や「旅行」などの関心の高い項目(トピック)を選び、ユーザーデータの代わりにサイトや広告主に送信するというものだ。

その取り組み自体は、すでにCMAとも合意に達している。一方でサードパーティCookie廃止の延期に踏み切ったのは、Topicsを含むプライバシーサンドボックスを評価・テストするためにより多くの時間が必要とするフィードバックを受けたためだという。8月初旬からは、プライバシーサンドボックスAPIのトライアルユーザーを世界で数百万人に拡大し、2023年にかけてトライアルを拡大していくとしている。

Googleが公開したタイムラインによると、2023年第3四半期にプライバシーサンドボックスAPIの一般提供を開始し、2024年第3四半期以降にサードパーティCookieを段階的に廃止する予定だ。

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