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 ファンのために熱いレースを展開してくれるスーパーGTドライバーたち。SNS等でも散見されますが、所属するチームやメーカーによって差はあれど、多くのドライバーが“繋がり”をもっています。そんなGTドライバーたちの横の繋がりから、お悩みを聞くことでドライバーの知られざる“素の表情”を探りだす企画をお届けしております。今回はTGR TEAM KeePer TOM’Sの宮田莉朋選手から、TGR TEAM WedsSport BANDOHの阪口晴南選手に繋がりました。

 しばしばSNS等でも見られる、気になる2ショット。「へえ、あのドライバーたち、仲良いんだ」とファンの皆さんも驚くこともあるのでは。そんなGTドライバーの繋がりをたどりつつ、ドライバーたちの“素”を探るリレートークがこの企画です。これまでの連載は、まとめページを作りましたのでぜひご参照ください。

スーパーGTドライバー勝手にお悩み相談ショッキングの連載まとめページです。
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 前回(といってもちょっと間隔が開いてしまってスイマセン!)、宮田莉朋選手からたっぷり悩みをいただきましたが、その流れでお悩みが同い年の阪口選手に繋がりました。このコーナー始まって以来初の“2回目”の登場です。宮田選手の悩み、どう思いますか……? とりあえずいってみましょう!

* * * * *

■正直あまり気にしていないです。

──というわけで、まさかの2回目の登場ありがとうございます。莉朋さんからいろんな話を聞いてきたんですが、とりあえず彼は昨年結婚したわけですよ。
阪口晴南さん(以下阪口さん):あ〜はいはい、それで言うと(宮田莉朋選手の方が)先輩ですよね。

──そう。そうなりますわな。で、結婚をしたはいいけれど、いつかは引退ということも来るわけで、ずっとレーシングドライバーをしていられるわけでもなく、40歳後半になってきたらキャリアの終わりもみえてくるワケですよ。
阪口さん:そうですね。

──ただ莉朋さんは家庭を築いていくにあたり、『レーシングドライバー』という職業だけだと将来が不安ではないかと。そこで、『みんな副業とかはしていないんですかね』ということを言っていたワケです。そういう“漠然とした将来の不安”みたいなものをみんな持っていないのかと。莉朋さんから半年遅れくらいで結婚した晴南くんですが、そういった不安はある?
阪口さん:あ〜なるほど。なんか……すごく良い質問ですね(笑)。それでいうと、やっぱり独り身のときはもちろん自分がいつまでレースを続けられるか分からないですけど、怪我とかもあるかもしれない。でも、もしレーシングドライバーを続けられなくなった場合、言っても困るのは自分だけじゃないですか。なので、これまでまったく気にしていなかったのですが、たしかに結婚して家族ができると、やっぱり自分だけの話じゃなくなるんですよね。そこはたしかに気にして生活しています。

──まだ気にしているレベル? 具体的に何かしてる?
阪口さん:そうですね……。さっき副業の話がありましたけど、副業はしてなくて。それで言うと、ちょっといやらしい話ですけど、本業を思い切りやって、頑張って続けられるだけレーシングドライバーを続けた方が生活は楽なんじゃないかなと思います。逆に副業をやりだすと自分のレーシングドライバー生命が逆に短くなってしまうのではないかということもあります。そこが難しいところです。いちばん良いのは自分があまり動かずに所得があるのがいいですけどね。

──それ分かる〜。話ズレるけど、この業界にいるとそうやって稼いでる人たくさんいるじゃない。いわゆるジェントルマンドライバーの皆さんの話だけど、レースを楽しめるジェントルマンドライバーって、いやらしい言い方すると、自分が手を汚さなくてもお金が入ってくるような人たちじゃないですか(笑)。
阪口さん:(笑)。すごいな。このくだり使うんですか?

──だってホントだし(笑)。そういう意味では、ジェントルマンドライバーさんに取材するのがすごく好きで、人生勉強になる。『こうやって社会を渡っていけばいいんだ』という成功例の人たちだし。
阪口さん:それメッチャ分かります! 本当に感じますね。社会を広く見ていらっしゃる方たちなので、めちゃくちゃ勉強になることがあります。なので、やっぱり憧れはありますね。身近にそういう方がいらっしゃるのでとても勉強になるし、憧れます。

 で、その上で(莉朋の)質問の答えとしては『あまり気にしていない』です。

──だよね。彼は絶対に気にしすぎなんだよね。
阪口さん:(莉朋は)すごく繊細で頭も良くて、すごく先のことを見据えてできる人なので、よけいそういったことが気になるんだと思います。将来のことは分かりません。正直、今楽しく仕事ができて生活もできて『これでOK!』という感じを長く続けられるように努力をしている……みたいな感じですかね。今はレースしているのがメチャクチャ面白くて、それが仕事になっていますし、老後のことがチラつかない……ことはないですけど、正直気にしていないです。

──まだ22歳だしね。
阪口さん:でも今の20代はみんなすごいですよ。めっちゃ考えていて、それはすごいなと思います。正直、今の世界情勢や、現在もそうですけどコロナなどは誰も予想できなかったですし。お偉いさんたちはもしかしたら予測していて事前に動いたのかもしれないですけど、やっぱり一般庶民には分からない。だから今の自分の人生を楽しむのが第一でいいと思います。

──莉朋さんは、もし今年またコロナ禍になってレースができなくなったら『もう死んじゃいますよ』という勢いだったのですが、晴南くんはそうなったらそのときに考えるタイプ?
阪口さん:そうですし、もしそうなったときに莉朋は、また他で何かを頑張って成功できる人間だと思います。『絶対そんなことない!』と言うかもしれないですけど、やっぱり“選手”である以上、何かしらそういったことが長けてるから、こうやってレーシングドライバーになれている。だからアドバイスで言うなら、自分の能力にもっと自信をもった方が良いと思います。

今季国本雄資とともにWedsSport ADVAN GR Supraをドライブする阪口晴南
今季国本雄資とともにWedsSport ADVAN GR Supraをドライブする阪口晴南
2022スーパーGT第2戦富士 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
2022スーパーGT第2戦富士 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)

■このコーナー、最終回……!?

──では莉朋さんのお悩みは解決ということで。晴南くんは以前のお悩み相談以外に悩みはありますか?
阪口さん:前の取材のときは結婚前ですよね?

──そうだね。何か別のお悩みは出てきましたか?
阪口さん:あまりないですね。

──幸せいっぱい夢いっぱいな日々?
阪口さん:当然男女なので、仲が良いとは言えど、たまにケンカはします。けどケンカしない方がおかしいですし、性格も全然違いますし性別も違います。それも込みで人生楽しんでいます。悩みだと、シーズン前半の成績が悩みです。スーパーGTは予選はもうぜんぜん悩みなくという感じですけど、決勝は悩みもありますし、スーパーフォーミュラに関しては、前回やっと(この取材は第4戦オートポリスの後でした)という感じでしたけど、それまでの悩みは本当に根深かったです。やっぱり、その悩みが今はいちばん多いかなと思います。私生活でそこまでないです。

──じゃあ、誰か悩んでそうなお知り合いドライバーを紹介して下さい。
阪口さん:もうパッと浮かびましたよ。

──誰?
阪口さん:SFで同じように苦戦している方がいらっしゃるじゃないですか。昨年は2回優勝できましたけど、今年はポイントを獲れていない方(その後ポイント獲得を果たしました)。でも過去にこのコーナー出てますもんね。

──福住仁嶺さんね。出ましたねぇ。
阪口さん:お悩み相談を悩んでそうな人にしてもダメなのか。余計にこんがらがっちゃいそうですね(笑)。他メーカーさんのドライバーの方が企画的に良いですか?

──いや、別にこだわらないかな。スーパーGTドライバーだけが縛り。
阪口さん:どうしようかな~。難しいな……。平川(亮)さんは回りました?

──平川さんは今年はスーパーGTドライバーではないんですよ。
阪口さん:あっ。そうだった! え~どうしよう。誰かいますか?

──う~ん。GT500は大体回った感がある。
阪口さん:(山本)尚貴さんは出ました?

──出たねぇ
阪口さん:出たんですか? う~ん。(佐々木)大樹くんは!?

──まだ登場してない。
阪口さん:回ってないですか!? じゃあ良いんじゃないですか?

──えっ? お悩みとかは特になくて、なんとなく大樹くんに回す感じ?
阪口さん:……悩みかぁ(苦笑)。

──ちなみに晴南くんは大樹くんとけっこう長い付き合い?
阪口さん:何の知り合いというわけではないですけど、カートからずっと仲が良かったです。仲は良いんですけど、ただ仲が良すぎて、別に悩みをぶつけるほどでもないという(笑)。どうしようかな。あれじゃないですか、今回で『スーパーGTお悩み相談ショッキング』は完結ということで! 僕に2周目が来ましたし完結で、次回から変えるとかはどうですか?

──新しいコーナーにするということ?
阪口さん:次のドライバーに繋ぎはするけど『お悩み』から何かに変えるとか。でもお悩み以外に繋げられる話題もないか。

──ただの“ショッキング”になっちゃいますがな。
阪口さん:それで言うと、僕は莉朋の質問にうまく答えることができなかったじゃないですか。逆に大樹くんはかなり頭が良いので、資産形成について伺いましょう。数字すごく詳しいので、たぶん何かしらアドバイスをいただけると思うし、僕や莉朋よりも世代としては上なので、勉強になることがあるんじゃないかなと思います。

──なるほど。人生設計的なところですね。
阪口さん:大樹くんは未来予想をすごくしてそうなイメージがあるので『レーシングドライバーのセカンドライフ』みたいな、その想像していることをぜひ教えて頂けたらと思います。

──それでいこう。
阪口さん:それでいきましょう。完璧ですね(笑)!

* * * * *

というわけで、次回はリアライズコーポレーション ADVAN Zの佐々木大樹選手に繋がりました。ひさびさのニッサンドライバーの登場ですよ! まだ取材はできていませんが、どんな内容になるのかお楽しみに!

2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーフォーミュラ第6戦富士 阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 阪口晴南と坂東正敬監督(WedsSport ADVAN GR Supra)
2022スーパーGT第3戦鈴鹿 阪口晴南と坂東正敬監督(WedsSport ADVAN GR Supra)