日本ではある用途のための装置などを備えた自動車を「特装車」と呼んでいます。トラックはたいがい特装車というわけです。しかも世界には、日本と同じだったり違ったりユニークだったりスゴかったり、いろんな特装車が存在します。
トラックマガジン「フルロード」では、そんな特装車を紹介する「世界の特装車」を絶賛連載中ですが、ベストカー読者の皆さまにもこの底なし沼の一端を味わっていただこうではありませんか…!!!!
※本稿は2022年5月のものです。本文中「GVW」は「車両総重量」、「GCW」は「連結総重量」の略語となります
文／緒方五郎（トラックに詳しいフリーライター）、写真／トラックマガジン「フルロード」編集部
初出：『ベストカー』2022年6月10日号
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■世界の大型ダンプをセレクト
特装車界の超メジャープレイヤーであるダンプは、世界のどこでも土砂を運んで荷台を傾けて荷降ろしするのは共通でも、ベース車、荷台構造および形状、車両法規、そして国情から、そのスタイリングは意外と違いが多い。
ここでは日本のダンプと比べ、一味も二味も異なるムードを持つ世界の大型ダンプをセレクトした。
ところでこの写真からはわからないが、日本と海外では、荷台を傾斜させる「ホイスト装置」が違う場合が多い。
日本は荷台床下の油圧シリンダで持ち上げるが、海外は長尺のテレスコピック式油圧シリンダで荷台の先端を持ち上げる方式が多用される。後者は荷降ろし操作に時間は掛かるが、安定性がより高いからである。
【チェコ】タトラ フェニックス8×8
チェコの総輪駆動・総輪独立懸架のトラックメーカー・タトラのT148フェニックスをベースに、スロバキアのVSモント製ハーフパイプダンプボディを架装。
【スウェーデン】ボルボ FH16 10×4/6
FH16をオランダのテルベルクが10×4化したシャシーはGVW56t。スタイリッシュなダンプボディは、ポーランドのKHキッパー製のハーフパイプダンプだ。
【中国】中国重汽 豪瀚N6G 6×4
中国の五大トラックメーカーの一つ、中国重汽の豪瀚N6GのGVW25tダンプ完成車。鉱山の採石運搬用で深あおりの角底ダンプボディを架装している。
【インド】タタ・LPK1923 4×2
LPK1923は、インドのトラック最大手メーカー・タタのGVW19t・4×2ダンプ完成車。テレスコホイスト式の深あおり角底ダンプボディもタタ製である。
【オーストラリア】いすゞFYX350 10×4
いすゞの海外専用モデル・FYXベースのGVW35tダンプ。豪州のシャウX製押出板式ダンプボディを架装したもので、荷台を上げずに積荷を降ろせる。
【アメリカ】ケンワース T880 6×4スーパーダンプ
米国の一部の州では、単車ながらトレーラ同等の大積載量を備える「スーパーダンプ」が認可されている。写真はケンワースのクラス8コンベンショナル・T880 6×4をベースにエキストラアクスル3軸とタグアクスル1軸を追加、最大積載量25t、GVW36tを実現したもの。荷台はOSW社のテレスコホイスト式耐摩耗鋼製ハーフパイプダンプで、アスファルトを積載する。
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投稿 ボルボ・タタは実はダンプも作ってる?? いすゞモデルも登場 世界の特装車 ダンプ編 は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。