8月4日、今週末の7日日曜まで4日間にわたって開催される、WRC世界ラリー選手権第8戦『ラリー・フィンランド』のシェイクダウンが行われ、地元フィンランド出身のカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)がベストタイムをマーク。同じく母国イベントに臨むエサペッカ・ラッピ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が2番手に続き、トヨタのフィンランド勢が幸先よくワン・ツーを占めた。
前戦エストニアで勝利し、今季の戦績を7戦5勝として母国の超高速グラベル(未舗装路)ラリーの開幕日を迎えたロバンペラ。21歳のフィンランド人は、早朝の降雨とセッション序盤まで残った小雨の影響で、湿った路面コンディションとなった競技前のテストセッションから優勝候補たるスピードを発揮してみせた。
ただし、もうひとりの優勝候補である2017年大会のウイナー、ラッピも負けてはいない。最終的には2番手となったフィンランド人ドライバーは、全長4.48kmのテストステージでの1走目でトップタイムを記録すると、続く2走目もオット・タナク(ヒョンデi20 Nラリー1)と並ぶ暫定ベストをマークする。
さらに3回目の走行でも、ドライバー選手権首位を独走するチームメイトに競り勝つ1分56秒6を記録していた。
双方がここでセッションを打ち切ればラッピの勝利だったが、ロバンペラは4走目へ。そして、このランによって1分56秒1を記録。この結果、チームメイトのタイムをコンマ5秒上回りシェイクダウン最速の男となっている。
「クルマのフィーリングはいいし、プレッシャーも感じていない」と語るのは、母国戦初優勝を狙うロバンペラ。
「みんなが応援してくれるのを見ると興奮する。良い週末になることを願ってるよ」
ふたりのフィンランド人ドライバーに続いたのはタナクだ。ラッピとはコンマ4秒差、トップとのタイム差は0.9秒だった。日本人WRCドライバーでフィンランド在住の勝田貴元(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、タナクから0.4秒遅れた1分57秒4というタイムを記録し4番手に入った。
5番手にはエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)がつけ、トヨタ勢がトップ5のうち4枠を埋める結果に。6番手には1走目にスピンがあったオリバー・ソルベルグ(ヒョンデi20 Nラリー1)が入り、ここまでが1分57秒のタイムを記録している。
1分58秒1をマークしたクレイグ・ブリーン(フォード・プーマ・ラリー1)はMスポーツ・フォードWRTの最上位となる7番手。チームメイトのピエール-ルイ・ルーベ(フォード・プーマ・ラリー1)がトップ8入りを果たした。
この後方では、ドライバーズランキング2位につけるティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)、Mスポーツのアドリアン・フルモー(フォード・プーマ・ラリー1)、母国戦でラリー1デビューを果たすヤリ・フッツネン(フォード・プーマ・ラリー1)、最上位クラスでは唯一2分台のタイムとなったガス・グリーンスミス(フォード・プーマ・ラリー1)が続いている。
ラリー・フィンランドの競技初日は、この後19時過ぎ(日本時間5日2時過ぎ)からユバスキュラの市街地で、グラベルとターマック(舗装路)がミックスしたSS1“ハルユ1”が行われる予定だ。
■2022年WRC世界ラリー選手権第8戦ラリー・フィンランド シェイクダウン結果
Pos. | No. | Driver | Machine | Gap |
---|---|---|---|---|
1 | 69 | K.ロバンペラ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | 1’56.1 |
2 | 4 | E.ラッピ | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +0.5 |
3 | 8 | O.タナク | ヒョンデi20 Nラリー1 | +0.9 |
4 | 18 | 勝田貴元 | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.3 |
5 | 33 | E.エバンス | トヨタGRヤリス・ラリー1 | +1.6 |
6 | 2 | O.ソルベルグ | ヒョンデi20 Nラリー1 | +1.7 |
7 | 42 | C.ブリーン | フォード・プーマ・ラリー1 | +2.0 |
8 | 7 | P-L.ルーベ | フォード・プーマ・ラリー1 | +2.4 |
9 | 11 | T.ヌービル | ヒョンデi20 Nラリー1 | +2.4 |
10 | 16 | A.フルモー | フォード・プーマ・ラリー1 | +2.7 |
11 | 68 | J.フッツネン | フォード・プーマ・ラリー1 | +3.1 |
12 | 44 | G.グリーンスミス | フォード・プーマ・ラリー1 | +4.2 |
※リザルトは編集部集計