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>分譲地に一歩足を踏み入れて、最初に目につくのは空き地の多さだ。季節は夏なので、どの空き地も猛烈に雑草が繁茂しているが、これは家屋が取り壊されて更地にしてあるのではない。大部分が分譲当初から今日まで一度も家屋が建てられることもなかった空き区画である。分譲から7年後の撮影であるが、大半が更地で、住宅建築はほとんど進まなかった模様が確認できる。この光景を見ると、立地が不便だから分譲はしたものの販売が振るわず、空き地のまま売れ残っているのだと考える方がいるかもしれないが、それは大きな誤解である。この富里市の分譲地に限らず、この時代に販売された分譲地は、いったんは完売しているのが常である。よほど特殊な事情でもない限り完売する。北海道の原野であろうとも。各エンドユーザーの手に渡った区画が、その後の土地ブームの収束と地価下落で流動性を失った。家屋は建たず、活用されずに放置されているのだ。
衰退したんじゃなくて発展しなかったのか。