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 累計生産台数2050万台以上を誇る、世界を代表するコンパクトカー フォルクスワーゲン「ポロ」。2018年に6代目へとフルモデルチェンジを果たし、MQBプラットフォームを初採用してから早4年。今回マイナーチェンジを施し(2022年6月)、乗り心地がさらに進化させたポロを島崎七生人氏がレポート!

※本稿は2022年6月のものです
文/島崎七生人、写真/ベストカー編集部 ほか、撮影/平野 学
初出:『ベストカー』2022年7月26日号

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■マイナーチェンジした6代目ポロは外観、エンジン、運転支援を一新

6月23日にマイナーチェンジされたフォルクスワーゲン ポロを一足はやく試乗。MQBプラットフォームを初採用してから4年、乗り心地が各段に進化

 昨日の夕食が何だったか思い出せなくても、1996年に日本への本格導入が始まった最初のポロ(=第3世代)の印象は今でもシッカリと覚えている。

 クッキリと垢抜けたスタイルとゴルフに迫る実用性、小気味よい走りに、当時、いたく感銘を受けたからだ。

 ちなみにポロは、これまでグローバルで2050万台以上の累計生産台数を誇り、日本国内では約30万台の累計販売台数だそう(どちらの数字も派生車含む)。

 今回のモデルは、実態としては2018年3月導入の第6世代のマイチェン版。

「○箇所以上の改良……」といったVWからの説明はないものの、大きくは3つ、外観デザインの刷新、最新世代の1.0TSIエンジンの採用、上級モデル並みの先進安全技術の採用がポイントだ。

 外観では前後のランプ、バンパー回りが新デザインに。フロントはヘッドランプには新デザインのIQ.LIGHT(LEDマトリックスヘッドライト)を採用し、グリルの下側に横一文字に繋がって光るシグネチャーが新しい。

 が、デザインは従来型よりむしろシンプルなほどで好感がもてた。

 リアコンビランプも、テールゲート側までランプを拡大させ、ゴルフ8に通じる雰囲気に。“流れるウインカー”も新採用された。

リアビュー。価格はTSI Active Basicが257万2000円、TSI Activeが281万1900円、TSI Styleが324万5000円、TSI R-Lineが329万9000円となる

 インテリアも大枠では従来型を踏襲しており、空調パネルが従来型の物理ダイヤル&スイッチから、最新世代の指でなぞるパネルにコソッと(失礼!)変えられた。

 インフォテイメントシステムのタッチスクリーンは従来の8インチから9.2インチに拡大。

 細部ではATのシフトレバーが新しく、ノブの頭にポジションインジケーターが点くタイプに。予防安全では駐車支援関係の機能が標準化された。

 搭載エンジン(EA211evo)は従来型同様の999ccの3気筒DOHCターボで、ミラーサイクル化、バリアブルターボジオメトリー機構の搭載などが新しい。

 スペック(95‌ps/17.9kgm)は不変で、最大トルクの発生回転が400rpm低い1600rpmからとなった。

 で、走らせると、よかった。

 試乗車は17インチタイヤ&スポーツサスペンションの“R-Line”。当日の取材班3名は日頃の行ないはとてもいいはずだが、生憎の雨と霧。

 が、そんなコンディションでもポロは危なげなく走ってくれ、安心してドライブができることが確認できた。

 とりわけR-Lineのサスペンションは、試乗前の予想に反して少しもハードな印象はなく、速度を問わず乗り心地は良好で、しなやかなハンドリングと上手くバランスさせている。

 またパドルシフトが使えるエンジンも、7速DSGを介して、ちょうどいい動力性能を爽快なパワー感とともに味わわせてくれた。

 “R”の文字がつくグレード名ながら、ヤル気満々過ぎないルックスも好感が持てるし、個性を打ち出すラテン系のライバル各車とはひと味違うポロの“基準車感”に、改めてよさを実感した次第だ。

■フォルクスワーゲン ポロ TSI R-Line主要諸元
・全長:4085mm
・全幅:1750mm
・全高:1450mm
・ホイールベース:2550mm
・重量:1190kg
・パワーユニット:999cc、直3DOHCターボ
・最高出力:95ps/5000-5500rpm
・最大トルク:17.9kgm/1600-3500rpm
・WLTCモード燃費:17.0km/L
・トランスミッション:7速DSG
・価格:329万9000円

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