iPhoneなどのアップル製品は、金属からガラス素材に移行する傾向にあり、耐久性の低下と引き換えにワイヤレス充電に対応するなど様々な機能が追加されてきた。同社がこの流れをMacBookにも導入し、キーボードにガラス素材を使う可能性を示す特許を取得したことが明らかとなった。
米特許商標庁(USPTO)がアップルに承認した特許は、MacBookのキーボードに曲げられるフラットガラス素材を使うものだ。この種のガラスは、強度を保ちつつ薄くすることができ(たとえば40ミクロン以下)、タイプされたときなど小さな力に応じて、僅かに形を変えられる柔軟性を持たせられるという。
こうして少したわむことで、可動部分のあるキーボードに近い凹みなどを実感でき、分厚いガラスや柔軟性の低いガラスよりも満足度の高いタイピング体験を提供できるかもしれないという。つまり、真っ平らな板を叩いている味気なさが薄められるということだろう。
さらに力が加わって変形することで、タッチスクリーンよりもソフトな打鍵感(指に返ってくる衝撃が少ないなど)が得られるかもしれない、とのことだ。
この特許には書かれていないが、テックメディアWccftechはMacBookの一部がガラス製になることで、他の機器をワイヤレス充電できる可能性を指摘している。これまでのアルミニウムなどの素材では無理だったが、ガラスが使われるなら無線充電の道が開ける、というわけだ。
実際、アップルは以前もMacBookからiPhoneやApple Watchなどをワイヤレス充電可能にする特許を出願していたことがある 。しかし、ガラス製の部分が多くなれば、それだけ落下などの衝撃に弱くなることにも繋がるため、慎重に検討されているのかもしれない。
またキーボードをスキマのないガラス製にすれば、液体やホコリ、ゴミなどの侵入にも強くなる。かつてMacBookに採用された、バタフライ式キーボードに故障が多かったため集団訴訟が起こされていた最中、アップルは今回のものとは別のガラス製キーボード特許を取得したことがあった。
アップルのようなハイテク大手は大量の特許を申請および取得しており、この特許も「ガラス製キーボードを持つMacBookが発売されること」を保証するものではない。とはいえ、同社がガラス素材を好んで使うことも事実であり、何らかの形で将来のMac製品に反映される可能性もありそうだ。
- Source:Wccftech