今年の夏ごろのリリースが予定されており、すでに多くの自動車メディアでも実車の試乗記などが出始めている新型フェアレディZ。ただ、世界的な半導体不足の影響や、新型コロナウイルス感染症の拡大による物流の停滞などもあって7月末を持ってアリアと共に一旦受注停止となるというニュースが流れているのはご存知の通りだ。
しかしすでにその影響による納期遅れは深刻なものとなっているようで、一部の販売会社では先行して受注を停止しているところもあるという情報をキャッチした。日産広報から正式な回答は得られなかったが、やっと出た大型モデルの今後はどうなるのよ!!
文/ベストカーWEB編集部、写真/NISSAN
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■新型Zの納期が4年!? 法規制のリミットも4年しかないゾ
今回話を聞いた首都圏の日産販売店ではすでに受注を停止しており、先行して注文を入れることができたユーザーに対しても、納期が4年ほどとなる可能性がある旨をアナウンスしているとのこと。
これは前述した世界的な半導体不足などの影響によって生産台数が絞られている上に、メイン市場となる北米向けにそのリソースの多くが割かれているためのようで、その販売会社はすでに数百台の受注を受けているにもかかわらず、年内に割り当てられている車両はその1/10にも満たないという状況だそうだ。
そしてもし実際に納期が4年以上となると、気になるのが「衝突被害軽減ブレーキの義務化」である。新型フェアレディZは新型とはいえ車両型式的には先代モデルのマイナーチェンジという扱いとなっており、継続生産車という形になっている。
そのため、2026年7月までは衝突被害軽減ブレーキが装着されていない車両も販売できるわけだが、そのタイムリミットがまさに今からおよそ4年後ということになる。
■現状の先進装備だと4年後の法規制にクリアできず
新型フェアレディZには衝突被害軽減ブレーキ(インテリジェント エマージェンシーブレーキ)が備わっているのだが、義務化となる衝突被害軽減ブレーキは、「静止車両に対して、時速40kmで向かっていったときに衝突しないこと」、「時速20kmで走行する車両に対して、時速60kmで走行中に衝突しないこと」、「時速5kmで道を横断する6歳児相当のダミー(身長115cm)に時速30kmで向かっていって衝突しないこと」などのクリアしなければならない規定がある。
また、対象物も「停止車両」、「走行車両」、「歩行者」に加え、「自転車」も対象となるのだが、フェアレディZの衝突被害軽減ブレーキの説明には「自転車」に対応している旨が記載されていないため、このままではこの規定をクリアすることができず、販売できないということにもなりかねないのだ。
そうなると、これ以上受注を受け付けても納車することができないという最悪のシナリオも想定されるため、発売前に受注停止という苦しい判断をしたとも考えることができる。
■終売になる可能性も!? 近頃の人気車みたいにプレミア価格とならないことを切望
当然、日産も自社のアイコンのひとつであるフェアレディZをそのまま終売させるワケにはいかないだろうから、それまでに改良型をリリースできるように動いていることだろうが、もしかすると改良前の新型フェアレディZはこのまま姿を消してしまう可能性もゼロではないだろう。
もちろん今後部品の供給遅れなどが解消すれば、そんな心配も杞憂に終わるということになるのだが、残念ながら現時点ではその見通しも立っていないというのが現状。近年の人気車両のように法外なプレミア価格で取引されることなく、欲しい人すべてに平等にクルマが行き渡る日が一日でも早く来ることを祈りたいものだ。
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