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<p><独自>国際ロマンス詐欺の手配犯、ガーナで拘束 大阪府警、詐欺容疑で逮捕へ</p><p><独自>国際ロマンス詐欺の手配犯、ガーナで拘束 逮捕へ 大阪府警によると、容疑者は平成30年8月からガーナに滞在していたとみられ、現地を拠点とする国際犯罪グループに所属。日本人メンバーの取りまとめ役として、全国の男女65人から総額約4億円を詐取したとみている。</p><p>交流サイト(SNS)などで外国人などを装い、相手に恋愛感情を抱かせ現金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」に関わったとして、大阪府警曽根崎署捜査本部が国際手配して…</p><p>交流サイト(SNS)などで外国人などを装い、相手に恋愛感情を抱かせ現金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」に関わったとして、大阪府警曽根崎署捜査本部が国際手配していた住所、職業不詳の森川光容疑者(58)が、潜伏していた西アフリカのガーナで現地当局に身柄を拘束されたことが31日、捜査関係者への取材で分かった。今後日本に移送され、府警が詐欺容疑で逮捕する方針。 府警によると、森川容疑者は平成30年8月からガーナに滞在していたとみられ、現地を拠点に活動する国際犯罪グループに所属。府警は日本人メンバーの取りまとめ役として、全国の男女65人から総額約4億円を詐取したとみている。府警は今年5月18日、国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配したと明らかにし、森川容疑者の顔写真などを公表する「公開捜査」に踏み切っていた。 捜査関係者によると、公開捜査から約1週間後、森川容疑者から捜査本部に電話で「被害弁済の金が用意できるまで帰れない」などと連絡があった。以降も数回にわたって電話連絡があり、やり取りの内容などからガーナでの滞在先を特定。ガーナ当局が7月20日午前(日本時間)、不法滞在の疑いで森川容疑者の身柄を拘束したという。 府警は一連の事件で、これまでに詐欺容疑などで、2月に病死した指定暴力団住吉会系組長の男=当時(56)=ら日本人やガーナ人、カメルーン人の男女計15人を逮捕、書類送検した。15人は外交官や弁護士などになりすまし、SNSで親密になった被害者に宝石の送料名目で口座に入金させるなどしたとされる。振り込ませた金はマネーロンダリング(資金洗浄)され、大半はガーナに送金されたことが確認されていた。 森川容疑者自身は、共謀し令和元年8月~2年9月、米国人女性ライターなどを名乗り、男性2人から計約149万円を詐取した疑いで手配されている。 公開捜査が奏功、容疑者自ら府警に電話 国際手配された森川光容疑者がガーナで拘束された大きな要因は、大阪府警が容疑者の氏名や顔写真などを公表する「公開捜査」に踏み切ったことだ。交流サイト(SNS)などを通じて世界中で手配を知ることができ、ガーナにいた容疑者は公開捜査を知って自ら府警に接触してきたという。捜査関係者は「プレッシャーをかけるという点で、公開捜査は海外に滞在する容疑者にも有効のようだ」と強調する。 警察庁などによると、公開捜査の適用基準は、殺人や強盗などの凶悪犯罪▽犯行の手段が悪質で被害額が多額にわたるもの▽社会的反響が大きい-などの条件に当てはまる事件で、国内に潜伏する逃亡犯が主な対象だ。一方、情報収集が困難という理由などから国外逃亡した容疑者はこれまで公開捜査の対象になりにくく、所在の把握には国際刑事警察機構(ICPO)を通じた国際手配が有効な手段とされてきた。 ただ、SNSが年々普及する中、府警は公開捜査で世界中に情報を広げることで、森川容疑者を追い詰める手法も有効だと判断した。府警はガーナでの詳しい潜伏先を把握していなかったが、公開捜査から約1週間後に容疑者本人から府警に電話があり、捜査は一気に前進。電話を通じて本人から事情を聴き、各国のICPO間で迅速に情報を共有することで、ガーナ当局による身柄拘束に至ったという。 犯罪捜査に詳しい近畿大の辻本典央教授(刑事訴訟法)は「容疑者を精神的に圧迫して追い詰めることができるのが公開捜査の強み」とし、「国外にいる容疑者に対しては適用される機会が少なかったが、成功例さえあれば捜査手法として今後主流になる可能性もある」と述べる。</p>