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第13回国際R-M®ベストペインターコンテストがフランスのクレルモン・ド・ロワーズにあるR-M®リフィニッシュコンピテンスセンターで開催となった。我々は日本代表の片岡雅也選手(中央自動車鈑金工業所/阪神サンヨーホールディングスグループ)の活躍をレポートする。

昨日はもう何日もこの町にいるような気分になっていたが、今朝はもう最終日。朝から冷たい小雨が降っている。

昨日塗装2種目を含む3種目を悔いなくやり切った片岡選手は、あとはなにか面白いことをやってやろうという気分でこの日を迎えた。

競技1種目目は「製品選択」

「製品選択」では、下地処理工程をいかに適正な用品で、効率よく、サスティナブルに行うかが問われる競技。実際にはクルマによって異なる基材、異なるダメージがあるので、競技では、課題として設定された3つの状況において、それぞれ違うブランドの資材・製品を選択する。どのブランドでも基本機能は同じなので、ブランドに惑わされず適切な製品を選択できることが審査される。実際に作業をするわけではないので、作業に使用する製品のパッケージや製品の一部を選んで机上に並べていくというものだ。

身長2メートル級のアンドレアスから作業内容の確認が行われる。

「日本の国内決勝は、実際の製品ではなく、製品の絵柄の入ったカードが使用されたのと、製品の使用順も問われたのでかなり難易度が高かったです。今回は実際の製品が目の前にあったのと、製品選択するだけで使用順は問われなかったので、かなり気持ちに余裕がありました」と片岡選手は競技を振り返りました。

製品を模したカードではなく、実物が並べられていたため、気持ちに余裕ができた。

競技2種目目は「マスキング」

マスキングした後にクルマをブースに押して搬入することを想定した、左リアドアと右フロントフェンダーへの補修のためのマスキング。片岡選手にとっては最後の種目となるマスキング。6月上旬の親善試合では時間が不足して悪戦苦闘した印象があるが、その後片岡選手は自分の強みである現場感覚を重視して、競技に臨むことを心に決めてフランスに来た。今回の競技ではすべての最新マスキング資材がそろっていたわけではなく、目の前にある資材で工夫して、効率よくまた廃棄量を少なくするように努めることが要求された。片岡選手が思い描いた現場感覚の効率性と、アイデアには審査員のラルフも感心していたのだが、果たしてどのような審査結果となっているのかはまだわからない。

左側後席ドアを修復するためのマスキング作業をする片岡選手と審査員のラルフ。

競技を終えた8名の選手たちは、集合写真の撮影に臨んだ後、昼食をとり、R-Mの最新製品情報に関するプレゼンテーションに聞き入った。

後列左から時計回りに、ポルトガル代表ケビン、ベルギー代表セドリック、日本代表片岡選手、ポーランド代表クリストフ。ドイツ代表ヨゼフィーヌ、フランス代表シルヴァン、スペイン代表クリスティアン、イタリア代表アンドレア。

【速報】表彰式

一同表彰式会場のモリエンヴァル修道院に移動。朝から降り続いた冷たい雨も一瞬止み、選手も関係者も全日程を終えてほっとした表情でワインを片手に談話した。そしてついに結果発表。

【結果速報】
1位 アンドレア・アルベルトーニ (イタリア)
2位 ヨゼフィーヌ・エルヴァイン (ドイツ)
3位 片岡 雅也(日本)

片岡選手は3位でした!おめでとうございます!
優勝はイタリア代表のアンドレア、準優勝はドイツ代表のヨゼフィーヌでした。

2020年に片岡選手が日本代表に決定して以来、この2年もの間どうやってモチベーション管理してきたのか、それは並大抵なことではなかっただろう。R-Mが主催するベストペインターコンテストは、塗装技術だけでは評価されない。作業効率を上げるための知識、技術、アイデアを高いレベルで具体化し、デジタルツールの活用も含めて、サスティナブルな塗装プロセスを推進できることも問われている。ここで高い評価を得た片岡選手は“正にエキスパート”なのだ。

以上現場から速報です。3日間ご声援ありがとうございました!

両目が入りました!

【第13回国際R-M®ベストペインターコンテスト日本代表】
片岡 雅也(Masaya Kataoka)
ペインター歴10年
株式会社 中央自動車鈑金工業所/阪神サンヨーホールディングスグループ所属

なお、我々アウトビルトジャパンは、日本に帰国して、尼崎での日常業務に戻った片岡選手を取材する予定だ。将来への想いや、初参加のベストペインターコンテストの様子、裏話、好成績を収めた秘訣など聞ければと思っている。乞うご期待!

Text:アウトビルトジャパン
Photo:BASFジャパン