<p>最新空母進水も関係なし、中国で懸念すべき「船」とは</p><p>最新空母進水も関係なし、中国で懸念すべき「船」とは</p><p>中国は先ごろ、3隻目となる最新空母を進水させ、海軍の野望を大々的に発表した。現時点で中国史上最大にして最新鋭、かつ最強の空母「福建」は、世界最大の海軍を目指す中国の軍備拡張の頂点に輝く排水量8万トンの至宝だ。 – (1/3)</p><p>現時点で中国史上最大にして最新鋭、かつ最強の空母「福建」は、世界最大の海軍を目指す中国の軍備拡張の頂点に輝く排水量8万トンの至宝だ。 専門家も言うように、「電磁式カタパルト」などの搭載された最新戦闘システムからも中国が急速に米国との差を縮めていることが分かる。今後はより多くの弾薬を積んだ、より多くの戦闘機を、より迅速に発艦させることができるようになるだろう。 それだけでも、仮想敵国を躊躇(ちゅうちょ)させるには十分だ。日本との東シナ海問題、東南アジア諸国との南シナ海問題で中国が侵略行為をエスカレートし、台湾にも再三にわたって嫌がらせをしている事実を考えればなおさらだ。台湾に関しては、中国は侵攻も辞さないと断言している。 中国がライバル国へのメッセージとして福建を鳴り物入りで送り出したのは明らかだが、誇大宣伝をうのみにするのは早いと専門家は警戒している。 第一に、米海軍の元大佐で、米太平洋軍統合情報センターの作戦責任者を務めたこともあるカール・シュスター氏によれば、福建が就役するまでにはあと3~4年はかかりそうだ。就役した場合でも、あの大きさでは簡単に標的にされるだろう。これほど象徴的な艦船が沈没すれば、中国にとっては軍事的惨事であることはもちろん、士気の低下にもつながることは、どんな敵でも十分承知しているだろう。 また単純な事実として、空母というものは見た目にはインパクトがあるものの、専門家の間で近い将来起こりうる可能性が高いといわれる紛争にとっては必ずしも最適だとは限らない。その例が東シナ海や南シナ海での衝突、台湾の侵略だ。 専門家は、とりわけ福建に関しては、たしかに中国最大の船かもしれないが、おそらく現時点では米海軍司令官にとって最大の問題ではないと言う。 055型駆逐艦=2021年10月、西太平洋/Sun Zifa/China News Service/Getty Images 055型駆逐艦 2017年に進水した1万3000トンのステルス誘導ミサイル駆逐艦は、世界最強の水上戦闘艦ともっぱらの評判だ。 北大西洋条約機構(NATO)の基準では巡洋艦に該当するほど大きな055型は、対艦ミサイルから地上攻撃用の長距離ミサイルに至るまで、あらゆるミサイルを発射できる垂直発射筒を112基搭載している。 米シンクタンク「ランド研究所」の上級アナリスト、ティモシー・ヒース氏は18年、CNNに、「とくにこの船は洗練されたデザインで、ステルス機能、レーダー、広いミサイル庫を備えている。日米韓の大半の駆逐艦よりも大型で強力だ」と語った。中国は当時、055型を1日に2隻、進水させた。目覚ましい造船能力の証しだった。 米議会調査局が今年3月に公表した報告書によれば、少なくとも10隻の055型がすでに進水済み、または建造中だと思われる。 台湾問題をめぐって緊張が高まる中、5隻の現役055型のうち、2番目に就役した「拉薩(ラサ)」が軍事演習のために日本海に配備された。このニュースは先ごろ、中国の国営英字紙グローバル・タイムズで大きく取り上げられた。 「台湾問題をめぐって日米が繰り返し中国を挑発する中、この軍艦は運用能力をすべて実現し、台湾海峡で想定される仮想敵国の干渉を抑制できることを証明した」とグローバル・タイムズ紙は報じた。 055型の潜在力は、4月にソーシャルメディアに投稿された映像でも強調された。映像にはミサイル発射の様子が映っていたが、海軍アナリストのH・I・サットン氏によれば、「空母キラー」と呼ばれることも多い超音速対艦弾道ミサイルYJ―21だった。 グローバル・タイムズ紙はこの映像を受け流し、ミサイルは中国の防衛戦略の一環だと述べた。</p>