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ハイエース アルファード ランクルプラド パッソ いずれ劣らぬトヨタのロングセラー4台が愛され続ける理由

 アルファード、ランクルプラド、ハイエース、パッソ。いずれも長く愛されてきたトヨタのロングセラーモデルだ。デビューから7年以上経過しているにも関わらず魅力が褪せず、存在感を放ち続けていられるのはなぜなのか? その理由に迫る。

※本稿は2022年6月のものです
文/国沢光宏、渡辺陽一郎、写真/TOYOTA、ベストカー編集部 ほか
初出:『ベストカー』2022年7月10日号

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■「デザインがいい」!?/トヨタ アルファード(2015年1月デビュー)

トヨタ アルファード。発売後7年が経過しても根強い人気で、Lクラスミニバンの絶対的な王者。高額モデルだが、中古車の流通台数は約2470台と豊富。2019年式以降の高年式車が多く、豪華なカスタム仕様が高価となっている

 現行アルファードのデビューは2015年1月なので、7年半という長い期間にわたり販売されている。

 先代のモデル寿命が6年半。このままだと8年超えは確実だろう。驚くべきは7年経っても売れゆきを落としていないこと。

 ここにきて半導体不足による納期遅れなどが顕著になっているとはいえ、直近の情報でもアルファードって納期6カ月程度になってます。

 6月に契約して年内ギリか来年になっちゃうか、というイメージ。

 だったら生産台数が極めて少ないかとなればトンでもない。今年に入っての月販平均で6500台! 支払い額500万円超のクルマとして考えたら絶好調状態。そして納期6カ月!

 これだけ長い間、人気を維持できているクルマは日本車の歴史をもってしても皆無です。

 最後まで売れゆきを落とさなかった2代目レガシィですらモデル寿命5年。アルファードの凄さがよ〜くわかりますね。

 興味深いことに兄弟車のヴェルファイアは長く愛されなかった。先代モデルでアルファードより売れたが、現行モデルになり地味なデザインになってしまう。

 それでも当初はソコソコ売れていたものの、トヨタの販売店併合によりすべてのディーラーでアルファードを扱えるようになった途端、誰もヴェルファイアを買わなくなった。

 デザインでクルマの売れゆきが変わるというお手本のような存在。

 ということでなぜアルファードが長い間愛されているかと言えば、当然ながらデザインにある。オラオラ系などという好ましくない「属性」を付けられてしまったけれど、お客さんからすれば「負け組の戯言」なんだと思う。

 実際、私も現行アルファードを見た瞬間「ヴェルファイアてんでダメ。アルファード売れるでしょうね!」。

 意外なことに見飽きない。次期型のデザイナーはプレッシャー掛かってると思います。

 次期型は2023年のデビューと予想。姉妹車のヴェルファイアは廃止の見込み。

(TEXT/国沢光宏)

●価格情報
・新車価格:359万7000〜775万2000円
・中古車相場:163.8万〜2299万円

●年別販売台数
・2015年:4万4720台
・2016年:3万7410台
・2017年:4万2400台
・2018年:5万8800台
・2019年:7万4255台
・2020年:9万748台
・2021年:9万5056台
・2022年:2万5480

●主な改良履歴
・2017年12月…内外装の意匠変更、安全装備の強化
・2018年10月…安全装備の強化など
・2019年12月…ディスプレイオーディオを標準化
・2021年4月…グレード体系の見直しな

■地道な改良&ニーズあるエンジンを搭載/トヨタ ランドクルーザープラド(2009年9月デビュー)

 号口車(トヨタ語で現行車を示す。知ってるとトヨタ通です)の発売は2009年9月なので、もはや13年近くフルモデルチェンジしていないことになる。

 なのに売れゆきは落ちないばかりか、今年に入ってからも毎月2000台以上登録されているのだった。

 競合車であるパジェロの凋落と好対照といっていいだろう。車両価格だって決して安くないオーソドックスなクロカン4WDがなんでこんなに愛されているのだろう?

 最大の理由は地道な改良&ニーズあるエンジンを搭載してきていること。

 デビュー時はエンジン、2.7L、4気筒と4L、V6というラインナップ。2015年にはV6を落とし、代わりに2.8Lディーゼルを投入。燃費とドライバビリティのよさが高く評価され、販売急上昇!

 2017年に自動ブレーキを追加。2020年にはディーゼルを177psから204psに向上させるなど、商品力向上を続けてきたのだった。

 次期型はランクル300で新開発された新しいラダーフレームを採用して一新。エンジンは3.3L、V6ディーゼルを搭載。登場は2023年夏か?

(TEXT/国沢光宏)

●年別販売台数
・2009年:9381台※
・2010年:1万4359台※
・2011年:1万2419台※
・2012年:1万5267台※
・2013年:9610台
・2014年:1万5960台
・2015年:1万9780台
・2016年:1万7310台
・2017年:1万8340台
・2018年:2万5810台
・2019年:2万5820台
・2020年:2万4360台
・2021年:3万990台
・2022年:9050台
※2009年〜2012年はランドクルーザー含む

●主な改良履歴
・2013年9月…外観のデザイン変更、装備充実化
・2015年6月…2.8Lディーゼル車の設定など
・2017年9月…外観の意匠変更、安全装備の強化
・2021年6月…安全装備の強化など

●価格情報
・新車価格:366万6000〜554万3000円
・中古車相場:195万〜688万円

■飽きにくいしカッコいい 実は清潔感あるデザイン/トヨタ ハイエース(2004年8月デビュー)

ビジネスからアウトドアなどのレジャーユースまで、現在も幅広ユーザーに人気

 最大の理由は清潔感のあるデザインにあると思っている。

 街中で「ハイエースを探す」ことを試してほしい。驚くほど数多くのハイエースが走ってます。なのにまったく意識しないほど主張しないのだった。

 じゃ地味かとなれば、そんなことありません。ハイエースを単体で見ると飽きにくいしカッコいい! 全日本ラリーに出場しているハイエースを見ると「いいね!」と思う。先代ハイエース、魅力度という点で現行車に勝てない。

 そして寿命という点で圧倒的! 海外に輸出されるハイエース、20万kmくらいだと新車のようなイメージだという。200万kmを超えて使われている個体すら珍しくない。

 さすがにエンジンやミッションは途中で交換をしなければならないけれど、ディーゼルエンジンなら100万km近く使えるそうな。車軸の使われているベアリングのサイズなど必要の2倍以上の容量を持つ。長く愛しても応えてくれる、ということです。

 次期型も商用4ナンバーサイズのキャブオーバーボディを継承。パワーユニットはハイブリッドも用意される。登場は2023年秋が予想される。

(TEXT/国沢光宏)

●年別販売台数(ワゴン)
・2004年:2993台
・2005年:6251台
・2006年:7049台
・2007年:7016台
・2008年:7777台
・2009年:6405台
・2010年:7781台
・2011年:7507台
・2012年:9078台
・2013年:8544台
・2014年:8298台
・2015年:8507台
・2016年:8733台
・2017年:9615台
・2018年:9048台
・2019年:1万277台
・2020年:8677台
・2021年:8547台
・2022年:2968台

●主な改良履歴
・2007年8月…ディーゼル車の新排ガス規制対応
・2010年7月…フロントマスクの意匠変更など
・2013年12月…前後外装デザインの変更など
・2014年12月…ガソリン車の燃費向上、6速AT化

●価格情報
・新車価格:290万3600〜403万9100円
・中古車相場:49万〜969万円

■衝突被害軽減ブレーキを標準装着で126万5000円!/トヨタ パッソ(2016年4月デビュー)

 今のトヨタのコンパクトカーでは、ヤリスやアクアが人気だ。2016年に発売されたパッソは魅力が乏しいが、2022年に1カ月平均で3400台程度は売られている。

 一番の特徴は価格の安さだ。Xは衝突被害軽減ブレーキを標準装着して、価格は126万5000円に収まる。同じ1Lエンジンを搭載するヤリスXよりも19万円安い。しかも後席はパッソが広く、4名で乗車する機会のある営業車、レンタカーなどにも適する。

 水平基調の外観は個性が乏しく平凡だが、雰囲気は馴染みやすい。視界もよく、最小回転半径は4.6mだから小回りも利く。実用性と価格の割安感により、今でも相応の人気がある。

 次期モデルの情報はまだ出てきていない。次期型があるかも含めて注目したい。

(TEXT/渡辺陽一郎)

●年別販売台数
・2016年:5万8912台
・2017年:5万4186台
・2018年:4万7871台
・2019年:4万980台
・2020年:3万2968台
・2021年:3万2542台
・2022年:1万3724台

●主な改良履歴
・2018年10月…スマートアシストIII、コーナーセンサー標準装備、グリルが大型化した新グレード「MODA」追加ほか
・2021年4月…スマートアシストIII標準装備、グレード体系変更ほか

●価格情報
・新車価格:126万5000~190万3000円
・中古車相場:31.8万〜188.9万円

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