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気象庁から山形県、宮城県、福島県の東北南部の梅雨明けが29日発表された。6月中に、東北南部の梅雨が明けるのは1951年の統計開始以来初となる。東北南部の梅雨明けは平年より25日早く、昨年より17日早い。また、平年は1カ月半ほどある今年の梅雨の期間は14日間で、統計開始以来最短となった。

28日には、気象庁が「九州北部、四国、中国、近畿、北陸が梅雨明けしたと見られる」と発表。いずれの地域も統計開始以来、最も早い梅雨明けで、6月中の梅雨明けは初めて。北陸以外の地域は、梅雨期間の最短記録を更新した。

※画像はイメージです(Hakase_/iStock)

熱中症警戒アラートが出されたらどうする?

異常としか言いようのない“早い夏”が日本に到来したが、早速、全国で命の危険を覚えるほどの気温が記録されている。30日には、午前中の段階で東京都心の最高気温が35度に達し、6日連続の猛暑日となった。29日は、群馬県伊勢崎市で午後3時までに40度を記録。前橋市で39.4度、埼玉県鳩山町で39.3度、山梨県大月市で39.1度が計測された。

まだ6月だというのに異常な高温は、関東地方だけにとどまらず、29日は「熱中症警戒アラート」が全国各地で続出した。熱中症警戒アラートは、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に注意を呼びかけ、熱中症予防行動を促すための情報。環境省と気象庁が共同で、情報発信を行っている。29日は、関東甲信や東海、北陸、近畿、中国、四国、九州・沖縄といった、22の府県や地方で熱中症警戒アラートが発出された。

環境省と気象庁は、熱中症警戒アラートが発出された際は、「不要不急の外出を控える」「部屋の中でもエアコンを使用する」「のどが渇く前にこまめに水分を摂る」「エアコンのない屋内での運動は原則、中止・延期」などを呼びかけている。

記録的な猛暑に食中毒警報も早まる

deeepblue /iStock

国や地方自治体が、熱中症とともに警戒を呼び掛けているのが、食中毒だ。もともと、食中毒は湿気の多く比較的、気温の高い6月に発生することが多かったが、今年の異常気象によって例年にないペースで急増している。

岐阜県と岐阜市は28日、今年初めての食中毒警報を発令した。岐阜県では昨年も食中毒警報を発令しているが、昨年の1回目の発令より3週間早かった。岐阜県内では今年に入って既に178人が食中毒を発症しているという。さらに、愛知県と三重県も27日に、今年初の食中毒警報を発令した。また、広島県も21日に、県内全域に食中毒警報を発令している。

警報が発令されるまでもなく、このところの全国的な猛暑ではどの地域でも食中毒が発生しやすい。どういったポイントに特に気を付ければいいのか。厚生労働省は、食中毒予防の特設ページを開設しており、その中で、食中毒予防のポイントが詳しく記載されている。

それによると、細菌性食中毒予防の3原則は、

  • 「細菌を食べ物につけない」
  • 「食べ物に付着した細菌を増やさない」
  • 「食べ物や調理器具に付着した細菌をやっつける」

この3原則は、「清潔」「迅速」「加熱・冷却」と言い換えることもできるという。

厚生労働省サイトより

また、ウイルス性食中毒予防の4原則は、

  • 「ウイルスを調理場内に持ち込まない」
  • 「食べ物や調理器具にウイルスをひろげない」
  • 「食べ物にウイルスをつけない」
  • 「付着してしまったウイルスを加熱してやっつける」

具体的には、「冷蔵や冷凍する食品は、購入後、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れる」「冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持する」「過熱して調理する食品は、中心部の温度が75℃で1分間以上加熱する」「調理を途中でやめるような時は、冷蔵庫に入れる」などが求められている。

記録的な猛暑で、ただでさえ体力が消耗する中、熱中症や食中毒になりでもしたら重症化しかねない。今年の夏は、例年の夏より一層、熱中症や食中毒に注意しながら何とか乗り切りたいものだ。