7月30~31日、2021/2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”の第13戦、第14戦となるロンドンE-Prixがイギリス・ロンドンで開催され、第13戦はジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)、第14戦はルーカス・ディ・グラッシ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)が優勝を飾った。
いよいよシーズン後半戦を迎え、ラストの2ラウンドを残すのみとなった2022年のフォーミュラE。迎えたロンドンでのダブルヘッダー初戦で予選ポールポジションを獲得したのはデニスとなり、2番手にタイトルを争うストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)、3番手には同じくメルセデスEQのニック・デ・フリースが続いた。
45分+1周のレースが幕を開けると、ポールスタートのデニスはシグナルブラックアウトと同時にマシンを2番グリッドのバンドーンに向け牽制を行う。中段勢では2コーナー立ち上がりでサム・バード(ジャガーTCSレーシング)とジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)が接触し、直後を走行していたエドアルド・モルタラ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)が巻き込まれてしまった。
![2022年フォーミュラE第13戦ロンドンE-Prixの決勝スタート](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153936/asimg_1019286484-LAT-20220730-EPS813_140353SB3_3091_8b62e7752867bf3-660x440.jpg)
チャンピオンシップを争うモルタラにとってこのアクシデントの代償は大きく、マシン破損によるピットストップを余儀なくされモルタラは無得点に終わる。これでタイトル争いは厳しくなってしまった。
アタックモードが使用できるようになると9番手のロビン・フラインス(エンビジョン・レーシング)から続々とアクティベートゾーンに進むも、デニス、バンドーン、デ・フリースのトップ3は互いの状況を探り合う戦いが続く。その後トップ3勢もアタックモードを使用するがポジションは入れ替わらない膠着状態を迎える。
そんな戦いが続く17周目、6番手から追い上げをみせたのが、前戦ニューヨークE-Prixで初優勝を挙げたニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)だ。キャシディはまず5番手のオリバー・アスキュー(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)を抜いて順位を上げると、セルジオ・セッテ・カマラ(ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ)もかわし4番手まで浮上してくる。
ファイナルラップにはキャシディが3番手デ・フリースに追い付きテール・トゥ・ノーズでバトルが展開される。トップのデニス、2位バンドーンがチェッカーフラッグを受けるなか、デ・フリースとキャシディの争いは一進一退の攻防が続き、デ・フリースがポジションを守ったままフィニッシュを迎えた。
しかしレース後、デ・フリースには「キャシディに対して行ったディフェンスがレギュレーション違反」とみなされ5秒のタイム加算ペナルティが科されることが決定。これによりキャシディが3位表彰台を獲得することになった。
![隊列をリードするジェイク・デニス(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153935/asimg_1019285867-LAT-20220730-EPS813_140329_ALS3973_d062e77526aa7d2-660x440.jpg)
![2022年フォーミュラE第13戦ロンドンE-Prixの表彰台](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153928/asimg_1019286453-LAT-20220730-EPS813_150758_R3I9181_5e62e7751fbd739-660x440.jpg)
優勝を飾ったデニスは翌日の第14戦でも予選ポールポジションをゲットする速さをみせつける。2番グリッドにはディ・グラッシ、3番グリッドには元F1ドライバーのアントニオ・ジョビナッツィ(ドラゴン/ペンスキー・オートスポーツ)が続くなかレースのスタートが切られる。
前日の第13戦とは異なりクリーンな幕開けかと思われた矢先、オリバー・ローランド(マヒンドラ・レーシング)とオリバー・アスキュー(アバランチ・アンドレッティ・フォーミュラE)のダブルオリバーが接触してしまい、マシンのフロントが一瞬宙を飛んだローランドはダメージを負ってリタイアに。
その後にはチャンピオンを争うベルニュのマシンがコース上にストップしてしまいこちらもリタイア、これでセーフティカー導入となった。レース再開を迎えると、7周目のターン2で4番手ジョビナッツィが3番手ダ・コスタをオーバーテイク、5番手デ・フリースもジョビナッツィに続いてポジションを上げる。
しかしジョビナッツィはその後オーバーパワーによるドライブスルーペナルティを受け後退。デ・フリースとダ・コスタによる3番手争いが展開され、14周目の1コーナーでダ・コスタがポジションを上げていく。
![2022年フォーミュラE第14戦ロンドンE-Prixの決勝スタート](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153930/asimg_JL203538_4b62e77521b25d4-660x440.jpg)
残り8分、2番手ディ・グラッシが首位デニスに追いつきプレッシャーをかけるなか、デニスがアタックモードを使用するためにコーナーアウト側に設けられたアクティベートゾーンに進む。これにより順位が逆転、2番手に下がったデニスはパワーアップしながらディ・グラッシに狙いをつけるもかわすまでには至らない。
ディ・グラッシはレース終盤さらにペースを上げてトップチェッカーを受け、デニスはついていくことができずに2位フィニッシュ。3位デ・フリース、4位バンドーン、5位ダ・コスタ、6位にはニッサンe.ダムスのセバスチャン・ブエミが続いている。
この結果、ドライバーズランキング首位には185ポイントでバンドーンがつけ、149ポイントでランキング2番手のミッチ・エバンス(ジャガーTCSレーシング)には36ポイント差とリードを広げている。2022年のフォーミュラEは、次戦8月13~14日の韓国・ソウルでのダブルヘッダーで今季のチャンピオンが決定する。
![ルーカス・ディ・グラッシ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153925/asimg_1019291529-LAT-20220731-EPS814_141000SG2_8029_8462e7751ceb0c3-660x440.jpg)
![2022年フォーミュラE第14戦ロンドンE-Prixを制したルーカス・ディ・グラッシ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153932/asimg_1019291739-LAT-20220731-EPS814_145600SMG_1384-1_d62e775234058e-660x440.jpg)
![2022年フォーミュラE第14戦ロンドンE-Prixを制したルーカス・ディ・グラッシ(ロキット・ベンチュリ・レーシング)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153919/asimg_1019291958-LAT-20220731-EPS814_151238_W6I0816_1a62e77516a3c7b-660x440.jpg)
![ニック・キャシディ(エンビジョン・レーシング)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153922/asimg_EPS813_073303_W6I9262-2048x2048_7f62e77519b5183-660x440.jpg)
![セバスチャン・ブエミ(ニッサンe.ダムス)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153920/asimg_EPS813_081654SB3_2462-2048x2048_8462e7751852978-660x440.jpg)
![ストフェル・バンドーン(メルセデスEQフォーミュラEチーム)/オリバー・ターベイ(NIO 333フォーミュラEチーム)](https://cdn-image.as-web.jp/2022/08/01153923/asimg_EPS814_074625SG2_7659-2048x2048_4362e7751b53b7f-660x440.jpg)