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詐欺容疑で逮捕された吉羽美華容疑者(寝屋川市議会ホームページより)

新型コロナで経営が悪化した医療・福祉法人向けの公的融資制度を巡り、融資の仲介を装って手数料名目で約6000万円を騙し取ったとして、福岡県警が1日、大阪府寝屋川市議の吉羽美華容疑者(42)ら男女5人を詐欺容疑で逮捕した。

報道によると、吉羽容疑者らは、大阪府内の福祉施設に対し、「融資の半額を自分たちに支払えば返済不要になる」などと虚偽の説明をし、施設側が国の制度で受け取った約1億2000万円の半額を騙し取った疑いが持たれている。吉羽容疑者は今年5月以降の議会には出席していなかった。逮捕前、朝日新聞の取材に対し、「だましてお金をもぎ取ったかどうかと言えば、1円たりとも取っていない」などと疑惑を強く否定していた模様だが、とうとう現職市議として強制捜査の対象となる不祥事に発展した。

プライベートでもお騒がせ

この吉羽容疑者、政界では知る人ぞ知る「お騒がせ」な存在だ。関西学院大学卒業後の2007年、26歳の時に政権交代前で上げ潮だった当時の民主党から地元の寝屋川市議選に出馬、初当選する。

今であればリベラル系メディアから“ルッキズム”と批判が出るのは必至だが、その頃、週刊誌などで「美人すぎる政治家」特集がたびたび組まれ、若く端正な顔立ちの吉羽容疑者は、他の注目女性市議らとともにアイドル的な注目をされた。

実際、アラサーだった吉羽容疑者も1000円で自らの写真集を販売し、個人献金の代わりに政治資金にするという、タブロイドメディアが食いつくような話題もあった。

早くから国政志向が強く、2012年には民主党から衆院選大阪1区で出馬して落選。ここから彼女の“政界渡り鳥”生活がスタート。翌13年参院選は大阪選挙区から鈴木宗男氏率いる新党大地から出馬して落選した(動画は当時の選挙活動)。

翌年、後に自民党の衆院議員となる谷川とむ氏と結婚し、1児をもうけるも2年で離婚。この時、離婚理由として吉羽氏はブログでDVを主張するも、谷川氏が週刊新潮の取材に対し、これを完全否定するなど、プライベートでもお騒がせ状態が続いた。

謎の仮想通貨“売り込み”も

そして2017年衆院選では、小池百合子氏が旗揚げした希望の党から出馬。安倍首相の側近で、自民現職の萩生田光一氏(現経産相)への「刺客」として東京24区(八王子市)に送り込まれるも、縁もゆかりもない土地だった上に小池氏の「排除」発言で党勢が大失速し、あえなく落選した。

現在は当時のブログが削除されているが、この時、「TOSコイン」という仮想通貨の魅力をたっぷりと語る記事が問題視された。記事では、

コインを作っているのは、
SAMSUNG(サムスン電子)と日本の超大企業です。

日本の企業名はまだ出しちゃダメって言われてますが、TOSコインの、「S」がSAMSUNGとすると、「T」は?どこでしょう

皆さん知ってる企業です。

などと、サムソンとトヨタが仮想通貨を作っているという事実無根の話を振りまく記事もあった。当時、吉羽容疑者を返り討ちにした萩生田氏の選対関係者は「経歴からして怪しく公職の候補者としてどうなのか」と首を傾げていたことも。

それでも懲りず、吉羽容疑者は2019年の寝屋川市議選で返り咲きを果たし、現在3期目の活動をしていた。市議会のホームページによると、昨年9月の定例会では、新型コロナの感染対策などについて一般質問に立っていたが、今年5月以降の議会は欠席していた。

市議の身分のままとうとう逮捕されるという究極のお騒がせをしてしまった吉羽容疑者。果たして市民や議会に対し、どのように説明するのだろうか。