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Image:BigTunaOnline/Shutterstock.com

アップルは6月30日、韓国のApp Storeで配信されるアプリにつき、サードパーティ決済(アップルが用意した「App内課金」以外の決済手段)を提供可能になったと発表した。

これは開発者向けの「韓国で配信されるAppに関する最新情報」にて、従来からの「App Storeは、Appを見つけてダウンロードするための安全で信頼できる場所として設計されています」との主張を繰り返しつつ、現地の法律に準拠するためとして述べられた格好だ。

2021年末、韓国では電気通信事業法が改正され、韓国内でのアプリストアで配信されるアプリにつき、アプリ内で代替決済手段を提供することが義務づけられた。その直後にGoogle PlayストアではGoogle Pay以外の課金システムを利用できるようになったが、ようやくアップルも対応したしだいだ。

このルール変更により、開発者は「StoreKit External Purchase Entitlement」を使用できる。このエンタイトルメント(権利)により韓国App Storeだけで配信するアプリに限り、外部決済オプションの提供が可能になる。またアップルのApp内課金システムを使い続けたい開発者は、追加の対応は必要ないとのことだ。

ただしアップルは、この権利を使うと「承認と購入のリクエスト」やファミリー共有などApp Store機能の一部を利用できなくなると開発者に警告している。なぜなら、App Storeの支払いシステムの外部で発生する支払いはアップル側で確認できないから、だそうだ。

そのためアップルは「返金、購入履歴、サブスクリプションの管理、およびデジタル商品やサービスを別の支払い方法で購入した際に発生するその他の問題」についてユーザーをサポートできないと述べている。

注目すべきは、韓国の規制当局が外部決済の利用で取られる手数料に懸念を示していたにもかかわらず、アップルは全ての支払いについて26%の手数料を請求することだろう。

もともとApp内課金の手数料は最大30%だが、外部決済でアップルへの26%に加えて決済代行業者に3%の手数料を支払うとすれば、開発者がそちらを選ぶメリットはほとんどないことになる。

アップルはオランダ国内の出会い系アプリでも外部決済を認めながらも、やはり27%(あるいは12%)の手数料を要求している。今後は、この手数料を引き下げるよう圧力をかけられるのかもしれない。