NVIDIAではローエンドモデルであるGeForce GTX 1630を6月28日に発表し、各メディアからレビューが掲載されていますが性能の割に価格が高くなりそうな様子です。
GeForce GTX 1630の仕様と性能
NVIDIAではローエンド向けグラフィックスカードとしてGeForce GTX 1630を2022年6月28日に発表しました。
このグラフィックスカードはモデル名の通り、GTX 1600シリーズの一つでその中で最も廉価モデルとなり2016年に発売されたGeForce GTX 1050 Tiを置き換える目的でも投入がされています。
仕様としては他のGTX 1600シリーズと同じくTuringアーキテクチャーのTU 117 GPUが搭載、CUDAコアは512基で動作クロックはベースが1740 MHz、ブーストが1785 MHzになっています。VRAMについてはGDDR6を4GBでバス幅が64-bitで接続され、帯域幅については96 GB/sとなっています。
また、TDPは外部電源が不要な75Wに収められています。
モデル名 | GeForce GTX 1630 | GeForce GTX 1650 | GeForce GTX 1050 Ti |
GPU | Turing TU117 | Turing TU117 | Pascal GP107 |
CUDAコア | 512基 | 896基 | 768基 |
ベースクロック | 1740 MHz | 1485 MHz | 1290 MHz |
ブーストクロック | 1785 MHz | 1665 MHz | 1392 MHz |
VRAM仕様・容量 | GDDR6 4GB | GDDR6 4GB | GDDR5 4GB |
バス幅 | 64-bit | 128-bit | 128-bit |
帯域幅 | 96 GB/s | 192 GB/s | 112 GB/s |
TDP | 75W | 75W | 75W |
全体的な仕様としてはGeForce GTX 1050 Tiとほぼ同等か若干下回る程度となっており、GTX 1650に対してはCUDAコア数や帯域幅が大きく下回る仕様設定になっています。
そのため、TechPowerUPが実施したゲーミング時のパフォーマンスにおいてはGTX 1650に対しては61%低い状態となっており、2022年に登場したAMD製ローエンドグラフィックスカードであるRadeon RX 6400に対しても57%低くなっています。
また、TechPowerUPには登場していませんが、Inno3Dの公式ではGeForce GTX 1630とGTX 1050 Tiについてはほぼ同等性能ですが、GTX 1630の方がバス幅が狭いため負荷が重いCyberpunk 2077などのゲームにおいてはGTX 1050 Ti以下のパフォーマンスとなっています。
そんな、NVIDIA GeForce GTX 1630ですが、性能の割に価格設定がかなり微妙なようです。
価格は169ドルから。日本円で約2.4万円。
GeForce GTX 1630についてはNVIDIA側はMSRP、メーカー希望小売価格について発表を一切していないません。
ただ、各社AIBでは販売に向けて価格情報を出し始めており、EVGA製のGTX 1630は199ドル、日本円で2.7万円近い価格に、Colorful製のGTX 1630に関しては1199人民元、日本円で換算すると24,306円となっています。
このGTX 1630は元々、GTX 1050 Tiを置き換えるためにも投入がされていますが、肝心なGTX 1050 Tiが2万円で購入可能なため、今回のGTX 1630については実質的に値上げと言えそうです。
このGTX 1630はコストパフォーマンス面ではGTX 1050 Tiにも負けている状態ですが、さらにGTX 1630より性能が高く、レイトレーシングにも対応しているRadeon RX 6400が2万円で販売されている事から、このGTX 1630については存在価値すら危ぶまれる存在になっています。
ただし、唯一GTX 1050 TiやRadeon RX 6400より優れている点としてはH.264やH.265のエンコード機能に対応しているため、CPUパワーをほとんど使わずにゲームプレイ動画の配信などが可能となっていますので配信を考えている方であればGTX 1630は選択肢に入れるのもアリかもしれませんが、万人向けにはRadeon RX 6400ですね。
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